Bidding War (入札合戦)のときの準備と心がまえ


〈 解説・服部江理子 〉

トロント不動産協会の6月の統計結果によりますと、グレータートロントエリア(GTA)の全家屋タイプのセールス数は、総計11,992件で、前年同時期比18.4%増し、また、平均価格は、$639,184で、前年同時期比12.3%増しとなっています。
これにより、今年の上半期のGTAの平均価格は、$624,438となりました。

一方、6月の市場に出ている売り物件数は、昨年同時期より13.1%減っており、引き続き、売り手市場で、買い手にとっては、厳しい現状です。

しかし、先日、Bank of Canada(カナダ中央銀行)が、金利を下げる発表をしましたので、歴史的に低いモーゲージの金利はさらに下がる可能性があり、厳しい状況でありながらも、家の購入、買い替えをこの時期に考えている方は多いようです。

このような売り手市場では、提示価格が妥当であれば、複数の買い手からオファーが入り競争になるのは当たり前の状況です。それを覚悟でやはり希望の家の購入を願ってがんばっているバイヤーさんたちに、そのような Bidding War(入札合戦)の準備としてできることをまとめます。




■モーゲージのプリアプルーバル
条件つきのオファーはまず却下されると思っていいでしょう。ファイナンスの条件を入れずにすむよう、必要な書類などすべて提出して、プリアプルーバル(Pre-Approval =事前の承認)をもらっておきましょう。

■自分の予算の上限より、10%から15%くらい低い値段の家を中心に検索する。
現在の市場では、市場に出ている価格より高く売れることがほとんどですので、競争になった場合、市場価格が予算の上限ぎりぎりの家であれば、買える可能性は低くなります。

■興味のある家が市場に出たら、オファーの日が決まっていてもできるだけ早めに見学する。
ブリーオファー(Bully Offer =オファーの日の前に提出されるオファー)があった場合、見学をしておけば、その旨、連絡を受けますので、対応ができます。知らない間にオファーの日の前に売れていたという事態を防ぐことができます。

■購入したい家のホームインスペクション・リポートの内容の吟味
いくらまで出せるかは、家の状態に左右されます。もしその家がかなり修理にかかるようでしたら、それを予算組みしなければなりません。
現在、オファーの日を決めている売り家のほとんどはホームインスペクション・リポートを用意していますが、ない場合は、オファーの日までにインスペクターを雇い、家の状態を把握しておくことをお勧めします。

■オファーと一緒に提出できるよう、バンクドラフトか、サーティファイドチェック(Certified Cheque)でデポジットを用意する。
デポジットが入るまで契約は正式にはなりません。ですので、デポジットのチェックを持参したほうが有利です。また、デポジットの額も5%程度といわれていますが、多く出せるのであれば、出したほうが売り手に安心感を与えます。

以上の点はこの市場で家を購入するためには必須です。それ以外でも、売り手に手紙を書いて、いかにその家が気に入ったかを訴えてオファーに添付したりすることなども、必ずしも影響を与えるとは限りませんが、オファーが接戦の場合などでは、売り手の感情に訴えるという意味で効果があるかもしれません。

また、このような状況下では、ある程度、市場価格より高いと感じても、予算内であれば思い切って値を上げることも必要かもしれません。それでも長期的に見れば、十分投資になるのですから。

ただ、一つだけ気をつけなければいけないのは、モーゲージのプリアプルーバルでいくら大丈夫だった額でも、購入後に行う銀行の査定で家の価値が購入額より低い場合、モーゲージが組める額が下がることがあります。
その場合は、自分のダウンペイメントを多くしなければなりませんので、このような万一の場合の経済的余裕がない場合は、特にその点を注意する必要があります。

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今回の記事の内容について、もっと詳しい情報をご希望の方、そのほか、家の購入、売却に関するご質問は、いつでもお気軽にお問い合わせください。

服部江理子(はっとり・えりこ)
Sales Representative
Royal LePage Signature Realty
Tel : 416-371-0224
E-mail : eriko@royallepage.ca
Website : www.erikohattori.ca


(2015年7月30日号)



 
 


 
 
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