1990年にシュワルツェネッガーが一世を風靡(ふうび)した作品のリメイク
TOTAL RECALL
監督: Len Wiseman
出演: Colin Farrell、Kate Beckinsale、Jessica Biel ほか
118分
上映館:Scotiabank Theatre ほか
★★★ (★印は5段階評価)
「トータル・リコール」といえばアーノルド・シュワルツェネッガー。1990年に公開されたオリジナルは、「ターミネーター」、「コマンドー」に続いて独特のシュワルツェネッガーのキャラクターを印象づける作品となった。
アクション・スターでありながら愛嬌のあるシュワルツェネッガーはアイコン的な存在として一世を風靡(ふうび)し、日本ではテレビ・コマーシャルにも出演して親近感がもてるアクション・スターとして愛されたと記憶している。
そんなシュワルツェネッガーの印象が強く残る作品が、まったく違う俳優の起用でリメイクされた。主演はアイルランド人のコリン・ファレル。アクション、コメディーに多く出演しており、演技もそこそこできる俳優である。だが、本作でファレルの個性はほとんど生かされていない。
製作側の意図なのかどうか分からないが、ファレルの役に限らず本作にはキャラクター描写がほとんどなく、本作で一番演技のできると思われる悪役、コーハーゲン役のブライアン・クランストンでさえなぜ起用されたのか分からないぐらいキャラクターに中身がない。
見どころはアクション。登場人物がCGを駆使した近未来で空中と飛び交う車やエレベーターなどを次々と飛び移り、ゲームのようなスリルが連続的に味わえる。
撮影はほとんどトロントで行われたと聞いたが、実際の街の風景と重ねられるような部分はほとんどなく、アニメを実写化したような幾重にも重なる空中都市などが迫力いっぱいに描かれている。
前作と22年のギャップがある本作では映像テクノロジーの発展がおそらく一番大きな違いであり、見ごたえのある点でもあると思う。
一世を風靡したオリジナルと同じ原作、タイトルではあるが、比べるには個性がない。その場しのぎの娯楽として楽しめるが、おそらく一カ月もすれば忘れられる、少々もの足りない作品である。(ルン)
(2012年8月9日号)
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