アラスカ・クルーズに参加(前編)
ちょっとぜいたくな船内生活と美しい風景を堪能


〈 トロント 松井祐実・記/ 写真撮影:Richard Severin 〉

9月、バンクーバーから出発する7日間のアラスカクルーズ「インサイド・パッセージ」というコースに参加した。私たちが乗船した船はホーランドアメリカ社(Holland America Line)のザーンダム号(Zaandam)で、バンクーバーから出発し、ジュノー(Juneau)、スキャグウェイ(Skagway)、ケチカン(Ketchikan)、バンクーバーへと戻ってくるコースであった。

まずトロントからバンクーバーまで飛行機、バンクーバーの空港からスカイトレインに乗ってカナダラインの終点ウォーターフロント駅まで行き、そこから徒歩でフェリーターミナルへ。

スカイトレインはかつて私が住んでいた頃に比べるととても便利になった。空港からウォーターフロント駅までは乗り換えなしで約30分。ウォーターフロント駅からカナダプレース港まで徒歩で10分ほどである。


▲バンクーバーのカナダプレース。この港からクルーズ船が出航する

ホーランドアメリカ社では、スタッフが空港でクルーズ乗船客の荷物を預かり、船まで運んでくれるというサービスをしてくれた。

クルーズは午後5時に出航だったが、お昼12時から乗船ができるとのことだったので、私たちは空港到着後、すぐフェリーターミナルへ向かった。
アメリカへの入国審査後、待合室にはすでにたくさんの人がフェリーに乗るための手続きの順番を待っていた。私たちはラッキーだったらしく30分ほどで乗船でき、手荷物を置いて、まずはランチを取ることにした。


▲8階のオープンルーフからプールを見下ろす

ザーンダム号の船内のレストランは大小あわせて5つ。ビュッフェの「リドー・レストラン」とダイニングルームの「ロッテルダム・ダイニングルーム」の2つが中心であるが、プールサイドにはホームメードバーガーが楽しめるコーナーもあった。また、別料金を支払って優雅なダイニングを楽しめるピナクルグリルもある。


▲プールサイドの軽食レストラン「ダイブイン」。バーガーやホットドッグが食べられる

私たちはリドーとロッテルダムで食事をすることが多かったが、バーガーも何度か食べてみた。このバーガーは絶品である。ただ量が多いので、一人ではちょっと多すぎるのが難点であった。
リドーとロッテルダムはいつも混んでいて、特にロッテルダムは予約を入れていても長蛇の列に並ばなくてはいけないということで、多くの人が苦情を言っていた。


▲ロッテルダム・ダイニングルーム。ちょっとぜいたく気分が味わえる

乗船客はほとんどが70歳以上の年配の人たちで、ウォーカー(歩行器)や杖(つえ)を使っている人が多く、車椅子の人もたくさんいた。
ビュッフェレストランは毎日少しずつメニューが替わって飽きることはなかった。リドーとロッテルダムはビュッフェとテーブルサービスの違いだけで、メニュー自体はほとんど変わりないと思った。


▲ライオンズゲートブリッジをくぐる


▲クルーズ船「ザーンダム号」(この写真はホーランドアメリカ社のホームページより)

クルーズ船の中は設備がリゾート並みで、プール、テニスコート、フィットネスジム、映画シアター、コーヒーショップ、図書館、カジノ、ラウンジなど、何でも揃っている。毎日船客が飽きないようにとセミナーやマジックショー、映画の上映も行われる。

午後5時の出航前に、1時間ほど緊急時の避難訓練があった。避難訓練といってもただ甲板に並んでいただけであるが、これに参加しないと船から降ろされるということだったので、みんな渋々並んでいた。

バンクーバーのカナダプレース港から出航し、しばらくしてからゆっくりとライオンズゲートブリッジをくぐる。しばらく景色を堪能した後はお待ちかねの夕食。どのレストランも忙しそうだ。


▲船から眺めるサンセット


▲筆者が宿泊した部屋。オーシャンビューではなかったが、割と快適に過ごせた 

夕食後は、運動不足になるといけないので、船の中を歩き回ったり、デッキの周りを何周も回って歩き、それから就寝。

乗船2日目は一日中インサイドパッセージで、太平洋沿岸地方に浮かぶ島々の間を縫って進む。けっこう霧がかかっていたりしたが、それなりに趣があった。この日も一日中船の中をぶらぶらしたり、ジムへ行ったりして一日を過ごした。


▲インサイドパッセージを航行中に見た風景。霧がかかって幻想的

3日目の午後1時ごろ、アラスカ州ジュノーに到着。私たちは事前に船内でメンデンホール氷河(Mendenhall Glacier)観光のツアーを予約していたので、ジュノーの港から迎えのバスに乗ってメンデンホールへ向かう。


▲アラスカの州都ジュノー。クルーズの港から歩いて行ける所には観光客用のお店が立ち並ぶ

1時間弱でメンデンホールへ到着。到着後は迎えの時間まで自由行動で、氷河観光だけでなく、ミニハイキングなどをしたりして歩き回る。運動不足にはちょうど良かった。

この日はとてもいいお天気で、9月のアラスカにしては珍しく暖かく15度近くあった。にもかかわらず氷河は健在であった。氷河の隣には滝があり、水しぶきを上げて、観光客を喜ばせていた。このメンデンホール氷河はとても手軽に見られる氷河で、お勧めである。


▲メンデンホール湖。巨大な氷が湖に浮かんでいて美しい景色


▲メンデンホール氷河。手前は水しぶきをあげて流れる滝

数時間の観光後、迎えのバスに乗りジュノーの港へ。船に乗船するにはまだ少し時間があったので、少し町をぶらぶらしてみる。クルーズの乗客用にお土産屋さんが立ち並ぶ。いかにも港町という風景だ。

船に戻り、夕食へ行く準備をする。せっかく予約を入れたのでちょっとドレスアップをしてみる。クルーズ中、2回のフォーマルナイトがあるということだったので、それなりのドレスを用意していた。

主人もいやいやながらネクタイにジャケットで行った。みんなもドレスアップしているだろうと思いレストランに入ると、半分以上の人はドレスアップどころか普通の洋服であった。フォーマルナイトといってもこのクルーズ船は余り厳しくないようである。タキシードをわざわざレンタルした人もいるようで、文句を言っている人もいた。船はジュノーを夜10時ごろ出航した。

〈次号につづく〉

(2015年4月30日号)



 



 
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