【世界の街角から】

200年の歴史をへたパリの運河の昨今
サン・マルタン運河から科学未来都市ヴィレットへ


パリの東西中心を流れるセーヌ河は昔は大事な交通手段として、また現在は観光資源、そして市民の憩いの場としても重要な役割を果たしている。このセーヌ河から南北に1本の運河が通っている。セーヌ河→バスティーユ→レプブリック→ヴィレットを通るサン・マルタン運河である。この運河は200年以上前、1802年にナポレオンが建設を命じて造られたもの。完成したのは1825年で、セーヌ河からヴィレット貯水場まで全長4.5キロメートル。水位の差26メートルを9つの水門で水を調整して船を通過させるのである。この水門は閘門式と呼ばれ、カナダでも多く見られる。

▲レピュブリック広場のフランスの自由を象徴するマリアンヌ像。広場の1ブロック東にサン・マルタン運河がある


▲狭い水路のところ。閘門式水門が見える


▲少し幅が広くなっている運河


▲開けた水門を通る船


▲運河の脇が散歩道になっているところもある


▲運河のそばに立つ映画「北ホテル」の舞台になったところ。今はレストラン・カフェになっている

サン・マルタン運河の風景は大木の並木や運河にかけられた太鼓橋がノスタルチックで、なんとも情緒があって絵になる。この運河が一躍有名になったのは、運河のそばに建つ「北ホテル」が映画の舞台になったこと。現在は同名のレストラン・カフェになっている。また2002年にヒットした映画「アメリ」にもこの運河が登場して再び注目されるようになった。


▲サン・マルタン運河からヴィレット貯水池をへて一部がヴィレット・パークに流れている

昔の面影を残したこの運河を北上すると広々としたヴィレット貯水場に出る。昔は貯水場の両側は倉庫が並んでいたそうだが、現在はウオーターフロントのおしゃれな地区に開発された。そこからさらに北上するとウルク運河と名前が変わり、科学都市ヴィレット・パークの広大な未来的風景が展開する。


▲ヴィレット・パークの入り口


▲パーク内の科学産業博物館


▲科学産業博物館(左)から橋を渡ると潜水艦の模型がある


▲巨大な球形の映画館「ジェオッド」


▲各館の間には広い芝生の公園があり、子供たちが遊んだり、寝っころがったりしている

ヴィレット・パークはミッテラン元大統領が推進したパリの「大改造計画」の一環として再開発されたもの。科学産業館、直系36メートルの巨大な球形をした映画館「ジェオッド」、音楽博物館、多目的ホールなど、いずれも未来的感覚の建築物ばかり。各建物の間には広い芝生の公園があって、のんびりくつろいだり、ボール遊びをしたり・・・憩いの場所として親しまれている。このパークは子供たちが学校から遠足を兼ねて訪れることが多いようだ。
バスティーユ広場の南に運河のアルセナル港があり、そこからヴィレットまでクルーズ船が出ている。逆にヴィレットからもバスティーユに向けてクルーズ船が運航されている。所要時間約2時間半(www.canauxrama.com)。パリの古さと新しさを同時に知るには面白いかもしれない。

(リポート・いろもとのりこ)

 



 
(c)e-Nikka all rights reserved