【ひと】

モーゲージ担当者
Scotiabank 内藤洋子さん



不動産を購入するときに必要なモーゲージ(住宅ローン)融資の専門家、内藤洋子さん。現在、Scotiabank(スコシア銀行)の社員としてトロントおよび郊外のリッチモンド、マーカム地域を中心に活動している。日本語、中国語、英語に堪能なところから、幅広い客層に対応する。
11月10日にトロント日系文化会館で開催された「知って得する不動産投資と住宅ローン活用術」セミナーで講師を務めたことから広く知られるようになった。トロント近辺では日本人として唯一のモーゲージ専門家である。大きなお金に関連する仕事であることから、さまざまな知識が必要となる。内藤さんはカナダ社会でどのようにして現在の職を得たのだろうか。そしてどのような仕事をしているかなどをうかがった。


▲内藤洋子さん。Scotiabank オフィスにて

◆英語留学でトロント大学に
内藤洋子さんは北海道札幌市出身。地元の高校を卒業後、東京のお茶の水女子大学化学科へ入学。将来は化粧品の開発関連の仕事に就くことを希望していたそうだ。1997年、英語留学の目的でトロント大学に入学した。
「もともと母がアメリカのロサンゼルスに留学した経験があり、英語が話せたので私も語学に興味がありました」。トロントで生活するうちにカナダのライフスタイルが気に入り、永住したいと考えるようになったそうだ。その後、カナダと日本を行ったり来たりしているうちに2001年に現在のカナダ国籍の中国人のご主人と出会い、数年後に結婚。
「主人の両親が全く英語が話せなかったので、私が中国語を覚える以外コミュニケーションができないわけです」。必要にせまられて生きた中国語を体得し、おかげでマスターできた。それが、今日、仕事でも活用できることになったのである。
結婚後は2人の子育て(現在9歳と5歳の女の子)に追われ、主婦業に専念していた。しかし、次女が一日中幼稚園に預けられるようになって、「何か仕事を始めたい」と考えるようになった。

◆語学力を生かし、人のためになる職種を
主婦から突然、社会復帰するのは容易ではない。まだ子供に手がかかることから、勤務時間の決まった会社勤めより時間的にフレキシブルな仕事を選ぶことにした。まず、頭に浮かんだのはリアルエステート(不動産業)の仕事。もちろん、資格を取らなくてはいけないが・・・。
「トロントには日本人の不動産屋さんはけっこういますので、不動産と関連する銀行のモーゲージ担当を考えました。この職種はトロント近辺では日本人はいませんでしたし・・・」。人との出会いが好きだったこともこの職種を選んだ理由のひとつであった。そして、なにかしらカナダ在住の日本人の役に立てることができれば・・・とも思った。
そこで、Scotiabank に応募し、入社試験を受けることに。「試験は大変厳しかったです。最初の面接から約4カ月間かかって、最終段階のトップクラスのインタビューまで6回の面接を受けました」。語学に強いことや人当たりがよいことなどもプラスして見事合格した。2011年のことである。
入社が決まって、その後、トレーニングや研修に4カ月かかり、実際に仕事が始まったのは今年2月ごろからである。

◆いろいろなモーゲージの取り方を指導
内藤洋子さんの肩書は Home Financing Manager 。一見、いかめしく感じるが、要はモーゲージを希望するお客さまがそれぞれのライフプランに基づいたモーゲージを組むことを可能にするのが仕事である。
職場は現在のところ、リッチモンドやマーカム地域などトロント近郊が多いが、要望に応じてトロント市内の Scotiabank 支店など、どこにでも出向するそうだ。その辺が日本のいわゆるローン担当者とはちがうところである。勤務時間もフレキシブルで、自宅でもできる仕事もあり、家庭を持つ内藤さんにとってありがたいことである。
とはいえ、お金に関するセンシティブな仕事でもある。お客によっては心配症な人もいて早朝とか夜遅く、「もし、モーゲージが下りなかったらどうしょう」と電話してくることもあるそうだ。「初めて不動産を買う人のモーゲージが認可されたときは、私もうれしいですね」と、仕事のやりがいを語る。
「モーゲージの取り方にはいろいろな方法があり、うまく利用すれば支払う利子をずいぶんセーブできます。そんな方法をアドバイスするのが私の役目です」と。また、「一般的に中国人のお客さまはレイト(利率)中心で即決型が多いですね。その点、日本人はよく考えて自分でやりくりするスタイルですね」と話す。

◆「日本的サービスを提供したい」
時々日本に帰ると、サービスとはこういうふうにするものだ、と感心させられることがある。「こちらでも日本的なサービスを提供したいですね。そのためには人間関係の親密化をはかり、お客さまのニーズに合ったアドバイスができるよう心がけたいです」と内藤さん。
最後に、「私はまだまだ修業の身でもありますから、トロントで活躍している先輩方を見習って行きたいと思います。その上でできるだけ日本人のお手伝いができるようにしたいと思います」
今後、日本に住む投資目的の人にもマーケットを広げていきたい、と意欲を語る。
〈 内藤洋子さんの連絡先 〉
yoko.naito@scotiabank.com

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初めての住宅購入セミナー
11月10日のセミナーに続いて、2013年1月19日に再び内藤陽子さんが Royal LePage Signature Realtyの服部江理子さんと一緒にセミナーを行うことになった。内藤さんは頭金5%から組めるモーゲージの話をする予定である。

■日時:1月19日(土)午後6時30分〜8時30分
■場所:トロント日系文化会館・ヒロコバラルルーム(6 Garamond Court)
■会費:無料(ただし予約16名まで)
Tel:416-441-2345(JCCC)または yoko.naito@scotiabank.com

〈 取材・いろもとのりこ 〉 (2012年12月6日号)



 
 


 
 
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