【活躍する女性】

シニアテニス選手から、教える喜びを・・・
Mayfair Parkway クラブ所属、明美コーチ


45歳の時、45歳以上の女性シニアテニス世界ランキングで22位という素晴らしい成績を持っていたトロント在住の勢力明美(せいりき・あけみ)さん。現在はトロント市内や郊外4カ所にある人気スポーツクラブ「Mayfair」のひとつ、マーカムにある Mayfair Parkway でテニスコーチとして活躍している。コートで指導する姿は、とても56歳とは思えないほど若々しい。明美さんにテニス人生をうかがった。


▲Mayfair Parkway テニスコーチ、明美さん(All Photos at Mayfair Parkway by Emi Demski)


▲Mayfair Parkway のテニスコート(8面ある)

三重県出身の明美さんがテニスを始めたのは中学の時。高校もテニス部だったが、大学に入ってからやめ、1976年結婚と同時にカナダへ移住。翌年長女が生まれ、その4年後に次女が生まれる。出産、育児に追われてテニスはしばらくお休み状態だった。
育児がある程度落ち着いたころ、再びテニスと交わるチャンスが訪れた。トロント近辺の新移住者たちが中心になって作っていた日系人テニスクラブでの活動である。「そこから、テニス仲間たちが Mayfair クラブにさそってくれて、本格的に打ち込むようになったのです」と明美さん。
そこでめきめき腕を上げていき、試合に出るようになった明美さんは、コーチ養成コースを取る。と同時にあちこちの試合に出場。45歳の時、シニアテニス世界ランキングで22位にランクされた。その時はトルコでのシニアテニス大会にカナダ代表で出場し、チームとしては7位だった。代表に選ばれるには、まずオンタリオ州大会、次にカナダ東部大会、さらに国体をへて3人しか選ばれないという難関である。代表になるだけでもすごいことだ。


▲カナダ代表の一人としてトルコでの国際大会に出場した明美さん(前から3人目)


▲同、カナダチーム(左から3人目が明美さん)

ここで、そのほかの主な試合で得たタイトルをあげてみよう。
45歳以上女性シングルで3回ITF(国際テニス協会運営の試合)のチャンピオン、同3回ファイナリストを獲得。シングルとダブルスでも同じ部門での東部カナダ国体で3回チャンピオン及びファイナリストに輝く、などなど。 また、これらの成績に対し、1998年に Mayfair アワード(賞)を与えられる。さらに2009年と2010年にはテニスカナダ奨励アワードを受ける。

コーチ人生25年

Mayfair クラブでテニスコーチとしての資格を取った明美さんは、コーチとしての才能もぐんぐん伸ばしていき、生徒たちが中心の地域でのレディースリーグではこの10年間優勝を続けている。「やはり、教えているチームが優勝するとうれしいし、やりがいがありますね」。
ボランティア時代も含めコーチとなって約25年。教えているクラスは4〜5歳のジュニアクラスからシニアクラスまでいろいろ。「駐在員の子供たちは数年教えると他の国へ行ってしまいますが、その行った先でもテニスを続け、よい成績を残すのがうれしいですね」と、先々も見据えている明美さん。


▲指導する明美さん


▲次から次にボールを打つ


▲生徒中心チームが地域レディーストーナメントで優勝したときの表彰プラーク

現在、明美さんが受け持っているグループレッスンは、月曜の午前(レディースリーグの練習)、金曜の午前(上級アダルトクラス)、土曜の午後(ジュニア)、日曜の朝(ジュニア)の4クラスで、そのほか個人レッスンも受け付けている。 コーチとしての心得を、「人によって皆違うのでそこが難しいですが、一人ひとりのいいところを引き出して伸ばして行き、必要なところは個々に合うように指導することです」と。
コーチ経験としては Mayfair のほかに往年の女性テニスプレーヤーとして有名な宮城黎子(みやぎ・れいこ)さんが率いていたテニスキャンプで3年間、ヘッドテニスコーチ兼ディレクターを務めていた。


▲日本人生徒のクラスで


▲他のクラスの生徒も一緒に(後列中央の2人がコーチ)

自分との戦い

さて、運動量がかなりはげしいテニスの魅力は明美さんにとって何だろう。
「集中して自分を追い詰め、相手から刺激をもらう、いわば自分との戦いでしょうね。前向きなスポーツでもありますし・・・」。
シングルの試合には3年前に遭った交通事故以来出場していないが、ダブルスでは時々出場している。「85歳までシニア選手として出場できますので、またシングルで出て戦いたいです」。そのためのトレーニングとして週に2回のウエイトトレーニングや手足のマッサージなど身体の調整、それから時間がある限り自分の技術のトレーニングにも励んでいる。
食事に気をつけることも大事。「小さいときから肉アレルギーで、肉系はいっさい食べません。アレルギーが多いので、魚貝類とできるだけオーガニック野菜を取っています」。

夢は仲間と一緒にテニスコート付きリゾートで

「コーチは体力が続く限り続けたい」と思っています、とあくまで意欲的な明美さん。将来リタイヤ後の夢を語る。 「仲のよい友達たちと一緒にカリブ海のリゾート地あたりにテニスコート付きの家かコンドミニアムを買って、皆でワイワイ楽しく住むというのが夢です」と、聞いているだけでも楽しくなりそう。
もうひとつ「今2歳半になる男の子の孫がいるのですが、彼をテニスプレーヤーに育てたいですね」。若く見えながらもチラっとおばあちゃんの本音が出た一瞬だった。

■Mayfair Parkway
・場所:50 Steelcase Road East, Markham
(Woodbine Ave. と Steeles Ave. E. の東北)
・年会費:大人$1,038、ファミリージュニア$250〜
※月払いもあり、ファミリー割引もある。
※テニスのほかにスカッシュ、スイミングクラス、ズンバ、ヨガなど多種のフィットネスコースがある。
www.mayfairclubs.com/parkway/

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【取材を終えて】
2時間のレディースリーグの練習を終えて、クラブ内のレストランでお話をうかがった。時間のある生徒さんたちも一緒にテーブルを囲んで和気あいあいと・・・。何だか、学生時代のクラブ活動を思い出してしまった。こういう生活をしているといつまでも若くいられるのだろうなあ。もっともここまでくるには人知れずの苦労があったのでしょうが・・・。

〈 取材・いろもとのりこ / 撮影・デムスキー恵美 〉
(All Photos at Mayfair Parkway by Emi Demski)

(2013年6月13日号)



 
 


 
 
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