【ジャパニーズ・セレブレーション】
バンクーバー交響楽団と日系合唱団4団体
コンサートで共演、名曲の数々を披露
バイオリニスト諏訪内晶子さんも登場


バンクーバー交響楽団(VSO)は活動プログラムの一環として、昨年より「パシフィック・リム・セレブレーション」という企画をスタートさせ、第2回目を迎えた今年は「ジャパニーズ・セレブレーション」と銘打ってコンサートが3月1日(日)バンクーバー市オーフィアム・シアターで開催された。


▲リハーサルにて。タクトを振るのはVSO副指揮者のゴードン・ジェラルド氏

プログラム第1部、最初の曲は、戸山雄三作曲「オーケストラのためのラプソディー」がVSO副指揮者ゴードン・ジェラルド氏の指揮で演奏された。日本民謡などの旋律がところどころに入り、日本的な色彩をも楽しめる曲であった。


▲コンサートの舞台風景(Credit Vancouver Symphony)


▲デュオ演奏。成谷百合子さんの琴とデール・バールトロップさんのバイオリン(Credit Vancouver Symphony)

2曲目は成谷百合子さんの琴と、VSOコンサートマスターのデール・バールトロップさんのバイオリンとのデュオで、宮城道雄が琴とバイオリンのために作曲した「さくらさくら」が演奏された。バイオリンと琴の音色の融和が素晴らしかった。

3曲目は再びVSOの演奏。「ジュピター」などで有名なホルストの「日本組曲・作品33番」。ファゴットのソロで始まり、その旋律は弦楽器に引き継がれて広がりのある音楽となるが、「娘道成寺」の長唄の旋律が使われている部分や「五木の子守歌」の旋律がフルートで演奏されたり、にぎやか、かつリズミカルな打楽器の部分も多く、面白い曲であった。


▲日系合唱団4団体と有志による大合唱、そしてVSOオーケストラの素晴らしい演奏。女性団員の着物姿が舞台を美しく飾っていた(Credit Vancouver Symphony)

4曲目は、菅野よう子作曲「花は咲く」、山田耕筰作曲「赤とんぼ」、佐藤真作曲「大地讃頌」(だいちさんしょう)の3曲が、日系合唱団4団体と有志80名による大合唱とオーケストラで演奏された。その音色は美しく高らかに会場に鳴り響いた。今回は「日本」がテーマということで、女性団員はそれぞれ自分の気に入った着物を着たことも舞台を一層晴れやかに飾っていた。

日系合唱団は、さくらシンガーズ、カトレア・コーラス、ウィンズ・クワイァ、NAV(ナブ)コーラスの4団体。 「赤とんぼ」と「大地讃頌」は、一時期ボストンに在住していた作曲家・ピアニストの深澤舞さんのオーケストラ・アレンジである。


▲岡田誠司バンクーバー総領事もVSO団員と一緒に出演、電子サックスで震災復興応援ソング「花は咲く」を演奏(リハーサルにて)

震災復興応援ソングとして知られる「花は咲く」では、岡田誠司在バンクーバー日本国総領事の美しい音色の電子サックスも加わり、日加交流の場としても大きく関与し、バンクーバー総領事館開設125周年行事の最後を飾るにふさわしいイベントとなった。

休憩をはさんで第2部は、諏訪内晶子(すわない・あきこ)さんのバイオリンとVSOの初共演であった。曲目はベートーベン「バイオリン・コンチェルト作品61番」。ストラディバリウスの素晴らしい音色、そして演奏技術を十分に披露してくれた。


▲諏訪内晶子さんの演奏。バイオリンの音色とその演奏姿も流れるように優雅であった(Credit Vancouver Symphony)

諏訪内さんは1990年に日本人で最初、かつ史上最年少で、チャイコフスキー国際コンクールで優勝したバイオリニストである。これまでに小澤征爾、マゼール、メータ、デュトワ、サヴァリッシュらの指揮で、ボストン響、フィラデルフィア管、パリ管、ベルリン・フィルなど国内外の主要オーケストラと共演。マールボロ、ロッケンハウス、ルツェルンなどの国際音楽祭にも多数出演している。


▲諏訪内晶子さん、岡田誠司総領事、成谷百合子さんに続き、各合唱団代表にも花束贈呈(Credit Vancouver Symphony)

大きなコンサート会場、そしてVSOという素晴らしいプロの楽団との共演は、日系音楽関係の出演者にも大きな感動的な出来事であり、聴衆にも感動を与えた素晴らしいコンサートであった。

〈 リポート・妹尾 翠 〉

(2015年3月12日号)



 



 
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