【世界の街角から】

老若男女だれもが楽しめる観光都市
ニュージャージー州アトランティックシティー


〈 トロント・中村智子 〉

アメリカ・ニュージャージー州にある観光都市アトランティックシティー。カナダとフランスの犯罪映画「アトランティック・シティー」でも有名な場所だ。


▲アトランティックシティーのホテル群

なぜ、ここへ行くことになったのかと聞かれると、答えに窮するのだが、ロングウィークエンドさえあればとにかくトロントから遠出をしたかったのと、3連休でも十分に行って帰って来られる場所を考慮した結果、アトランティックシティーが候補に挙がっただけのことであった。ちなみに、当時はウエストジェット社がトロント−アトランティックシティー間を、木曜夜−日曜夜のスケジュールで運航していたが(そのため行きと帰りの便で同じ乗客を何人も見た)、今は廃便となってしまったようだ。


▲アトランティックシティー南側(この海は大西洋)


▲アトランティックパレスホテル(中央)とタジマハールホテル(右)

ラスベガスに行ったことがあったので、アトランティックシティーには正直言ってあまり期待はしていなかったのだが、それでもカナダとはやはり全然違う、アメリカのカジノの陽気な雰囲気やショッピングを楽しんできた(私はギャンブルはしなかったが)。ただ、食事はお世辞にも美味しいとはいえないものであったので、期待しないでほしい。

カナダに長く住めば住むほど、いろいろな意味でアメリカとの違いを感じ、カナダに住んでいてよかったと思うことの方が多いが、カナダが一つどうしてもアメリカに勝てないものがある。それは、エンターテイメント。カナダのお偉いさんが何と言おうが、アメリカのエンターテイメントはカナダの10倍は発達している。そもそも、人を楽しませながらお金儲けをしようとする発想や着眼点が、あの国の人達はけた違いに秀(ひい)でている。だから、カナダ出身の俳優や歌手やタレントの多くがアメリカへ活動の拠点を移すのであろう。カナダからの頭脳流出ならぬ、人口流出にも納得がいく。カナダは人口増加を大歓迎しているのに、皮肉な話だ。


▲ボードウオーク北側


▲延々と続くボードウオーク南側(左側は大西洋)

アトランティックシティーのどこがよかったかというと、決して大がかりなパフォーマンスや派手な見せ物はないものの、老若男女、家族連れ、カップル、一人身と、皆がそれぞれ楽しめる場所であるという点だ。
たとえば、ボードウオークにあるモールは、家族連れやティーンエージャーで賑わっていた。その名の通り、トロントのビーチ地区にあるようなボードウオークが延々と続いているのだが、どうやらアトランティックシティーでは、これが固有名詞化しているようだ。はたまたカジノには、大損した悲壮感漂う中年のおじさんやおばさんがあふれていた。おそらくギャンブルが生業(なりわい)の人達なのであろう。小心者の私には、これ以上貧乏になる勇気はなかった。

もう一点、ボードウオークのエリアから少し離れた場所に「The Walk (ザ・ウオーク)」と呼ばれる、アウトレットがずらりと並ぶエリアがある。私のようにカジノに興味のない人には、そちらがおすすめだ。私が行った時期はちょうどセールだったらしく、たとえば、多くの人が一着は持っているであろう「ラコステ」のポロシャツは税込み20ドルであった。ボクシングデーセールでもかなわないこの破格、さすが集客上手のアメリカだ。


▲Hotel Bally's (このホテルはラスべガスにもある)

ロングウィークエンドにお勧めのアトランティックシティー。フィラデルフィア、ボルチモア、ニューヨーク、ワシントンも日帰りで行ける距離にあるので、足を伸ばしてみるのもいいかもしれない。

(2012年10月25日号)



 



 
(c)e-Nikka all rights reserved