【食べある記・トロント編】

おしゃれな中にカジュアルさが光る
魚料理のスペシャル店「CATCH」


トロントの市セントクレア・ウエスト通りのイタリア街の近く、道路に面した外観が全面ガラス張りのレストランがひときわ目につく。しかもガラスには大きな魚の絵がいかにも釣り上げられた瞬間のように描かれている。そんな度肝を抜いたような造りのレストランが「CATCH」(キャッチ)である。


▲角の2面が全面ガラス張りの「CATCH」外観

外側から見るといかにも今流行のコンテンポラリーな内装と料理を想像するが、これが意外や、中は壁を赤レンガ造りにし、古風な落ち着きをかもしだしている。それがまたアンバランスではなく、マッチしているから不思議だ。テーブル席が20 席余り、カウンター10席ほどと、こぢんまりしていて、子供がいっしょの家族連れにも人気があるほど気楽に入れる店である。


▲バーカウンターがある店内


▲赤レンガの壁に掲げられた「本日のデザートメニュー」のボード

2012年MACLEAN’S 誌「CANADA’S BEST RESTAURANTS, The Top 50」に選ばれただけあって、料理はこの店独自のメニューが並ぶ。しかも、素材の良さにこだわり、奇をてらったような盛りつけより実質を重んじているようだ。


▲ツナタルタルのパースニップ・チップ添え。ちょっぴり酸味の利いたツナがチップに合って食欲が増す

前菜のアペタイザーにはチャウダースープからオリジナルシーフードサラダ、ツナタルタル、フレッシュオイスター、ムール貝の蒸し煮、アサリの蒸し煮などがある($8〜18)。


▲絶妙の焼き具合、スカロップのソテー

メインの魚料理で一番人気は、ホタテ貝のソテー、パースニップのピュレそえ(PAN SEARED DIVER SCALLOPS、$29)。ホタテの焼き上げがやわらかく、生(なま)すぎず、焼きすぎず、まさに絶妙としか言いようがない。口にして思わず「すごい!」と感嘆の声をあげるほど。パースニップ(白にんじん)のくせのないピュレとも相性がいい。

他にマスのクリスピー焼き(CRISPY ONTARIO TROUT、$21)やタコのグリル(GRILLED OCTOPUS、$18)、ハリバットのロースト(ROASTED HALIBAT, $28)、ロブスターのグリルまたはポーチ(時価)、さらにフレッシュなホール魚のファミリースタイル(時価)というのもある。


▲イカスミ・パスタのタコ入りボロネーズ。タコとひき肉、野菜のハーモニー

シーフードパスタは、あさりのリングイニやタコのボロネーズ、ロブスター・ニョッキなど、これまたユニークなものばかり。

さらにカウンター客用にスペインのタパス風おつまみ(BAR CROWD)メニューも用意されている。シュリンプボール、タラのパフ、マッシュルームコロッケなど(いずれも$7)から、ロブスターカクテル、スノークラブなどもある。


▲デザートのアップル・シナモン・フリッター

デザートはその日によって替わる。取材当日は「アップル・シナモン・フリッター」($7)と「チョコレートムース」が用意されていて、アップル・シナモン・フリッターを注文。りんごの生の味が残るくらいにふわっと揚げ、キャラメルソースとウイッピングクリームとの味の絡み合いが心地よかった。


▲オープンキッチンから次々に運ばれる料理

オープンキッチンのため、常にお客の食事の進み具合を見はかりながらタイミングよくサービスされるのもうれしい。そしてウエーターたちの機敏なサービス、笑顔も気持ちをやわらげてくれる。

メニューは季節によって、またその日入荷する魚によっても変わり、値段も多少変わる。また、魚の苦手な人や子供向けにステーキやポーク、ラムの料理も4品ほどそろえている。

■ CATCH
744 St. Clair Ave. West, Toronto
(クリスティーの1ブロック西)
Tel : 416-658-0568
オープン時間:水曜〜日曜=午後5時開店(月曜、火曜休み)
www.catchit.ca

〈リポート・いろもとのりこ〉

(2014年5月1日号)



 



 
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