カルガリー日本お祭りフェスティバル
刃物工芸家・藤原照康氏の実演に注目が


8月15日(土)、カルガリーの北西、ボウネス・コミュニティーセンターで「第5回カルガリー日本お祭りフェスティバル」が開催された。前日までの猛暑に代わって早朝から雨が降り、初秋を感じさせる肌寒さのあいにくの天候の中、開場前から浴衣を着た子供連れ親子など人々が続々と会場に詰めかけた。


▲鏡開き。(左から)田村良作カルガリー総領事、鍛冶師の藤原照康師氏、日本お祭り関係者たち

「この日本お祭りは今年で5年目を迎えます。昨年の入場者数は約5千人。初回の3倍を超える伸びです。今年は昨年以上の来場者数となることを期待しています。日本の素晴らしい伝統文化を楽しんで広めていきましょう」と、田村良作在カルガリー総領事の挨拶の後、威勢よく鏡開きが行われ活気あふれたお祭りの幕が開いた。

幸い午後には雨も上がり、屋外で行われる総領事館主催の5代目、藤原照康氏の刃物工芸実演会場に多くの人が集まってきた。


▲刃金(はがね)を熱する藤原照康氏


▲見学者が刃金打ちに挑戦

藤原氏は火にくべられた刃金(はがね)を取り出し、「刃金の温度は目で見ます。今この刃金の温度は800度です」と説明しながら刃金をトントンと打ち始めた。
「試してみますか?」との藤原氏の誘いに観客の一人が刃金を打ち始めると、まっすぐだった刃金がクルクルと丸まってしまった。
2センチほどの厚みの刃金を打ち、薄く伸ばしていくのにいかに高度な技術が必要であるかという説明を受け、実際に目の当たりにした観客から「オー、ワァー」と歓声が上がり、実演会は盛り上がりを見せていた。

「海外での実演会は今回が初めてです。日本よりも観客の皆さんが素直に反応を表現してくれて、私の気分を高めてくれますね。日本刀も作りますが、親子2代に受け継がれるような、日々使って、喜んでもらえる包丁を作っていきます。私の作品でこれからも、もっと人を喜ばせたい。刃金を打っているときは無心です。火との格闘です。女房のことは考えていませんよ」と火を見るときの厳しさとは打って変わって、ユーモアたっぷりに記者に語ってくれた。

研(と)ぎ師である奥さんは、嫁ぐときに祖父母から言われた「ケンカはしてはいけない。ケンカをすると良い作品ができない」という教えを今でも守り、藤原氏を支えているそうだ。


▲ダンスを披露する子供たち


▲今風のアンパンマンヨーヨー釣り。係員は藤原宇宙君(左)と林辰輝君。ふたりは大阪市明星高等学校からホームステイでカルガリーに滞在中


▲日本酒を紹介する鷲山さん(左)と上原さん

カルガリーの街の中の道路をまたがる歩道橋につけられたお祭りのバナー広告を見て来たという声が多く聞かれ、宣伝効果がよく表れていた。会場内では、「日本の匂いがする」という人もいて、それぞれが、それぞれの日本を満喫した一日となった。今後ますます、日本の輪が広がっていくことでしょう。

Calagry Japanese Omatsuri Festival
http://calgaryjapanesefestival.com/

〈 リポート・奈良由貴子 〉

(2015年8月20日号)


 



 
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