【食べある記・トロント編】

カナダ料理界で最高の賞に輝く
フランス料理店「Auberge du Pommier」
洗練された味と盛り付けに定評


今年2月に行われた Canadian Culinary Championships(カナダ料理コンペティション)で見事優勝したレストランとして、一躍カナダ中にその名前が知れ渡った「Auberge du Pommier」(オーベルジュ・ドゥ・ポミエー)。エグゼクティブ・シェフ Marc St. Jacques さん、スーシェフ(シェフ補佐)David Matus さん、エグゼクティブ・スーシェフ Moto Nishimura (西村元伸)さんの3人のチームが勝ち取ったトロフィーである。


▲トロントのヤング通りに面しているとは思えないような緑に覆われた郊外風の入り口

Marc さんはベルギーに生まれ、モントリオールとトロントで育ち、ニューヨークやラスベガスなどでアメリカのトップクラスのレストランで有名シェフのもとで料理を学んだ。Auberge du Pommierでは2年前からエグゼクティブ・シェフとして腕をふるっている。
コンペティションで優勝の決め手になったのは、日本の食材を用いた「フォアグラのムース、白醤油のジュレ、紫蘇(しそ)、ゴマの天ぷら添え」。チームのメンバーに日本人シェフ、西村元伸さんがいることからも日本料理の影響がうかがえる。
「Auberge du Pommier」は今年創業25年目。今回の優勝以前から「おいしい高級フランス料理店」として名前は知られていた。ヤング通りに面しているとはいえ、繁華街とちがって緑に覆われた入り口、サンルームテラスなど郊外の雰囲気がある。建物は、ずっと昔は Auberge(旅籠屋=はたごや)だったそうだ。その由来から店名に Auberge がつけられているのだろう。


▲店内中央のダイニングルーム


▲パティオ風テラスルーム


▲ダイニングとテラスルームの間にある開放感のあるロングルーム

店内は中央のダイニングルーム、テラスに面したロングルーム、小ルームなどに分かれていて重厚な中にもリラックスした雰囲気がただよっている。


▲ワインセラー。年代もののワインもいっぱい

まずはワインを・・・。ワインリストを見るとあまりにたくさんあって迷ってしまう。そんな時こそ、ソムリエだけでも3〜4人いるので、オーダーする料理や好みを伝えると選んでくれ、ワインによってはテイスティングもさせてくれる。


▲優勝した料理「フォアグラのムース、白醤油のジュレ、紫蘇、ゴマの天ぷら添え」(Photo Credit :Allison Woo)


▲「Marine & Cru」(2種のハマチのマリネ)。日本料理とは一味ちがった良さが・・・


▲「Fruits de Mer」。この日はBC産 Spot Prawns のバターソース

メニューは日本語もあるので日本人客には大いに助かる。前菜(PREMIERE=最初のコース)には前述の優勝した「フォアグラのムース、白醤油のジュレ」($27)をはじめ、「Marine & Cru」(2種のハマチ、クレメンタインで香りをつけた薄切りとハラペーニョ風味のタルタル、$22)、「Fruits de Mer」(本日の魚介類サラダ、$23)、「Cuisses de Grenouille」(カエルの天ぷら、デルのピュレ、アーモンドのレムラード、$23)のほかにコンソメスープやサラダなどがある。いずれも洗練された盛り付け、食材を生かした味付けは日本料理の真髄にも共通する。


▲Thon(マグロのグリル、タコのワイン煮)。マグロのたたき風焼き加減が絶妙で、やわらかく煮たタコも絶品


▲Pigeonneau(オンタリオ産鳩のひなロースト)。鴨よりずっとやわらかく、付け合せのレンズ豆との相性がいい

メインコース(DEUXIEME=2番目のコース)にはThon(マグロのグリル、タコのワイン煮、$42)、Porcelet(ケベック産子豚、パイナップルのグリル、黒カルダモンとニンジンのピュレ、$41)、Pigeonneau(オンタリオ産鳩のひな、カブ、グリーンピースほか、$45)などのほか、子牛やリブアイステーキなどがある。
これらのメニューとは別に5品の「食通コースメニュー」(一人$100、各料理に合ったワインつき$150)や「野菜と卵料理コースメニュー」(1人$85、各料理に合ったワインつき$135)などがある。


▲見事な焼き上がりの「レモン・スフレ」。ホワイト・チョコレートソースが中央に注がれる


▲日本人ソムリエの長岡裕司さん(左端)もスタッフのひとりとして活躍

デザートには、チーズケーキ、ショコラ・ナポレオン、クレーム・ブリューレ、フルーツ・シャーベット(いずれも$11)やレモン・スフレ($18)がある。
これらのメニューはその日の材料、または季節によって変わるのでご注意を。

【Auberge du Pommier】
■アドレス:4150 Yonge St. Toronto (Hwy 401の南、Wilson Ave. の北、Yonge St. の西側、William Carson Crescent を入ってすぐ左側に入り口がある。店の駐車場は地下にあります)
■Tel: 416-222-2220
■営業日&時間:ランチ 月〜金曜午前11時45分〜午後2時30分
ディナー 月〜土曜午後5時30分〜9時(金&土曜午後9時30分まで)
日曜休み(プライベートイベントは受け付ける)
http://oliverbonacini.com/Auberge-du-Pommier.aspx

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【取材メモ】
「Auberge du Pommier」レストランはトロント地域で総合的なレストランビジネスを展開している「Oliver & Bonacini Restaurants」の1店で、ほかに Canoe、Biffs Bistro、Luma などの有名レストラン、大型カフェレストラン、イベント会場、ケータリングなど17部門を経営している。従業員は全店で約1,000人にも上る大企業でもある。その中で各店が特色を持たせながらお客をつかんでいるといえよう。大企業ゆえの仕入れの融通もつきやすいのだろうか、かなり珍しい材料が手に入っているように感じた。サービスに関しての教育も行き届いている。

〈 リポート・いろもとのりこ 〉

(2013年6月6日号)



 



 
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