【バンクーバー】

「新朝日野球チーム」日本遠征から帰国
姉妹都市の横浜訪問、各地で親善試合行う


2014年10月に結成された「新朝日野球チーム」は本格的な活動が始まり、本年度の横浜=バンクーバー姉妹都市50周年記念交流行事の一環として、3月5日より日本遠征旅行が実施された。
遠征旅行に先立ち、3月3日には、選手および家族らが招待され、在バンクーバー日本国総領事公邸で岡田誠司総領事夫妻主催の壮行レセプションが開かれた。

冒頭の挨拶で岡田総領事は、「今回の遠征はすでに日本のメディアでも取り上げられていますし、『バンクーバーの朝日』映画化ですっかり有名になっていますから、単に野球の試合に行くというだけでなく、日系の歴史も背負っているという使命もあって、みんなの期待も大きいです。大いに楽しんでがんばってください」と励ましの言葉を送った。


▲在バンクーバー日本国総領事公邸で開かれた壮行レセプションにて。選手、役員、岡田誠司総領事夫妻(3月3日)


▲選手一人ひとりと握手を交わし励ましの言葉を送る岡田総領事(右端) 


▲公邸フュージョンの「アサヒ・ロール」

レセプションでの食事は、若者向けのメニューの中に公邸フュージョンの「アサヒ・ロール」もお目見え。お料理も彼らに声援を送っていた。

選手たちは、「日本で野球チームの練習に参加したことがありますが、日本の選手は礼儀正しく熱心に練習していました。野球の技術もすごかったです」「日本で生まれたので、日本でも野球をしていました。チームの結束もしっかりしていて、みんな上手でした。でも新朝日にもレベルの高い子もいるし、とても良いチームだと思います。試合が楽しみです」など、感想を述べてくれた。

この遠征のために彼らは強化トレーニングを行ったが、技能アップはもちろんのこと、日本レベルの礼儀作法の練習もけっこう大変だったという。「球場に入る時は帽子を脱いでお辞儀とか、対戦チームと向き合った時の挨拶も、最初はダラダラ立っていたり全員のお辞儀がバラバラだったり。グランドにツバをはかないとか、野球以外にも教えることがたくさんありました」と球団役員が話してくれた。

一行は3月5日にバンクーバーを出発。 日本到着の翌日、3月7日には映画「バンクーバーの朝日」のロケ跡地の栃木県足利市を訪問。「足利リトルシニア」と対戦した。


▲横浜=バンクーバー姉妹都市50周年祝賀式典(3月8日、横浜市立南高校ホールにて)


▲試合開始前に両軍選手が挨拶。新朝日野球チーム(赤のユニフォーム)と横浜南ボーイズ(青のユニフォーム) 


▲横浜のJICA海外移住資料館を訪問

横浜=バンクーバー姉妹都市提携50周年記念親善試合のため横浜市立南高校へ。試合前の開会式では横浜市の柏崎誠副市長や映画「バンクーバーの朝日」の著者テッド・フルモト氏も出席した。
グラウンドに移り、「横浜南ボーイズ」と親善試合を行い、第2試合は「横浜中本牧シニア」と対戦した。夜はJICAで開かれた旧朝日軍の親戚関係者との懇親会に出席した。

一行はこのあとの日本滞在期間中、次のような日程をこなした。横浜のJICA海外移住資料館訪問、旧朝日軍のエース、テッディー・フルモト氏のお墓参り。横浜市長訪問。JCOMテレビにテッド・フル モト氏とともに出演。


▲愛知県立大府(おおぶ)高校野球部と合同練習 

カナダ大使館訪問。 愛知県立大府(おおぶ)高校野球部と合同練習、大府市長も出席して歓迎セレモニー。 練習後の歓迎会では大府高校チアリーディング部によるオー プニングセレモニー、記念品の交換など交流のひとときを持つ。

奈良県天理大学、奈良地区リトルシニアチームとの試合、滋賀県近江八幡の旧朝日軍との関連の木村野球塾で指導を受ける。  
3月16日、新朝日チームは強行軍の10間日本遠征旅行を終えて、 無事バンクーバーに帰着。
今回の遠征旅行では、日本各地で大歓迎を受け、NHK「News Watch 9」でも特集で放送されていた。

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帰国後、今回の遠征で新朝日野球チームの副団長を務めた高橋サミーさんが下記感想文を送ってくれました。

「バンクーバー新朝日軍の日本遠征を終えて」 高橋サミー

昨年秋、バンクーバー国際映画祭で上映された「バンクーバーの朝日」がきっかけで誕生したバンクーバー新朝日軍は3月5日から16日まで10日間の日本遠征を終えてバンクーバーへ戻ってきた。遠征したのは13歳―15歳までの選手15人とコーチや保護者を含む40名。

遠征先の日本では「バンクーバーの朝日」が撮影された栃木県の足利市、バンクーバー市と姉妹都市提携を結ぶ横浜市、ノースバンクーバーの Windsor Secondary School と提携のある愛知県の大府(おおぶ)市、オリジナル朝日軍の選手のお孫さんがいる滋賀県の彦根市、そして監督の義理のお母さんの故郷である奈良県の天理市を訪問し、地元のリトルシニアのチームとの親善試合や、地元の高校野球チームとの合同練習などを行った。

対戦した相手チームは「足利リトルシニア」「横浜南ボーイズ」「横浜中本牧シニア」「天理リトルシニア」の4チーム。中でも、横浜中本牧は過去に多数のプロ野球選手を輩出している名門チームである。

各チームとも徹底的な「スモールボール」「ブレインボール(頭脳野球)」を実践で見せてくれた。塁に出たら、確実にバントや盗塁でランナーを進める。点を取るための固い野球を確実にする。一本、長打を狙う北米のベースボールとは攻め方が違う。それもそのはず、日本人選手は体格もこちらの選手に比べると小柄だし、誰もが長打を打てるようなスイングをしていない。

「スモールボール」や「ブレインボール」はバンクーバー朝日軍の持ち前であったはずなのに日本の野球では当たり前のようにやっている。そして選手たちは礼儀正しく、きびきびと動く。力で押して行く北米のベースボールに慣れている選手たちにとって「スモールボール」で小刻みに点を入れていくという日本野球のお家芸を自分の目で見て肌で感じることができた。このことは選手たちの今後のベースボールに対する考え方に何らかの影響を及ぼすことになるであろう。

いろいろな意味で今回のバンクーバー新朝日軍の日本遠征は参加した選手たちにとって大きな収穫になったと言える。

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バンクーバーの新朝日野球チームの話題は、Google または Facebook を開いて、「 Canadian Nikkei Youth Baseball Club-CNYBC 」を入れると、見られます。
NHK「NEWS WATCH 9」は 【日系人の野球チーム「バンクーバー朝日軍」再結成チームが来日 】をご覧ください。

〈 リポート・妹尾 翠 〉

(2015年4月2日号)



 



 
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