【インタビュー】

トロント本願寺にカナダ人女性開教使
クリスティーナ・ヤンコさん



▲浄土真宗本願寺派僧侶、クリスティーナ・ヤンコ開教使(トロント本願寺にて)

浄土真宗トロント本願寺にカナダ人女性の開教使が着任した。クリスティーナ・ヤンコ(Christina Yanko)さん。アルバータ州南部カルガリー市とレスブリッジ市の間にある人口約5,000人のクレアスホーム(Claresholm)という農業地帯の町の出身だ。
クリスティーナさんは、浄土真宗本願寺派(西本願寺)の僧侶として、今年5月からトロント本願寺の駐在開教使となり法務に就いている。藤井朋文主任開教使のもと、クリスティーナ開教使は英語常例法座を受け持つ。

なぜ、仏教の道に入ったのですか。
「もともと家族はカトリックの信者で教会に通っていたのですが、私が7歳のころ、両親が離婚しました。そして離婚に厳しいカトリック教会から出されてしまったのです。それからは特に宗教は持たなかったのですが、カルガリー大学に入学した私は外国語を専攻しました。第一にチベット語、第二はサンスクリット語、そして三つ目は古典中国語です」
当時、カルガリー大学の教授を務めていた河村レスリー氏のもとで、チベット語や仏教学を学んだ。アルバータで開教使として大活躍していた河村勇哲氏の息子である(河村勇哲氏とレスリー氏の二人とも他界している)。

クリスティーナさんはカルガリー大学在学中に心臓の手術をした。その時、河村レスリー氏と、台湾から留学の仏教学生のクラスメートらが親身になってクリスティーナさんを励まし、面倒をみてくれたという。
「仏教会の開教使でもあったレスリー先生は、手術の時、他力(Other Power)についてお話をしてくださいました。私は他力を知り、浄土真宗に魅(ひ)かれるようになったのです。そして仏陀(ブッダ)の教えに任せきることが救いとなると考えるようになりました」

心臓手術は成功し、また元のような生活が出来るようになった。カルガリー大学では仏教学の学士号と修士号を取得。仏教に対する向学心がますます燃えてきたクリスティーナさんはカリフォルニア州バークレーにある米国仏教学院(IBS)に入学、さらに仏教への学問を深めていく。
IBS在学中、6カ月間、日本に留学の機会を得た。西本願寺などを中心に、龍谷大学の京都、瀬田の2つのキャンパスで仏教を学んだ。
「ちょうど親鸞聖人が往生されて750周年の記念法要が行われていた時期で、さまざまな催し物と併せて学校で親鸞聖人の生涯をしっかり勉強することが出来ました。私にとっては、パーフェクト・タイミングでした」
IBSで修士号を取得したクリスティーナさんは、もっか、各地の学校の学生が博士号を取得するため学んでいる Graduate Technological Union で仏教学博士号(Ph.D.)を取るために研鑽(けんさん)を重ねているところだ。


▲英語常例法座で法話を説くクリスティーナ開教使(6月30日、トロント本願寺)

トロントは初めての土地だが、2カ月たった今、トロントの良さがだんだん分かってきたという。ナイアガラの滝も観光して来た。信徒や地域の人たちとも親しい関係を築きつつある。ただ、先日、郷里のアルバータ南部一帯が洪水に襲われたというニュースを聞き、「避難生活をしているハイリバー町の友人のことなどが心配です」とクリスティーナさん。

家族は夫デービッドさんと1歳の息子アティカスちゃん。デービッドさんは US Coast Guard(米国沿岸警備隊)に所属、五大湖で任務に就いている。
クリスティーナさんは、トロント本願寺での法要や仏事、各種行事などを通じて布教活動に従事していくことになる。今後、仏の教えを説く開教使として活躍するとともにカナダ東部での生活もエンジョイしてもらいたいものだ。

〈 取材・色本信夫 〉

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(2013年7月4日号)

 
 


 
 
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