【日本酒醸造会社】

BC州の「ARTISAN SAKE MAKER 」白木正孝社長
カナダ産米で新たに「Fraser Valley Junmai」発売


日本酒の醸造会社として創設された「ARTISAN SAKE MAKER」(以下 ASM)は今年の1月15日に設立7周年を迎え、新しく発売された「Fraser Valley Junmai」の紹介と7周年記念日を兼ねたレセプションが、1月16日、バンクーバー市のグランビル・アイランドにあるASM社で開かれた。


▲新しくリリースされた「Fraser Valley Junmai」(中央の4本)

ASMではすでに純米生トリオ、純米吟醸原酒、酒粕のドリンクや菓子類、そして化粧品なども開発しており、バンクーバー・マガジン・インターナショナルなどで、いくつもの賞を獲得している。

今回は第二弾として、「Fraser Valley Junmai 」シリーズが紹介され、当日は試飲会や酒粕アイスクリーム、米ぬかクッキーなども紹介された。


▲オーナーの白木正孝さん(会社入り口で)

この新しいシリーズは、何と、カナダ産の米が使われているのである。
オーナーの白木正孝さんは「2009年より試験的に米の苗を植え始め、最初は水なしでやりたいと思ったのですが、雑草の手入れがあまりにも大変だったので、水田を使うことにしました。2013年にはBC州アボッツフォードの4エーカーの水田で3トンの米が採れました。3トンというと、375ccのビンで5,000本の酒を造ることが出来ます」と語る。


▲BC州バンクーバー郊外アボッツフォードの水田


▲アボッツフォードの水田での収穫風景

さらに、「2013年には水田用の商業ベースの機械類がすべて揃いましたので、今年はもっとスケールを広げることが出来ると思います。と言っても、現在カナダ産の自給米はまだ全体の25%くらいですから、これを100%に持っていきたいと考えています。
カナダの農家では、水はけが悪かったり、条件の悪い土地をそのまま使わずに放っている所がありますから、そういうところに話を持っていき、水田作りの指導をして契約農家として米を作ってもらい、出来た米を引き取る方法を考えています。今、ラングレー、チリワク、バンクーバー島のポートアルバーニなどにも、水田の審査を依頼しているところです。
地球温暖化の恩恵を受けて、最近は北海道でも良い米が採れるようになっていますが、この温暖化にうまくタイミングが合ってラッキーでした」──白木社長はこう説明する。


▲酒粕アイスクリームと米ぬかクッキー

酒粕アイスクリームも日本人にとっては、やみつきになりそうなテイストであるし、米ぬかクッキーも健康食嗜好で美味しかった。


▲酒粕化粧品「ORIZEE」シリーズ

酒粕を原料とした化粧品「ORIZEE」シリーズも好評である。基礎化粧品のない時代に、美しくなりたい女性たちは、麹(こうじ)を使ったと聞いているが、まさに酒粕化粧品はこの麹の現代版なのかもしれない。

今年は純米生シリーズの州政府リカーストアへの納品も決まり、「ARTISAN SAKE MAKER」そして 白木さんの夢はどんどん広がっていくようである。

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【白木正孝さんプロフィール】
大学時代にブリティッシュコロンビア大学(UBC)に留学した経験からカナダ移住を決心。カナダの銀行に就職し、モントリオールに住む。その後、BC州に移り、航空会社で輸出貨物の商品開発やBC州政府経済省の輸出振興部門の仕事に携わる。そこを退職後、長年の経験から上質の日本酒がカナダでも普及することを見込み、酒類輸入ライセンスを取得して輸入販売業を始める。数年後、カナダで日本酒を醸造することを考え、日本の蔵元で3年間、酒造りの修業をする。2007年1月15日、バンクーバーで「ARTISAN SAKE MAKER」を正式にオープン。

〈リポート・妹尾 翠〉

(2014年2月6日号)



 
 


 
 
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