【グリーンカラー】

セントパトリックデー・パレード見物
アイルランド系移民の歴史に思いを馳せる



▲パレードを楽しむアイルランド系の少女たち


▲ROM(ロイヤルオンタリオ博物館)前を行進


▲バグパイプ


▲市民と親しく交流、ジョン・トリー・トロント市長(右)


▲アジア系の家族もグリーンカラーでパレード見物


▲バイキングの襲来?!

▲あたしも着飾って行進するワン ▲グリーンの首飾り、似合うでしょ? 



▲気分はすっかりアイリッシュ


▲旧市庁舎の時計塔もパレードを見守る


▲パレードの最後はアイルランドの守護聖人、聖パトリックがお出まし

紀元5世紀、アイルランドにキリスト教を広めた司教で同国の守護神といわれる聖人、聖パトリックの命日(461年3月17日)を記念する「セントパトリックデー」のパレードが、3月15日午後、トロント市内で行われた。
これは、アイルランドの国や、アイルランド移民が多いアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの国々で毎年、盛大に行われているもので、ちょうど春が到来する時期とも相まって、グリーン(緑)の色があちこちで見られる心はなやぐムードにあふれたイベントでもある。

トロントでの今年のパレードは、3月15日(日)午後1時に地下鉄セントジョージ駅付近から出発、ブローア・ストリートを東にヤング・ストリートまで行進。そこからヤング通りを南に向かってクイーン・ストリートまで行き、クイーン通りを西にユニバーシティー・アベニューまで行って、解散。
パレードには、アイルランド系はもちろん、他のさまざまなエスニック系の人々が参加して盛り上げていた。沿道の見物者たちも、グリーンの衣装を身につけた人が多く見られた。

19世紀にアイルランドからトロントにやって来た移民は、飢饉(ききん)から逃れてきた人たちで、1847年夏の時点で、3万8,000人。本国から貧困と飢餓に苦しみ抜いて新天地カナダにたどり着いたカトリック教徒たちであったといわれる。
この年、トロントで伝染病が蔓延(まんえん)し、市内の King Street × John Street にあった「Fever Sheds」(伝染病治療小屋)では863人が死亡したと記録されている。「ヘリテージトロント」資料によると、1851年当時、トロントの人口の25%はアイルランド系のカトリック教徒だったというから、市の住民のじつに4分の1を占めていたことになる。

その後、アイルランド系の人々は偏見や差別に遭ったこともあったが、努力を重ねたすえ、確固たるコミュニティーを築いてきた。現在までにトロント市内にはアイルランド系が関わったカトリック教会、カレッジ、病院などが建設されている。
また、「リバーダンス」など独特の踊り方で知られるステップダンスやソーシャルダンスなど、いわゆるアイリッシュダンスは人気が高い。市内にはいくつかのアイリッシュダンス・スクールがあり、劇場でこのダンスの公演をする機会も少なくない。黒ビールの「ギネス」愛好家が立ち寄る「アイリッシュ・パブ」も盛況だ。
パレード見物の帰り、どこからか、「ロンドンデリーの歌」が流れてきた。こちらも軽く口ずさみながら、家路についた。〈色本信夫・記〉

(2015年3月19日号)



 
 


 
 
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