【世界の街角から】

パリ再開発で生まれ変わった二つの地域
元高架橋とベルシー地区の「ベルシー・ヴィラージュ」


1980年代、元フランス大統領のシラク氏がパリ市長時代に大規模な再開開発に取り組み、生まれ変わった地域が二つある。ひとつはバスティーユ駅からリヨン駅方面にあった鉄道の高架橋の再活用とかつてブドウ畑とワインの貯蔵倉庫がならんでいた「パリの田舎」と呼ばれたいたベルシー地区の再開発である。この二つは隣接した地域にある。


▲バスティーユの記念塔のすぐ横に1989年(革命200周年記念)にできた新しいオペラ座。建築デザインはカナダ人のカルロス・オット氏


▲元高架橋は上が緑と花の散歩道、下はアーティストのアトリエやブティックなどに様変わりし、「芸術の高架橋」(Viaduc des Arts)と呼ばれている


▲バラが美しい元高架橋

バスティーユ広場に面したところ、以前鉄道貨物の場所だったところに新オペラ座が建てられ、オペラの座裏手にあった元鉄道高架橋は上が緑と花の散歩道、下は芸術家たちのアトリエやブティックに生まれ変わったのである。市民はこれを「Viaduc des Arts=芸術の高架橋」と呼び、自然と芸術の二つを楽しんでいる。大きな通りごとに上と下に通じる階段があるので、上がったり下がったりもできるようになっている。散歩道には季節の花やパリには珍しい笹の小さな林もある。


▲画家のアトリエ


▲リヨン駅付近から見える元高架橋


▲かつてのワイン貯蔵倉庫がおしゃれなヴィラージュ(ビレッジ)に変身


▲ビレッジ内にはかつて活躍していたレールのあとが残っている。レストランやブティックが並んでいる


▲倉庫を利用してブティックや博物館もある


▲緑豊なベルシー公園


▲公園内にはしゃくなげが花盛り(6月初旬)

もうひとつのベルシー地域はパリ中心の東、リヨン駅の裏手にあたり、昔はセーヌ河や運河を通じてワインの流通のための重要な拠点であった。しかし、運搬手段が水路から陸路へと移り変わってすっかりさびれてしまったのである。それが再開発されて今や市民の憩いの場所として親しまれている。ワイン貯蔵庫を生かしたショッピングエリア「ベルシー・ヴィラージュ」。ここにはレストランやブティックなどがあり、パリではめずらしく日曜オープンのエリアとして喜ばれている。
さらにベルシー公園の整備。この公園にはかつてのブドウ畑の名残としてワインブドウの共同畑も設けている。ここはいわゆる幾何学的フランス庭園とちがって、林や花壇、池などが自由な雰囲気で造られ、休日には芝生の上でピクニックを楽しむ家族を多く目にする。

▲ベルシー公園沿いにある5年前にできた映画の殿堂、シネマテック(それまではシャイヨ宮にあった)


▲ベルシー地区にある近代的な多目的総合体育館。ベルシー公園の先端にある

その後、ベルシー公園の先端に近代的な総合体育館や公園の途中に映画の殿堂、シネマテックなどが建設され、さらに市民が足を運ぶようになった。

(リポート・いろもとのりこ)

 



 
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