新築コンドミニアム
建設現状と投資のための購入について


〈 解説・服部江理子 〉

トロントで新しいコンドミニアムの建設を見かけることは、もう目新しいものでなくなりました。数十年前からダウンタウンを中心に軒並みに建ち始めた高層コンドミニアムの建築は、一時的には滞った時期もありましたが、まだまだ終わる気配がないようです。

このコンドミニアムの建設に関し、「こんなにたくさん建てて、本当に買う人がいるの? 買い手がいなくなって倒産するようなことはないの」などの不安の声や、「新築のコンドミニアムを購入するといい投資になると聞いたけれど本当?」などといった、疑問の声をよく聞きます。今回はこのコンドミニアム建設の現状とその投資としての側面について、ご説明させていただきます。


▲トロント・ダウンタウンにニョキニョキそびえるコンドミニアム群

トロントの新築コンドミニアムの統計、分析を専門としている会社、Urbanation Inc. の統計を見ますと、ここ数年の動きとしましては、2012年の第3四半期(Q3 − 2012)に、コンドミニアム着工数が40,000ユニットと、ピークを迎えました。その後、供給過剰となり、2013年の上半期には大幅な売却数減少が生じました。そのため、2013年下半期から2014年前半にかけては、建築着工数が抑えられておりました。

しかし、最新の統計である、2014年の第3四半期(Q3 − 2014)のリポートによりますと、その後、トロントの新築コンドミニアムの売却数は著しい上昇をみせ、前年比53%増しの19,000を超えるユニット数が販売されました。

このセールス数の上昇に伴い、着工前、建設中、完成後とすべて含めた販売できる新築コンドミニアムのユニットの中で、すでに売却されているユニットは84%を占め、これは記録的な数字となっています。ちなみに、過去10年間の平均売却済み割合は78%です。

もともと銀行はデベロッパーが最低70%のユニットを売らないと、建設のための融資をしません。したがって、現在すでに着工されているプロジェクトは、すでに最低70%は買い手が決まっているということになります。どんどん勢いに任せて建設されているように見られるコンドミニアムですが、実際は買い手がいて着工されているのです。

今後、2015年からの傾向としては、2014年のユニットの売却数の大幅な増加にみられる需要にこたえ、2013年末から抑えられてきたプロジェクトの着工が増えることが予想されます。ですから、このコンドミニアム建設はしばらく留まることはなさそうです。


▲コンドミニアムの建設現場

さて、視点を変えて、投資として新築コンドミニアムを購入することに関して、少し触れたいと思います。
新築コンドミニアムに限らず、トロントの不動産は、長く所有すれば、市場や経済がどうなろうと、一時的に値下がりがあっても、まず利益を生みます。これは、歴史的な統計で裏付けされており、カナダの安定した保守的金融体制、移民も含めた人口増加など、その傾向をバックアップする要素がたくさんあります。また、カナダ最大の都市トロントは他の国際都市と比べて、まだ不動産価格が低く、上昇の余地が十分にあるといわれています。

■工事前に購入して完成後に売却する方法
投資として購入する場合、二つの方法があります。一つは、新築のコンドミニアムをデベロッパーから購入し、完成してコンドミニアムとして登録された後、売却し、利益を得る方法です。
通常、コンドミニアムのプロジェクトは、最初の発売から、着工、建設、完工、そして、コンドミニアムとして正式に登録されるまで、4年ほどかかります。

たとえば、一つのユニットをデベロッパーから$300,000で購入した場合、平均年間価格上昇率5%として、1年目で$15,000値上がり、4年後には、複利計算で約$65,000の値上がりとなります。ダウンペイメントを20%の$60,000としますと、4年で100%以上のリターンとなるわけです。もちろん、ここに売買に伴う経費、手数料もかかりますし、市場の状況にもよりますので、そこのところはいろいろ考慮する必要があります。

■完成後に賃貸として貸す方法
もうひとつは、同様に、デベロッパーから着工前の新築コンドミニアムを購入し、完工後も売却せず、所有しながら賃貸として貸し出す方法です。この場合、不動産を長期にわたり所有することになり、売却するタイミングもはかれるので、一時的な不況時の影響なども回避でき、より安全で、リターンの高い投資方法といえるでしょう。

また、トロント市内のコンドミニアムは、Vacancy Rate(空き室率)が1.7%とかなり低いことからもわかりますように、若い世代をはじめ、たくさんの賃貸希望者がいますので、テナントを探すのも比較的容易です。
ただ、新築のコンドミニアムを購入する場合、中古物件と違い注意する事項が多々ありますので、知識のある専門家にご相談されることをお勧めします。

私のブログにも新築コンドミニアム購入の際の注意点を記載しておりますので、よろしければ、ご覧ください。
http://www.erikohattori.ca/archives/640

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服部江理子(はっとり・えりこ)
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Royal LePage Signature Realty
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(2015年1月15日号)

 



 
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