【カナダ版・家庭の医学】

「健康ハンドブック」救急・医者・家庭での対応
日本大使館医務班が日本語訳を作成、HP掲載


在カナダ日本国大使館の医務官として活躍している仲本光一氏は、このほど、同大使館のホームページ(HP)に「健康ハンドブック」を掲載した。これは、仲本医務官が昨年秋、カルガリー市のゴーリー医師のクリニックを訪問した時に、同医師から提供してもらったカルガリー医師会作成の「Healthwise Handbook by Calgary West Central Primary Care Network」を 大使館の医務班が日本語に翻訳して編集したものである。(2014年1月16日修正版)


▲在カナダ日本国大使館の仲本光一医務官

家庭医の数が少ない、家庭医から専門医への紹介が半年から1年先になる、救急外来(ER)は数時間待ちといった医療へのアクセスが不便なカナダの現状に合わせて、「救急911を呼ぶべき時」「医師に行くべき時」「家庭での対応方法」が症状別・疾患別に日本語でわかりやすく解説されている。

オリジナルの目次は、英語でABC順になっているが、巻末に、日本語あいうえお順で掲載してある。たとえば「Canker Sores」が何のことかピンと来ない人でも、「口内炎」という日本語の病名で検索することができる。

「このハンドブックの内容が一般の人向けにとても分かりやすく書かれており、臨床医である自分の目から見てもたいへん利用価値があると感じました。広く在留邦人の方に利用していただきたいです」と仲本氏。


▲「健康ハンドブック」の表紙

ここで、「健康ハンドブック」に掲載されている内容をざっとご紹介しよう。
「健康ハンドブック」では、まず「賢い健康判断のための5項目」を挙げ、続いて「応急処置・救急時の対応」「疾患別対応方法」について詳細に解説し、項目ごとに「救急車を呼ぶべき」「医者に見てもらうべき」「家庭での対応方法」に分けて処置の仕方をアドバイス。そして最後に、付録として日本語による症状・疾患別索引(あいうえお順)が付いているので、便利だ。

■賢い健康判断のための5項目
(1)ホームドクターと良い関係を持つ、(2)病院の救急外来(ER)の利用は限定する、(3)薬の賢い選び方をする、(4)検査を把握し手順を守る、(5)選択と決断をする、の5項目を挙げ、それぞれ具体的に説明している。


▲腕をけがした際の止血の方法(イラスト)

■応急処置・救急時の対応
腹部の外傷、すりきず、動物にかまれた場合、虫に刺された場合、やけど・熱傷、日焼け、窒息、歯の損傷、鼻血、脱水症状、出血、呼吸困難、心臓発作、心肺蘇生法(CPR)、熱中症、眼の中の異物、凍傷、けいれん、脳卒中、自殺、意識障害など、応急処置を取る、または医者に見てもらう、または家庭で対応するといった処置について詳しく解説してある。


▲目やには、内側から外側に向かって拭き取る(イラスト)

■疾患別対応方法
腹痛、虐待・暴力、アルコールとドラッグ、関節炎、腰痛、避妊、気管支炎、口内炎、風邪、便秘、咳(せき)、下痢、めまい、結膜炎、ドライアイ、子供の発熱、インフルエンザ、食中毒、脱毛、耳鳴り、動悸、高血圧、腎結石、更年期障害、月経痛、骨粗鬆症、前立腺肥大、発疹・かぶれ、性感染症、睡眠障害、リンパ節の腫れ、睾丸の問題、歯痛、潰瘍、膣炎、静脈瘤、吐き気と嘔吐(11歳以下/12歳以上)、等々、およそ160 項目の疾患について、随所にカラーのイラストを入れて詳細に説明。それぞれ、医者に行くべきか、家庭で対処するかを助言している。

「ダウンロードして印刷、ご家庭にバインダーで保存を」

仲本医務官は、「医療情報はネット上にあまたあふれていますが、現代版『家庭の医学』でも、病院に行ったほうが良いのかどうかについての記載はあまり見当たりません。まさにカナダの皆様にとって無二のバイブルになるものと信じています」と語る。
さらに、「カナダ在留邦人の皆様には、可能であればダウンロードしてカラーで両面印刷していただき、各家庭に1冊、ご用意いただければと考えます。バインダーに入れてご自宅の電話帳の横にでも置いて、いざという時に開いていただければありがたいです。PDF版ですので、iPadなどに入れて持ち運ぶことも可能です。ネットアクセスに慣れていないお年寄りのために、ぜひ印刷版をプレゼントしてはいかがでしょう」と話している。

この健康ハンドブックは、在カナダ日本国大使館のほか、総領事館の領事部にも印刷版が置いてある。情報は随時更新・改訂していくとのことである。

「健康ハンドブック」の全内容は下記ウェブサイトをご覧ください。
http://www.ca.emb-japan.go.jp/JapaneseSite/Medical/HealthwiseHandbook2013.pdf

在カナダ日本国大使館医療情報HP
http://www.ca.emb-japan.go.jp/JapaneseSite/Medical/index.htm

(2014年1月23日号)



 
 


 
 
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