【世界の街角から】

台湾周遊ツアー5日間の旅(3)
映画「千と千尋の神隠し」の舞台、チョウフンから台北へ


〈 トロント 松井祐実・記 / 写真撮影: Richard Severin 〉


▲Taiwan Map

花蓮へ戻り、花蓮から2時間ほど特急列車に乗って七堵駅に向かった。七堵駅からバスに乗り、ノスタルジックな町並みのチョウフン(九と、にんべんに分)へ。

台湾の鉄道の駅構内、特急列車内は、日本の特急列車とあまり変わらず、快適であった。時間も正確。列車内でのランチは駅弁を食べたが、とても味が良くて、特にご飯が美味しかった。


▲台湾特急列車。日本の列車とまったく変わりないくらい快適でスムーズであった。駅構内もとてもきれいで日本の駅のよう


▲台湾特急列車の中での駅弁ランチ。ご飯がとても美味しく全部ペロリと完食してしまった

チョウフンは台北から東へ約45キロにある。日本統治時代に金鉱で栄えた町である。第二次世界大戦後、金の採掘量が減り、1971年に金鉱が閉山されてから町は急速に衰退していったが、1989年に映画「悲情城市」がカンヌ映画祭で賞を取り、ロケ地となったことでチョウフンは再び脚光を浴びるようになった。

2001年に公開された映画「千と千尋の神隠し」(宮崎駿監督)のモデルになった町と日本で紹介されたことから、日本でもチョウフンの名が広まり、観光地として栄え、今も毎日のようにとても大勢の観光客で賑わっている。たくさんの食べ物屋、お土産屋などが立ち並び、台湾名物の臭豆腐もあり、悪臭を漂わせていた。この日は、あいにくの雨にもかかわらず、狭い路地はたくさんの人でごった返していた。


▲ノスタルジックな街並みのチョウフン。古き良き時代の昔の日本を思わせる雰囲気が漂う


▲別世界に迷い込んだかのよう。日本の映画「千と千尋の神隠し」のモデルとなったとされる場所である

チョウフンを後にしてバスで台湾最大の都市である台北へ。台北では、まず「忠烈祠」の観光。ここは中国宮殿様式の霊廟で、辛亥革命や戦争などで犠牲となった数十万の兵士が祭られている。1時間に一度ほどの割合で行われる衛兵交代式は観光名所のひとつで、たくさんの観光客が衛兵交代式を見るため並んでいた。

台北の衛兵交代式は今までに見た衛兵交代式の中で一番よかったと思う。衛兵がとても凛々(りり)しく、アジア人とは思えないほどみんな背が高い。ガイドさんの説明によると、衛兵になるためには体格、背の高さなどの規定があり、これに合格しないと衛兵になれないそうだ。また、衛兵になりたくなくても規定に合ってしまえば強制的にならなくてはいけないらしい。


▲台北市にある忠烈祠の衛兵交代式。とても凛々(りり)しい衛兵たち。一見の価値あり

30分ほどの交代式を見た後、最後の観光場所である故宮博物院に向かう。中国・北京へ行ったときは、ちょうど故宮博物院が改装中で見ることができなかったので、台湾で初めて見る博物館である。とても立派な造りで、ここもたくさんの観光客で賑わっていた。中国人観光客は横入り(割り込み)をするから、絶対に横入りをさせないようにとガイドさんがしきり私たちに言う。台湾人は自分たちを中国人だと思って欲しくはないらしい。香港人と同じである。


▲台湾故宮博物院。ここには北京故宮博物院以上の宝物が収蔵されている

台北故宮博物院にある、収蔵物のほとんどがもともとは北京の紫禁城の故宮博物院にあったものだそうだ。満州事変の戦火から守るため、宝物は南京へ移され、その後、南京博物館から蒋介石率いる国民党軍は宝物5万箱を台湾に移送し、17年間倉庫の中で眠っていたが、1965年に台北故宮博物院が完成し、全面的に一般公開されるようになった。

このあと、最後の晩餐として台湾名物の小籠包など点心の夕食を取る。夕食後、ホテルへチェックインし、歩いて5分ほどのところにある饒河街観光夜市(ラオハージエ・イエシー)へ行ってみた。


▲最後の夕食、小籠包などの点心。全体的に台湾はどこへ行っても食べ物が美味しく、日本人の口に合うと思う


▲台北の饒河街観光夜市(ナイトマーケット)

金曜の夜ということもあってか、とても大勢の人で込み合っていた。こういう夜市(ナイトマーケット)はいろいろな所にたくさんあるようだ。ほとんどが食べ物屋であるが、一風変わったものもたくさんあった。日本のお好み焼きやたこ焼きなども売っていた。私は釜で焼いた胡椒餅が気に入った。
1年中温暖な台湾では、夜もたくさんの人が出歩いている。外食のほうが安くつくのも理由のひとつであろう。

初めての台湾旅行であったが、いろいろ学ぶことがあった。台湾が多民族国家であること、少数原住民が存在すること、戦争時代についてなどである。4泊5日で台湾周遊は時間的にも体力的にもきついものがあるが、価値のある旅行だったと思う。(終わり)

(2014年1月23日号)



 



 
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