トルコ12日間周遊ツアー(1)
東西文明の交差点・イスタンブール歴史地区


〈トロント 松井祐実・記/ 写真撮影:Richard Severin〉

何年も前から行きたいと思っていた国、トルコ。その夢がやっとかなった。トロントから成田へ行き、3泊した後、数カ月前にインターネットから予約を入れていた日本からのツアーに参加して、成田からトルコ航空で一路イスタンブールに向かった。

今回のツアーは12日間と、日本のツアーにしては長めではあったが、トルコ各地周遊ということで、長いとは感じなかった。

トルコはアジアとヨーロッパの2つの大州にまたがる国で、両方の文化の影響を受けている国である。シルクロードの中で東西文明の交差点に位置し、4000年以上の歴史がある。


▲ボスポラス海峡を挟み、アジア側とヨーロッパ側に分けら れる。海峡には2つの大きな橋が架かっていて往来が盛ん


▲スルタンアフメット・ジャーミィ、通称英語名で「ブルーモスク」。17世紀初め、オスマン帝国のスルタン(皇帝)アフメット1世によって7年の歳月をかけて建造された。世界で唯一6本の尖塔ミナレットと大ドームが特徴

トルコ最大の都市であるイスタンブールはボスポラス海峡を挟み、アジア側とヨーロッパ側に大きく分けられる。さらに、ヨーロッパ側は金角湾を挟んで旧市街と新市街にも分けられている。

トルコは近年、世界的にも急成長を遂げた発展国のひとつである。街のいたるところにイスラム教の礼拝堂・モスクがあるが、完全に政教分離の国で、他のアラブ系の国とは異なり、信仰の自由がある。お酒を飲まない人もいれば、飲む人もいる。スカーフをかぶり体を隠す人もいれば、普通の服装の人もいる。

トルコ最大の都市、イスタンブールには世界遺産が数多くあり、総称してイスタンブール歴史地区(歴史的建造物郡)といわれている。中でも今回ツアーで回ったのは、旧市街にある(1)スルタンアフメット・ジャーミィ(ブルーモスク)、(2)アヤソフィア、(3)トプカプ宮殿、(4)地下宮殿、それに新市街にある(5)ドルマバフチェ宮殿である。


▲ブルーモスクの中、ドームにあたる部分。白地に青の色調から世界で最も美しいモスクといわれる


▲アヤソフィア。ビザンチン帝国時代、キリスト教の聖堂として建てられた。その後オスマン帝国時代、イスラム教のモスクとなり、オスマン帝国滅亡後トルコ共和国時代に大修復し、現在は博物館として公開されている


▲ボスポラス海峡クルーズから見たトプカプ宮殿。歴代のスルタン(オスマン帝国の皇帝)が増築しながら約400年にわたって居城とした宮殿。1924年に修復し、現在は博物館


▲地下宮殿。オスマン帝国時代まで利用された地下貯水施設。明確ではないが、約20キロはなれた森から引いた清水を約8万平方キロメートル貯水したという


▲ドルマバフチェ宮殿。トプカプ宮殿に代わるスルタンの居城として機能した。オスマン帝国の皇帝がいなくなった後も、政府の迎賓館として使われている

新市街と旧市街とはいくつかの橋で両岸が結ばれていて、特にガラタ橋から見る新市街、旧市街の街並みはとてもエキゾチックで活気がある。

世界遺産のほかにも見どころはたくさんある。たとえば、アガサ・クリスティーの小説「オリエント急行殺人事件」の舞台になったオリエント急行の終着駅シルケジ駅(イスタンブール、ヨーロッパ側)がある。現在も駅として使用されており、ターミナル駅にあるレストランは「Orient Express」と呼ばれ、観光客を中心に人気スポットとなっている。

グランドバザールと呼ばれる、広さ3万平方メートル以上、66の街路、4000ほどの店舗を持つ、大規模な屋根付き市場もある。基本的に宝石類、陶器、じゅうたんなどで、同じ種類のお店が同じ街路に集中している。観光客化してしまっている今、ここが安いかどうかは疑問である。日本人観光客に慣れているようなので、日本語を話す人たちもたくさんいる。

さらにもうひとつ、エジプシャンバザール。ここは通称「スパイスバザール」とも言われる。グランドバザールほど規模は大きくないが、たくさんのお店がいろいろな香辛料や食料品、ナッツ類、スカーフ、お土産品などを取り扱う。時間があればもっと見たかったがツアーだと時間が限られてしまうので残念である。


▲偶像崇拝を禁止するイスラム教の教えに背くことから数々のキリスト教関連のモザイク画は500年間、漆喰(しっくい)で塗りつぶされていたが、トルコ共和国時代に入ってから大修復が行われ昔の姿をほぼ取り戻しつつある


▲クルーズ船から見た旧市街地の景色。モスクが並びエキゾチックな雰囲気が漂う

最近のシリアの問題で、イスタンブールも多少なりとも影響は受けている部分がある。シリアからイスタンブールへ今のところ約5000人の難民が入ってきているという。
観光中に時折、シリアからの難民をたびたび見かけた。小さな赤ちゃんを抱いたお母さんが、物乞いをする様子はとてもいたたまれないものであった。
一刻も早くシリアの問題が解決することを祈る。〈つづく〉

(2014年11月13日号)



 



 
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