【世界の街角から】

フランス人独特のエスプリ?
巨大な新旧2つの凱旋門


フランス、そしてパリを象徴する建物のひとつに凱旋門が上げられる。1806年にナポレオンのお声がかりで建築が始まった凱旋門が完成したのは1836年。ナポレオンの死後19年もたってからだった。ナポレオンの遺体がこの門をくぐったのは1840年のこと。フランスが第二次世界大戦でナチス・ドイツに占領されたとき、フランス人が誇る代表的建物である凱旋門を進軍してきたドイツ軍の靴音を未だに忘れられないというお年寄りもいる。


▲シャンゼリゼ通りの代表的建築物、凱旋門。ナポレオンの戦いを描いた浮き彫りは見事なもの

高さ50メートル、幅45メートルの巨大な門にはナポレオンの戦いの様子を描いた見事な浮き彫刻がほどこされている。シャンゼリゼ通りにあるこの門は現在は元フランス大統領の名前をとってシャルル・ドゴール広場と呼ばれ、ここから放射線状に12本の大通りが交差している。シャンゼリゼ通り前方にはコンコルド広場やルーブル美術館などがあり、門の後方には副都心、デファンスがある。


▲副都心、デファンスにあるもうひとつの凱旋門、グランド・アルシュ。中はオフィスビルになっている


▲グランド・アルシュから見た凱旋門

凱旋門から西にシャンゼリ通りからグランダルメ通りと名前が変わってセーヌ河を渡ると旧パリ市内とは全く別世界が広がっている。デファンスと呼ばれるパリの副都心である。市内が歴史的世界遺産の建造物に埋め尽くされている反動なのか、対照的に近代的未来都市の形相がうかがえる。中でも凱旋門と直線状に建てられた新凱旋門、グランド・アルシュは105メートル×105メートルの正方形でなんとも度肝を抜かれるような近代的建物。1990年に完成した。新旧の対象がフランス人独特のエスプリだろうか。門といっても中はオフィスビルとして活用されている。グランド・アルシュ広場から凱旋門を眺めるのも感慨深いものである。


▲未来都市のような近代建築が並ぶデファンス


▲デファンスの中も宇宙的。中にはいろいろな店や企業のオフィスがはいっている


▲リュクサンブール公園近くの古い建物が並ぶパリ市内。正面にエッフェル塔が見える

デファンスにはフランスを代表するIT企業ビルやショッピングセンターなどがある。ビルの中のインテリアや流れるサウンドミュージックもなんとなく宇宙的でさすが芸術の国フランス、と感心させられる。さも「古さだけに凝りかたっまっていないんだよ」と、いわんばかり。とはいえ、やはりパリの良さは200年以上前に計画的に建てられた美しい街並みではないだろうか。デファンスは皮肉にもそのことを改めて認識させてくれるような気がする。もっとも好みにもよるが・・・。

(リポート・いろもとのりこ)

 



 
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