【食べある記・ケベック州編】

美しい自然の中で自然の味を生かしたレストラン
チェルシーの「LES FOUGERES」(レ・フジェール)


オタワ市からオタワ川の橋をケベック州方面に渡って車で15分ほど北へ行くと Chelsea (チェルシー)という自然の豊かな村がある。人口7,000人。広大な Gatineau Park (ガティノーパーク)の一部にもなっていて、いろいろな鳥や鹿、熊などの動物が現れるところでもある。
レストラン「LES FOUGERES」(レ・フジェール)はそんな田舎の街道筋にポツンと建っている一軒家のレストラン。裏庭はメープル林や菜園が広がるまさに自然の中のレストランである(Fougere はシダ〈羊歯〉を意味する)。
一見、「こんな田舎にあってお客が来るのだろうか?」と思うが、オタワおよびその近郊から評判を聞きつけてお客が続々とやってくる。予約がなければ席が取れないほどの人気ぶり、特に週末は家族連れでにぎわうので2週間以上前の予約が必要なくらいだ。


▲周囲にマッチしたやさしい感じの木造建築。レストラン部門とグルメショップなどがある


▲レストランの裏庭はメープル林に囲まれ新緑が美しい


▲広い裏庭には野菜やハーブ類が植えられている。すべてオーガニック

まずはこの店のストーリーをご紹介。オーナーシェフのチャールス・パートさんはロンドン生まれのイギリス人。ホテル学校で料理を学んだあと、ロンドンの有名ホテルで修業をし、1981年カナダに移住。カナダ人ジェニファ・ワーレンさんとめぐり合って結婚。ふたりで1986年トロントに「Loons Restaurant」をオープンした。1992年まで営業していたが、都会の喧騒(けんそう)に嫌気がさし、ふたりの子供のためにもカントリーサイドでの生活、レストラン経営を思考し始めた。
こうして見つけたのが自然の美しいケベック州チェルシー村だった。1993年、「LES FOUGERES」をオープン。広い裏庭にレストランで使う野菜やハーブ類を栽培。季節感あふれる料理をお客にふるまうことをモットーにこの地に溶け込むレストランが誕生した。建物内にはレストランの隣りにホームメイドのお総菜やソース、ジャム、チョコレートをはじめ各種食品も含めたグルメショップを併設している。


▲内装はシンプルだけに外の景色がいっそう美しく見える。夏はテラス・パティオもオープン

この20年間、「LES FOUGERES」はいろいろな料理コンクールなどで賞を獲得したりしてすっかり有名になり、地元をはじめオタワ、モントリオール、トロントなどからもお客を呼ぶほどになった。2007年にはチャールス&ジェニファー・パート夫妻の共著で「A Year at Les Fougeres」という料理書を出版した。
さて、メニューの紹介を・・・。まずはオードブル。「マッシュルームスープのモリーユキノコ添え」はキノコの香りを生かしたまろやかなスープの味が絶品。ホームメイドハムやケベック産ポーク、フォアグラ、地元のカモを使ったものなどが味わえる($9.50〜19.50)。


▲オードブル。ケベック産ポークのスロークック、ルバーブソース添え

メインは地元のポーク、しいたけ、みそなどを使ったアジア風のもの、タラのグリル、サーモンソテー、カモ料理、チキンブレスト、ラムの骨付き肩肉などいずれもオリジナルメニューばかり($29〜38)。


▲ラム肩肉(ラムチョップ)のにんにく風味ロースト」。焼き具合がパーフェクトのピンク色


▲タラのグリル、きのこソース

デザートには「メープルシロップパイ」「りんごのタルト」「ソフトレモンカード、ピスタチオ添え」「クレームブリューレ」「ヌガーアイスクリーム、クランベリーとハニーソース添え」「チョコレートケーキ」など、目移りしそうなものばかりだ($8.50〜$11)。


▲デザート。ソフトレモンカード、ピスタチオ添え

ほかに TABLE D’HOTE (定食)がある。オードブル、メイン、デザートをいくつかのメニューから選べるコース料理になっていて、値段的にはお得で人気が高い($49)。料理メニューは季節によって、当然、変わるので、いつも上記のメニューとは限らない。
また、ワインのセレクトも評判がよく、このレストラン所属のソムリエール、ヴェロニク・リベストさんが今年3月末に東京で行われた世界ソムリエ大会で女性として初めて決勝に進出し、2位に入賞したそうだ。


▲レストラン経営者チャールス&ジェニファー・パート夫妻の共著による料理書「A Year at Les Fougeres」 の(左)。右は裏表紙

LES FOUGERES
783 Route 105, Chelsea, QC J9B 1P1
Tel:819-827-8942
毎日オープン。ランチ&ディナー
www.fougeres.com (ウェブサイトから予約できます)

〈 5月11日に取材・いろもとのりこ 〉

(2013年5月16日号)



 



 
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