【サークル訪問】

バンクーバーの「歌ソロサロン」
あらゆるジャンルの曲を順番にソロで披露


バンクーバーの日系社会には同好会など趣味のグループがたくさんあるが、音楽関係のグループは特に多い。その中でちょっとユニークな活躍をしているグループがあるので、先日、例会を見学させていただいた。

ソロで歌う会「歌ソロサロン」
「歌ソロサロン」の主宰者である前田多枝さんは、2001年にバンクーバーで始まった歌声喫茶の創立当時からピアノ伴奏を行っていたが、歌声喫茶でもソロで歌いたそうな人がいたので、そういうメンバーに声をかけたり外部からも募集して、ソロで歌う会として2011年に「歌ソロサロン」をスタートさせた。

活動のシステムは、月に一度の例会。歌う人は毎回16名を限度とし、歌を聴くだけ(聴きたいだけ)のメンバーもいる。前田さんは「聴いてくれる人がいないと歌も上手にならないですから」と説明。参加費は聴くだけの人は歌う人の半額となっている。


▲「本日の参加者」前列右から2人目が主宰者の前田多枝さん


▲英語の賛美歌を歌う85歳のバッツ操(みさお)さん。ピアノ伴奏は前田多枝さん

歌う時間は一人6分。「忙しくて練習できなかった」とか「風邪引いた」とかの「言い訳御免」の掟(おきて)もあるという。どこの会でもけっこう言い訳で時間をとってしまうことが多いので、この辺もはっきりけじめを付けている。

例会はまず、コンコーネ40番(声楽の基礎練習本)から始まった。発声練習を兼ねて譜(ふ)読みの訓練である。今日はこの会がスタートしてちょうど40回目となるので、コンコーネも40番ということであった。

さて、いよいよ本番となるが、歌う順番は事前に決められ発表される。
本日の歌手14名でソロが始まった。「峠の我が家」「浜辺の歌」「オー・ミオ・バッビーノ・カロ」「Someone Watch Over Me」「五番街のマリー」「オー・シャンゼリゼ」「サマータイム」「冬の旅」「理想」「あなたのすべてを」「抱擁」「赤い花」「初恋」などなど、小学唱歌、ドイツ・イタリア歌曲、モーツァルトやシューベルトの組曲、ジャズ、オペラのアリア、賛美歌、演歌などあらゆるジャンルの歌が歌われた。

歌う人たちも楽しさをかもし出しながらも、集中して歌っていたが、ピアノ伴奏の前田さんも真剣そのものであった。歌う人は2曲でも、ピアノ伴奏は16人の歌い手がいれば32曲を弾きこなさなければならないから大変だと思う。

「クラシックを歌う人はマイクを使いたがらない人もいますが、こういう歌はマイクを使ったほうが効果がありますよ」という助言でマイクを使ってみて自分の歌に満足する人。でも、うまくマイクを使いきれずにいると、マイクに慣れているカラオケ組がマイクの使い方やコツを説明。また、ジャンルによって声のカラーの違いはあるが、のどに無理がかからない基礎的な発声のコツやその見分け方を説明してくれたりする。

前田さんは、「このようにジャンルの違う人たちが一緒に集まると、歌い方や発声法などを違った角度から見ることが出来、いろいろな発見もありますし、お互いに理解できるようにもなってきます。歌うからには一生懸命やってください、と言っていますが、この会が始まって今年で三年になりますが、予想以上にみんな良くなっています」と語る。
さらに、「励みになるもの、目指すものがあるということは大事なことですが、年を取ってくると人前でキラキラする機会は少なくなってきますので、毎年お披露目会をすることにしています。普段の自分から抜け出して、衣装も着飾って自信を持って歌うと、本人もやりがいが出来るし、お客様も楽しんでくださるしで、出演者はその充実感を心から楽しんでいます。時間帯によって空気や光の感じが違ってきますので、最後のリハーサルはコンサートの時間と同じ時間に行っています。今度のお披露目会は8月24日(日)です」と話してくれた。


▲プログラムの後はご馳走で団欒(だんらん)のひととき

緊張したソロ演奏のあとは、メンバーの持ち寄ったご馳走を楽しみながらの団欒(だんらん)のひとときとなる。みんなの心が通い合った和やかな雰囲気に浸って、筆者も大いに楽しんできた。

【歌ソロサロン第3回お披露目会】
日時:8月24日(日)午後7時開演
会場:Mount Olivet Lutheran Church
1700 Mountain Highway, North Vanvouver
(DTから#210のバスで、Upper Lynn Valley 行き、18th Street 下車すぐ)
入場:無料



出演:赤木佳世子、河田正男、高義晴、橋ケ迫聡子、バッツ操、タット福田、トニー古森、フレッド宮吉、渡邉宣之、ほか
ゲスト出演:松本昌子(バイオリン)、中峰健(ベース)
ピアノ伴奏:前田多枝

・イタリア歌曲、ドイツ歌曲、日本歌曲、ジャズ、シャンソン、演歌などさまざまなジャンルの曲が披露されます。
・お問い合わせ:604-986-9586(前田多枝)

〈 リポート・妹尾 翠 〉

(2014年7月10日号)



 



 
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