レトロの世界へ導いてくれる
パリのパサージュ(アーケード商店街)【その1】



〈リポート・いろもとのりこ〉

パリの中心街では、「え、こんなところに?」と思うような場所に、突然、パサージュが現れる。パサージュとは、いわゆるアーケード商店街である。雨が降っても雪が降っても買い物ができるので、市民にとっては便利なところである。ただ、パリのパサージュは道幅が狭く、日本のように車は通れない。


▲パサージュ風景

パリのパサージュの歴史は古く、ほとんどが1800年代に作られている。最盛期には約150ものパサージュがあったそうだが、現在は10数カ所が残っているくらいだろう。今、日本でアーケード商店街というと、すぐに思い浮かぶのが「シャッター通り」。パリでは昔ほどのにぎわいはないものの、それぞれ特色のある店を維持していて、シャッターが閉まっている店は見かけなかった。

しかし、中には「1日に何人のお客が来て、どのくらい売れるのだろう?」と,余計な心配をしてしまうような店もある。それでも保っているのは、それぞれの歴史の重みを大切にしているからだろうか。そんなレトロの世界へと導いてくれるパサージュを2回に分けて紹介しよう。

■ギャラリー・ヴィヴィエンヌ(Galerie Vivienne)

ルーブル美術館の北にあるパレ・ロワイヤルの北側の通り「rue des Petits Champs」に面したところに、通り過ごしてしまいそうなパッサージュ「ギャラリー・ヴィヴィエンヌ」の入り口がある。


▲ギャラリー・ヴィヴィエンヌの入り口。上の彫刻も素晴らしい


▲天窓の優しい光と床のタイルのハーモニーが素晴らしい

このパサージュは、1823年、フランソワ・ジャン・ドゥラノワによって建設され、1826年に現在のギャラリー・ヴィヴィエンヌと呼ばれるようになったそうだ。天窓の曇りガラスから差す光と床のモザイク模様のタイルが見事にマッチして、表通りの喧噪(けんそう)はうそのような世界にとけ込んだ感じがする。


▲ランの花の飾り付けがユニークな花屋


▲古本とカード専門店

■パサージュ・デ・パノラマ(Passage des Panoramas)

「ギャラリー・ヴィヴィエンヌ」を出て、証券取引所(BOURSE)を過ぎたら rue St. Marc を右に曲がって行くと左手にひっそりと目立たない感じの「パサージュ・デ・パノラマ」の入り口がある。逆に出口の Blvd. Montmartre の入り口はけっこうにぎやかだ。


▲ひっそりと目立たない「パサージュ・デ・パノラマ」の入り口


▲Blvd. Montmartre 側の入り口

このパサージュは1800年に建設され、パリでは最も古いパサージュのひとつである。次に紹介する「パサージュ・ジュフロワ」と「パサージュ・ヴェルドー」の通路の役目をしていたようで、現在はこれといった店らしい店は見かけない。

■パサージュ・ジュフロワ(Passage Jouffroy)

「パサージュ・デ・パノラマ」を出て、Blvd. Montmartre を渡ったところに「パサージュ・ジュフロワ」の入り口がある。1845年に建設され、人形館やお菓子屋、レストラン、キッチンの小物屋などがあり、今でもけっこう買い物客でにぎわっている。


▲パサージュ・ジュフロワの入り口


▲狭い通路にレストランのテーブル席が並ぶ

■パサージュ・ヴェルドー(Passage Verdeau)

「パサージュ・ジュフロワ」を出ると通りの向かい側に「パサージュ・ヴェルドー」がある。1847年にオープンした。モンマルトルという場所がらギャラリーや絵の材料、額縁屋などの店が多い。古き良き時代を求めて散策するお年寄りの姿を見かけるのもこのパサージュならではである。


▲「パサージュ・ヴェルドー」の入り口


▲ギャラリーや絵の関係の店が多い

〈次号につづく〉

(2014年6月12日号)



 



 
(c)e-Nikka all rights reserved