【はりかいの魚(播磨灘天然魚)試食会】

うまみを最大限引き出すことに成功
「はりかいの魚」海外普及めざす!
━━播磨海洋牧場の向井昭博社長来加━━


播磨灘(はりまなだ)で獲れる天然の魚を独自の処理法を施して冷蔵または冷凍保存をして、通常の生鮮よりむしろうまみを増した魚類を日本全国に卸して注目を浴びている会社がある。兵庫県姫路市にある「播磨海洋牧場」、略して「はりかい」と呼ぶ食料品製造会社である。


▲「はりかい」の向井昭博社長

「はりかい」の社長、向井昭博(むかい・あきひろ)さんが海外に販路拡張を求めて、このほど来加。10月26日にトロント・ダウンタウンの日本レストラン「一力」で自社の魚を日本から持参して試食会を開催し、関係者約20名が集まった。

向井さんは14年前に会社を創業。エビの養殖を経て、カキ、タイ、すずき、タコ,ハモなどすべて瀬戸内海播磨・家島(いえじま)近海の天然ものだけを地元の漁師たちと直接取引で仕入れている。

魚のストレス抜きでうまさを保つ

仕入れた魚は「ストレス抜き」というこの会社独特の処理法を行う。「え? 魚にもストレスがあるの?」という疑問を持つが、実は「とれたての魚は強いストレスを受けているのです」と向井社長。これを抜くことで魚のうまみが増すそうだ。もともと北里大学で水産生物学を学んだ学究肌の向井さん。研究を重ね、理論を実践に移して成果を得た。


▲鮮魚の「神経抜き」作業をビデオで解説する向井社長

では「脱ストレス処理」とはどんな方法だろう。まず、漁獲時の体力疲労、筋肉痛を取り除き「活け締め」といって手かきで魚に一撃を与え即死させる。このと き即死でないと鮮度が落ちてしまう。そのあと血抜きをし、生臭さを取り除く。さらに筋肉疲労を防ぐ「神経抜き」 をしてうまみを最大限に保つ作業を行う。「魚1尾1尾の手作業ですが、プロは2時間くらいで300尾をこなします」。

この処理をしたあと、冷蔵は同社独自ノウハウの一つである特殊な凍結をして、市場へ出すわけだ。「はりかい」では料理店、寿司チェーンをはじめ、百貨店、ホテル、商社などに卸している。今回、向井社長はトロントに住む知人を通じて海外販路の第1号としてカナダに焦点を当ててみた。「新しい魚文化を海外に広めていきたいです」と意欲満々である。

試食会の評判は上々

当日、試食会に出された魚の種類は、タイ、すずき、ぼら、タコ、ハモ、カキの6種類。タイは刺し身、すずきは刺し身と塩焼き、ぼらは刺し身とフライ、タコは刺し身と天ぷら、ハモは照り焼きと天ぷら、カキはフライ、と10種の料理がテーブルを飾った。


▲試食会風景

魚は向井さんがじきじきに下ろし、料理は「一力」の勢力稔(せいりき・みのる)さん、中西雅宏(なかにし・まさひろ)さん、伊地知俊行(いじち・としゆき)さんが担当した。勢力さんの話によると、「タイの刺し身を作るとき、ふつう冷凍ものですと水気が出るのですが、『はりかい』さんのタイは水気は1滴も出ませんでした」。


▲タイのうす造り刺し身

さて、試食会に参加した人たちの感想は?

「タイの刺し身はプリプリして味に深みがあり、さすが播磨のタイという印象でした」
「ぼらはもっと臭みがあるという概念がありましたが、臭みが全く感じません。青魚ということを忘れるくらいです」
「すずきの塩焼きは銀ダラのような食感がしておいしかった」
「ハモの天ぷらは初めて食べましたが、案外あっさりしていて、いけますね」など、なかなか好評。



トロントをはじめカナダ全国で日本料理がすっかり定着した今日、おいしい魚の需要はますます高まることだろう。「はりかい」の魚がカナダ社会で広く出回るかどうかはお値段と味のバランスであり、お客様の満足度を高く満たすことができるかどうかがカギである。

播磨海洋牧場「はりかい」のウェブサイト:www.harikai.com

お問い合わせEメール: info@harikai.com

〈リポート・いろもとのりこ〉

(2013年10月31日号)



 
 


 
 
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