【世界の街角から】

アドベンチャーワールドを満喫
アイスランド&グリーンランド


〈 トロント 杉本喜美子・記 〉

火山の国、アイスランド
この夏、8月13日から1週間、友人4人でアイスランドとグリーンランドを巡ってきました。きっかけは、友人の息子さんがアイスランドマラソンに参加するので、ついでに行ってみようということになったのです。そこは、ついでどころか本気で楽しめるアドベンチャーワールドでした。アラフォーならぬアラ還な私たち4人にとっては、人生最後の身体酷使(?)、運動能力と勇気を試されるところでした。


▲アイスランドの首都レイキャビクから小船で20分の所にある小島で見たパフィンという鳥

体長30センチぐらいのパフィンが海上すれすれの所をせわしなく羽をパタパタさせて飛び、それがなんともキュートです。まさかその晩、レストランで失礼してしまうなんて、ひどい人もいるもんだ。ちなみに味はレバー肉そっくりでした。


▲溶岩と山の間から噴き出る地熱煙

アイスランドの首都、レイキャビク(Reykjavik)の郊外では溶岩と山の間から地熱煙が噴き出ています。レイキャビクの市民の暖房はこれで賄われているそうです。郊外はどこも、ほぼこれと同じような景色でした。


▲ラングジョクル氷河

アイスランドで2番目に大きな氷河、ラングジョクル氷河を訪れました。ピッケルとスパイク靴でガッシガッシ踏みしめて歩くこと1時間。もし踏み間違えようものなら滑って氷の湖にまっ逆さま。氷河歩きに一生分の勇気と神経を使い果たしたかもしれない。あと20歳若かったならなあ・・・。


▲アイスランドマラソンのスタート地点

アイスランドマラソンは1万3000人の参加者という大イベントで、小さなレイキャビクの町を1日中賑わせてくれました。友人の息子さんは、約42キロを3時間30分ちょうどという好タイムで完走しました。ここは白夜なので、夜11時にやっと薄暗くなり、花火が打ち上げられ、今年最後かもしれない夏の夜をだれもが惜しむように楽しみました。


▲テュリヌカギガー火山の火口の内側を見学

アイスランドは火山の国です。私たちは、テュリヌカギガー山という火山に登りました。火山口の中を5人乗りのゴンドラに命綱をつけ、下降すること200メートル。テュリヌカギガー山は世界でも珍しく火山口が開いていて、底には固まった溶岩がごろごろころがっています。観光用に今年は2カ月間だけ試験的にオープンするということで、私たちは入ることができました。火口は、2日後が見学最後というのに間に合ったのです。しかし、そこにたどり着くまで溶岩と苔(こけ)の道なき道を5キロも歩くしんどさに絶句。だれだ、こんなの申し込んだのは!


▲海水のブルーラグーン温泉

世界中から観光客がやってくるこの世の極楽──海水のブルーラグーン温泉です。あお向けになればぷかぷか浮き、顔は泥パックでお肌はすべすべ(ならいいが・・・)。足元はいたって危険で、深いところで肩の辺りまでしかないのですが、コンクリートで平らになどなっていない。ごつい岩あり砂あり、ぬめった泥ありで上がるまで油断はできないのです。ちなみに入湯料は、貸しガウンとバスタオルを入れて7400クローネ(CAN$65 ぐらい、高いね〜)。

グリーンランド日帰りの旅
アイスランドに滞在中、グリーンランドへ日帰りの旅をしました。日帰りツアーに$700の飛行機代を払ってなんだかなあ〜と、あまり乗り気ではなかったのですが、なんと言うことだ! 今までいろいろな所に旅しましたが、グリーンランドが一番新鮮で見たこともない世界でした。飛行場にはタクシーもバスも人もいない、家もない。当然、コンビニもスタバもない。ただ山と氷河と雪と流氷と名もない小さな花があるだけです。こんな国がまだ地球上に残されていたことに、ただただ感謝するのみです。


▲グリーンランドのクルスク空港から徒歩40分、突如現れたイヌイットの集落

グリーンランドのクルスク空港から歩いて40分のところに、イヌイットの部落が突如現れました。まるでおとぎの国に迷い込んだかのような景色です。つい40年前まではだれに知られることもなく、ましてや外国の文明に感化されることもなく暮らしていたイヌイットの人々。今では、クルスクのイヌイット集落の総人口は250人といわれる。寿命は65歳以上は生きられず、自殺率は高いらしい。


▲自宅前でカヤック漕ぎの練習をする幼児

自宅前でカヤック漕ぎの練習をする5〜6歳くらいの幼児は、私と目が合った瞬間、手を休めましたが、再び黙々と水を漕ぎはじめました。この子があと少し大きくなったら、海に出てアザラシ、カリブー、魚を獲って一家を支えることになるのでしょう。がんばれ。


▲イヌイットのダンスを披露する男性

イヌイットのダンスを披露してくれた62歳の男性は、タイコをたたきながら離ればなれにならざるを得ない二羽の鳥の悲話を語ってくれました。その時、凍(い)てつく波の上を二羽の鳥が寄り添って泳いでるのが見えました。それにしてもこれ以上の美しいステージはないでしょう。

(2012年9月6日号)

 



 
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