【食べある記・トロント編】

エスニックムードを満喫
エチオピア料理店「ADDIS ABABA」


トロントにはおよそ世界中の料理が、しかも現地の人が作る料理が味わえる店がたくさんある。エチオピア料理もそのひとつ。日本人にはあまりなじみがないが、トロントにはエチオピア料理を提供する店が約10軒あるそうだ。そのほとんどがダウンタウン西部に集中している。庶民的な低価格の店から少し高級風の店までいろいろ。今回はエスニックムードを満喫できるエチオピア料理を紹介しよう。


▲ADDIS ABABA(アディスアベバ)レストラン

クイーン・ストリート・ウエストに面した「ADDIS ABABA」(アディスアベバ)は価格、雰囲気ともに中クラスの店で、常連客が多いようだ。通りの角に位置していることもあってゆったりしたパティオがあり、店内も解放感がある。

まずは、エチオピア料理とはどんなものだろう。簡単にいうと、ワット(Wat)という煮込み料理をインジェラ(Injera)という主食で包んでいただくものである。このスタイルはエチオピア3000年の歴史から変わっていないとか。どのレストランでも材料や味つけの違いはあってもこの基本は同じ。


▲やわらかく煮たコーンをインジェラで巻いたオードブル

ワットはアラビア語で「お惣菜」の意味だそうで、ラム、チキン、ビーフなどを煮込んだり炒めた肉類と豆類やコーン、ビーツ、にんじん,じゃがいもなどを煮込んだり蒸したベジタリアンなどがあり、種類は豊富。
味つけの特色は、とうがらしの粉末にいろいろな香辛料やハーブを合わせたベルベレという調味料を加えて煮た辛口のケイ・ワット(Key Wat)だろう。カレーともちがう、なんとも不思議な「これぞエスニック」という味つけで、病みつきになる人もいる。
数年前にこの店でケイ・ワットを食べたとき、かなり辛くてびっくりしたが、今回は辛さがだいぶやわらいでいた。万人向きに変えたのか、たまたまそうだったのか?

もちろん、マイルドなワットもたくさんある。メニューにアリチャ(Alicha)と付いているのは辛くない料理。鶏肉料理はドロ・ワット(Doro Wat)と呼ばれ マイルドなものから辛いものまでいろいろあり、この店の人気メニューになっている。


▲インジェラの上に盛りつけたワットの数々。チキン、ラム、ビーフ、豆類、ビーナツ、にんじん、レタスなど辛いものと辛くないものをミックスさせている

さて、ここで主食のインジェラについて。インジェラは少し酸味がありスポンジのような感触のクレープ状のもの。テフという穀物の粉を水で溶いて発酵させ、クレープのように焼いたもので、灰色がかった茶色っぽいこちらも不思議な色だ。 大きなホーロー引きの皿にインジェラを敷いてその上にワットを並べ、インジェラを手でちぎりながら包んでいただく(料理がサーブされる前におしぼりが配られる)。

おすすめメニューは辛いワットと辛くないワットを盛り合わせたコンビネーション(肉料理$14.99、ベジタリアンは$13.99)で、人数に合わせて両方を盛り合わせてくれる。ほとんどの人がこの盛り合わせを注文しているようだ。 主食のインジェラが足りなくなったら、これだけをたのむこともできる。手でちぎって食べやすいように小さな俵型に巻いてサーブされる。

コーヒーの原産地でもあるエチオピア。この店でも伝統的なエチオピアスタイルのコーヒーをサーブしている。 エスニック色豊かなエチオピア料理。トロントならではの経験が楽しめるレストランではないだろうか。


▲歴史を感じさせるピアノの上にアフリカの置物がインテリアとしてマッチしている


▲ゆったりとした空気を感じる店内

■ADDIS ABABA
1184 Queen St. W. Toronto(ダッファリン通りの1ブロック東)
◎Tel:416−538−0059
◎営業時間:火曜〜土曜午後5時〜午前1時、日曜午後5時〜11時(月曜休み)

〈リポート・いろもとのりこ〉

(2013年9月26日号)



 



 
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