【コラボ】

熱気あふれ盛り上がったトロントでの震災支援コンサート
吉田兄弟&モンキーマジック、津軽三味線とロック大熱演


今や津軽三味線の第一人者であり人気デュオの吉田兄弟と宮城県仙台市を本拠地として活躍しているロックグループ、モンキーマジック(MONKEY MAJIK)のコラボコンサートが11月18日夜、トロントのダウンタウン、The Mod Club で開かれた。開場が1時間半ほど遅れ冷え込んだ会場の外で待つ人たちの長い列が人目をひいた。それでも会場に入ると熱気があふれ、演奏が始まるとさらに盛り上がった。


▲吉田兄弟(All Photos by Emi Demski)

■吉田兄弟──繊細でダイナミックな演奏に酔いしれる観客
まず第1部は吉田兄弟の演奏。しっとりとした「黒田節」から始まり、パンチのきいた演奏になるとあちこちから拍手が起きる。中には「おぼろ月夜」など叙情的な曲もあったが、なんといっても締めの「津軽じょんがら節」のダイナミックで繊細な演奏に会場は魅了された。


▲吉田兄弟の兄、良一郎


▲吉田兄弟の弟、健一

吉田兄弟は北海道登別市出身。兄の良一郎(35歳)と弟の健一(32歳)は共に5歳から三味線を習い始めた。若くして津軽三味線全国大会などで頭角を現し、1999年にアルバム「いぶき」でメジャーデビュー。2001年には日本ゴールドディスク大賞、純邦楽アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞。それまで三味線に興味のなかった若い層にファンを広げ、幅広い人気を得ている。また、国外での演奏活動にも積極的で北米、ヨーロッパ、アジアでも広く活動し、日本の伝統芸能を広めている。カナダでの公演は2008年に続いて2回目。

■モンキーマジック──観客と一体となって若さ爆発
モンキーマジックは今年2月、日本政府が主催する外務省復興発信使「KIZUNA 大使」としてトロント日系文化会館でコンサートを開催。今回は今年2回目のカナダ公演とあっておなじみムードがただよい、観客と一体化してショーを盛り上げていった。


▲モンキーマジック


▲モンキーマジック

モンキーマジックは宮城県仙台市を基盤とし、11年間にわたり演奏活動を展開しているが、東日本大震災に際し、支援コンサートも実施している。メンバーは4人で、そのうち2人はオタワ出身のカナダ人、メイナード(Maynard)、ブレイズ(Blaise)兄弟(ともにボーカル&ギター)。あとの2人は日本人のリズム隊 tax(ドラム)、DICK(ベース)から成るハイブリッドバンドである。
彼らは2011年3月11日に東日本大震災を地元・仙台で被災したことをきっかけに、自らも被災しながら、ボランティア活動を開始。その後、音楽を通じて継続的な支援や震災風化の防止を目的とした復興支援プロジェクト「SEND 愛」を立ち上げ、2011年7月大阪、2011年10月地元仙台でチャリティーライブを開催し、それぞれの売上金の一部を宮城県へ寄付している。


▲モンキーマジックと吉田兄弟のコラボ


▲モンキーマジックと吉田兄弟のコラボレーション、「CHANGE」の演奏でコンサートはクライマックスを迎えた

今回は「東北観光親善大使」「震災復興支援活動アーティスト」という側面から、宮城県、東北運輸局、外務省、カナダ大使館、東北観光推進機構など、多方面から、震災後の国際交流・広報の役割を期待されていることも踏まえ、以前から親交の厚い津軽三味線の吉田兄弟を共演に迎えスプリットツアーとして開催することになったものである。
というわけで、今回のショーの最後は吉田兄弟とモンキーマジックが合同演奏。最高に盛り上がってコンサートを締めくくった。

なお、11月20日にはオタワで同様のコンサートを開催した。

〈リポート・いろもとのりこ〉〈写真:デムスキー恵美〉

(2012年11月22日号)



 



 
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