【食べある記:トロント郊外編】

本場インドの料理を求めて
インドレストラン4店を味めぐり


〈バーリントン 田中貴子〉

長く寒いカナダの冬を乗り切るために、インド料理店を4軒食べ歩きました。GTA(グレーター・トロント・エリア)にあるインド料理店のほとんどは、インド北部地方の料理を提供しています。トロントは本場の多国籍料理が堪能できる場所として有名ですが、ダウンタウンには意外に、インド人もびっくりの激辛本場インド料理店はあまりないので、郊外のレストランをご紹介します。

Rice  バーリントン
http://www.riceindiancuisine.ca/

あまり知られていませんが、バーリントンはエスニックレストランの宝庫です。この「Rice」も元はインド人の知り合いが勧めてくれたレストランです。このお店の特徴は、素材の味が分かるように調理されていることと、冬場でも乾燥ハーブスパイスではなく新鮮なハーブ(コリアンダーなど)が使われていること。


▲バーリントンにある「Rice」


▲左から、チキンビンダルー(チキンカレー)、バインガンバーサ(なすのカレー)、チャナマサラ(ひよこ豆のカレー)

たとえばチャナマサラ(ひよこ豆のカレー。チャナはヒヨコ豆、マサラはミックスされたスパイスのこと)はトマトがふんだんに使われていて、おいしさを引き立たせています。一口食べた瞬間、それぞれの素材の味が口いっぱいに広がるおいしさは格別です。
それから、インドバターのギー(Ghee)がほとんど使われていないことも特筆すべきです。インドバターギーとは、バターを純粋な脂肪になるまで煮溶かした、それはそれはカロリーの高いものです。インド人女性の知り合いいわく「私は、どの料理にもギーを使うから痩(や)せないのよ・・・でも、ギーをたっぷり使った料理はおいしくてやめられないのよね!」とのこと。 メニューのお値段も手頃(ディナーに4人で4種類のカレーを頼んで、税金とチップ込み約$60!)、カレー一品につきナンまたはバスマティーライスがセットで付いてくるのもうれしいサービスです。

Coriander Green オークビル
http://www.coriandergreen.com/

オークビルのダウンタウンにあるこのレストラン「Coriander Green」は地元ではとても人気があり、週末ともなると満席になるので予約をお勧めします。場所がらお値段は他の3軒よりも割高ですが、オーガニックメニューなど他店にはない独創性が見られます。


▲オークビルにある Coriander Green

お皿の縁がタマリンドソースでカラフルに色付けされているのも愛嬌があります。それから、このレストランのシェフはプロモーションにも力を入れているようで、ユーチューブではシェフの腕前も拝見できます。
http://www.youtube.com/watch?v=SZp6P-xl_v0

Bombay’s Chutney バーリントン
http://www.bombayschutney.com/

バーリントンにある「Bombay’s Chutney」は、グレイビーに比重を置いた、伝統的なインド料理を提供しています。他の3軒は万人受けするような味付けですが、「Bombay’s Chutney」は一味違った凝った味付けです。どちらのテイストを好むかは人それぞれですが、私はどちらも大好きです。


▲Bombay's Chutney の前菜ハリヤリティッカ


▲Bombay's Chutney の巨大ナン

ちなみに、チキンティッカのミントソースバージョン、ハリヤリティッカは、ここのレストランのお勧めです。また、4軒の中で一番大きいサイズのナンを出してくれるのも「Bombay’s Chutney」です(「Rice」と同じく、カレー一品につき、ナンまたはバスマティーライスがセットで付いてきます)。

Nirvana ミシサウガ 
http://www.nirvanatheflavoursofindia.com/

ヒューロンタリオ・ストリートとブリタニア・ロード東南角のプラザ内にあるこのお店は、トロントのファイナンシャルディストリクトで仕事をする、インド料理にはうるさいであろうイギリスはロンドンから出張中のビジネスマンがわざわざ車でやってくるというレストランです。
インドからの移民の多くはお祝い事以外には、レストランにインド料理を食べに行く習慣はあまりありません。なぜなら、自分達の好みのスパイスで好みのカレーやその他のインド料理を家庭で作ることができるから。そのためか、「Nirvana」で見かけるインド人らしき客はほとんどいつも大人数のパーティーです。


▲Nirvana の料理。左上から時計回りにパラクマサラ(ほうれん草のカレー)、チャナマサラ(ひよこ豆のカレー)、チキンビンダルー(チキンカレー)

このお店の特徴は、前述のインドバターギーが一切使われていないこと。町場のインド料理店はギーをふんだんに使うため、カレーの器に油の上澄み液がたまり、脂肪をそのまま口に運ぶことになるのです。ヘルシー志向の人には(そうでない人にも!)脂肪分の少ないこのレストランのインド料理は、かなりお勧めです。このレストランに出会って、野菜好きにはたまらない、パラクマサラ(ほうれん草のカレー)が私の大好物になりました。

冬だけではなく、夏にも暑いからこそ食べたくなるインド料理。これからも、おいしいお店を食べ歩きたいと思います。

(2014年2月20日号)



 



 
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