東日本大震災の被災児10人がトロント来訪
SOK歓迎会のあとホストファミリー宅へ


東日本大震災児童自立支援プロジェクト「Support Our Kids」(SOK)の一環として、トロントのSOK実行委員会(代表=瀬戸山久子さん)が推進している夏休みに被災児童をカナダに招く企画が、今年も行われた。後援は、トロント・フォレストヒル・ロータリークラブ、トロント日系福音教会、ふるさと愛奏会など。

8月4日(火)、東北3県から中高生10名が新山ひかりさんに引率されてトロントに到着、夕方、トロント日系文化会館(JCCC)で歓迎会が開かれた。

瀬戸山久子さんが歓迎のスピーチを行い、「トロントのSOK運動は、You are not alone(ひとりじゃないよ)をスローガンに、今年で3回目を迎え、ますます広がっていることに喜んでいます。子供たちは有意義にカナダ生活の経験をしてください。そして笑顔で日本に帰ってほしい。笑顔は元気の源(みなもと)です。大きな希望をもってこれからの人生を歩むことを望みます」と激励の言葉を述べた。


▲東北から来訪した10人の被災児たちに歓迎の言葉を述べるSOK実行委員会代表、瀬戸山久子さん


▲東日本大震災の惨状を写真で示しながら英語で説明する生徒

続いて、ロータリークラブ代表、JCCCゲーリー川口理事長、吉本徹也首席領事らによる歓迎の挨拶が行われたあと、10人の生徒全員が英語で自己紹介、大震災に遭った当時の模様を写真などを示しながら説明した。

生徒たちがホームステイするホストファミリーと対面、お互いにすぐ打ち解けた雰囲気に・・・。 生徒たちは滞在期間中、ナイアガラ見物、「水と自然/愛と命の大切さ」を学ぶセミナー参加、カナダ日系人史学習、近郊でのサマーキャンプ参加、JCCCで行われる沖縄祭りイベント「エイサー」観賞など、8月15日(土)までカナダでの生活を体験する。
8月16日(日)に日本に帰国する。

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▲木元美里さん(中央)とホストファミリーの岩井正三、曜子さん夫妻 

福島県南相馬市の木元美里(きもと・みさと)さんは、高校2年生。小学6年生のとき大震災に遭った。 今回、岩井正三、曜子さん夫妻宅にホームステイする。
「できるだけ多くトロントの文化にふれるよう心がけます。それから、岩井さんの車に乗せてもらってドライブに行きたい」


▲渡邉未来さん(中央)とホストファミリーのジェームス・ヘロン、雅代さん夫妻

宮城県石巻市緑町の渡邉未来(わたなべ・みく)さんは小学4年生のとき、津波に襲われた。4階建ての小学校の建物の2階まで水が押し寄せてきて、亡くなった同級生もいる。家族では、祖父が今も行方不明のままだ。
ホストファミリーは、ジェームス・ヘロン(JCCC館長)・雅代さん夫妻。3人で話し合って「家では英語で会話をしよう」と決めたそうだ。
「カナダにいる間に大勢の人と出会ってコミュニケーションをはかりたい」
ところで、この日(8月4日)は、未来さんの15歳の誕生日にあたり、大きなバースデーケーキが登場。未来さんが感動のろうそく消し、会場の人たちから祝福されるという場面があった。


▲田代司さん(中央)とホストファミリーの狩野ジミー、裕子(やすこ)さん夫妻 

福島県いわき市の田代司(たしろ・つかさ)さんは、高校生。大震災当時、浪江(なみえ)町に住んでいた。あの原発事故現場の近くである。事故は小学6年生のときに起きた。以来、放射能から避難して兄の住むいわき市のアパートで暮らしている。
ホームステイ先は、狩野ジミー、裕子(やすこ)さん夫妻宅。裕子さんは司さんと対面するやいなや、大きなゼスチャーでハグし、「孫が出来た」と手放しの喜びようだ。
「ホストファミリーやカナダの人たちといっぱい話をしてみたいです。ナイアガラ滝は見に行きますが、できれば、ロッキーも訪れてみたいなあ。狩野さんご夫婦に得意の日本料理を作ってあげようかなと考えています」


▲山浦玄斗さん(右から2人目)とホストファミリーの吉本徹也、孝子さん夫妻。左端は息子の恵次郎さん

岩手県大船渡市の山浦玄斗(やまうら・げんと)さんは中学2年生。小学3年生のときの大震災では自宅が床下浸水の被害に遭った。家族は無事だったが、医師だった父親は大震災で負傷した多くの住民の診察・治療に明け暮れる日々だった。そんな父親の背中を見て育った。
ホストファミリーは吉本徹也(首席領事)、孝子さん夫妻。
吉本さんの息子、恵次郎さん(15歳)と同じ年代ということで、早くも意気投合しているという。
「日常英会話がふつうにしゃべれるようになりたい」がもっかの目標だとか。

(2015年8月6日号)


 



 
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