トルコ12日間周遊ツアー(3)
世界遺産〜古代遺跡クサントス 
古代都市ヒエラポリス・石灰棚パムッカレ


〈トロント 松井祐実・記 / 写真撮影:Richard Severin〉



カッパドキアからコンヤへ。コンヤはトルコの内陸アナトリア地方の主要都市のひとつで、近代的な建物が立ち並び、路面電車も走っていて割と大きな街である。また、コンヤはイスラム教のイスラム神秘主義の一派、メヴィレヴィー教団の発祥地としてトルコ人の間ではとても有名なのだそうだ。


▲メブラーナ博物館。トルコ人ならば誰でも知っているというくらい有名な場所。この日もかなりの人が訪れていた


▲旋回舞踊「セマー」。独特で神秘的、見ていると引き込まれそう

メヴィレヴィー教団は、スカートをはいた信者がくるくると回転をする宗教行為「セマー」で、回転をすることにより、より神に近づくというものである。エジプトのナイル川クルーズの中でも見たことがあったが、それとはまたちょっと違い、トルコのものはもっと宗教的であった。コンヤにはその博物館、メブラーナ博物館がある。

コンヤで1泊した後、南へ下り、約5時間の長い道のりを経て、地中海沿岸のリゾート地アンタルヤへ。内陸のカッパドキアとはまったく異なり、とても気温が高く、リゾート感抜群である。ここでは旧市街カレイチ地区の散策と1時間の地中海クルーズを楽しみ1泊する。

このツアーはカッパドキア以外のホテルはすべてデラックスホテルだったのだが、アンタルヤで宿泊したホテルは地中海に面し、数カ月前にオープンしたばかりの新しいホテルでとてもすばらしかった。


▲アンタルヤの旧市街、カレイチ。カレイチとは城壁に囲まれたという意味があり、城壁の中に囲まれている古い町並みがある


▲ハドリアヌス門。ローマの皇帝ハドリアヌスがこの地を統治したことを記念して建造された。カレイチの入り口にあり、門をくぐるとローマ時代のたたずまいに・・・


▲地中海クルーズの船から撮ったフドゥルルック塔。紀元前2世紀頃に建てられ、昔は城砦だったそうだ

きれいな町並みのカレイチ地区の古い界わいでは、細く曲がりくねった通りと古い木造の家々が、古代都市の城壁に隣接している。昔の時代にタイムスリップしたような感覚に陥る。地中海クルーズは言うまでもなくゴージャスな景色が広がり、すばらしかった。


▲レトゥーン遺跡。女神レトの名前からこの名が付けられた。レトとその子供のアルテミスとアポロンの3柱の神々の神殿がある

アンタルヤで優雅なひと時を過ごし、約3時間かけて、世界遺産クサントスへ。
古代遺跡クサントスは、リキヤ時代の最大の都市で首都として栄え、クサントスから4キロほど離れたところにあるレトゥーン遺跡はその保養地であった。

紀元前520年頃、ペルシャがクサントスを征服、占領していた間、クサントスには地方自治が作られ、独自の硬貨が鋳造されていた。リキヤ文明についてはほとんど解明がされていないのが現状であるが、地中海沿岸沿いには、木造家屋を模した石棺、円形劇場など共通の特徴を持つ遺跡がたくさん発掘されている。


▲クサントス遺跡の円形劇場。世界遺産であるが、まだまだ発掘中ということもあってか観光客は少ない

中でもクサントスとレトゥーンは、他に比べると遺跡の規模も大きい。まだまだなぞのリキヤ文明であるが、今も発掘が続けられているので、リキヤの歴史が解明される日も近いかもしれない。


▲パムッカレの石灰棚。雪のように真っ白な棚は不思議な光景

クサントスから約4時間かけて、今度は世界遺産ヒエラポリス・パムッカレに到着。パムッカレに近づくにつれ、雪に覆われたような真っ白な大地が見え始めてくる。パムッカレとはトルコ語で「綿の城」という意味で、これは昔からこの辺りが綿の産地であったことによるようだ。

まず先にヒエラポリスからの観光となる。石灰棚を臨む丘の上にあり、「聖なる都市」という意味を持つ、ローマ時代の古代都市ヒエラポリス。この町は紀元前190年頃に建設が始まった殖民都市で、ペルガモン王のエウメネス2世によって建設され、ローマ帝国の温泉保有地として栄えた。

ここヒエラポリスは広大な土地に円形劇場、アポロ神殿跡、共同墓地、公衆浴場などの遺跡があり、見どころがたくさんある。今回は時間がなかったので、石灰棚に着くまでの遺跡の観光のみとなる。


▲ここの場所は唯一観光客が裸足で入ることができる部分である。大勢のの人が足湯を楽しんでいる

パムッカレは、地面から湧き出た石灰成分を多く含む温泉水が約100メートルの高さから山肌をつたって流れ落ち、世界的にも珍しい石灰棚を造り、幻想的な風景を創り出している。
温泉が枯れてきているのと棚田の形状を保護するために、現在は温泉水の量をコントロールしてしまっているので、かつてのブルーの水と白い棚の美しいコンラスは見られなくなっているようだが、観光客用に一部の棚田が解放されていて、温泉に足をひたして足湯を楽しむことはできる。

靴と靴下を脱ぎ、裸足になった足をお湯に入れてみる。35℃ほどととてもぬるいお湯であるが、やっぱり温泉、足湯に漬かった後は足がとてもぽかぽかして暖かくなっていた。すばらしい世界遺産の景色を見ながら足湯に漬かれるとは、何ともぜいたくな気分である。

石灰棚とは別にここには温泉プールも存在する。「アンティーク・プール」と書かれてある建物を抜けると、屋外のすぐ正面に温泉プールがある。建物に入るのは無料だが、プールに入るには別料金がかかり、水着着用が必要である。


▲ヒエラポリスの遺跡と夕日。すばらしい眺めである

温泉プールの中には大理石の柱などヒエラポリスの遺跡が底に転がっていて、まさに遺跡プールである。なんとも変わった温泉プールで、ここも温度は36℃ほどとぬるめのようだ。時間がなくプールに入ることはできなかったが、遺跡と共に温泉に入ることができる所なんて他にはないのではないだろうか。〈次号につづく〉

(2014年11月27日号)



 



 
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