【日系コミュニティー】

岡田誠司バンクーバー総領事夫妻送別会
在任中の活躍たたえ、名残を惜しむ


〈 リポート・妹尾 翠 〉

 在バンクーバー日本国総領事館、岡田誠司総領事の帰朝辞令が2月10日に発令され、3月15日に総領事館主催、日系コミュニティー各団体の協力により、岡田誠司総領事夫妻の送別会が日系センターで開催された。

 送別会は楽市のお囃子(はやし)と獅子舞いで開幕。大和奈緒美さんの司会、リステル・ホテル 上遠野和彦(かどの・かずひこ)副社長の開会の挨拶、日系コミュニティー代表ゴードン門田氏の送別のことば、そして岡田総領事の挨拶に続き会食となった。 

▲岡田誠司総領事 ▲会場の生け花は岡田寧子総領事夫人の大作



▲「楽市」によるお囃子(はやし)

  コミュニティー代表挨拶では、岡田総領事夫妻が着任後すぐにバンクーバーアイランド太平洋岸に漂着した東日本大震災がれきの清掃作業などにたずさわったことや、多くのコミュニティーとの心ある交流などがたたえられた。


▲東日本大震災のがれきが漂着したバンクーバーアイランドの海岸でがれき清掃作業をする岡田誠司総領事(2013年5月)

 岡田総領事は挨拶の中で次のように述べた。
「日本とカナダの経済交流、 友好親善の促進に努めてきましたが、本当にあっという間の3年2カ月でした。たくさんの方々と交流させていただき皆様の善意に支えられ、充実した仕事ができましたこと、そして、プライベートでも楽しい生活を送ることが出来ましたことに心から感謝申し上げます。
 経済面では、国際情勢から見たLNG(液化天然ガス)の確保に関して、安全面を考えてもカナダから太平洋を渡っての輸送はとても意義のあることです。カナダ東部を寒波が襲ったときには、石油を運ぶために鉄道が使われ、小麦の輸送ができず、日本への輸出も止まってしまいましたが、日加関係がどんなに良くても、自然災害などで状況が変わってしまうこともありました。日本はカナダからの小麦輸入量は全体の25%を占めていましたから大変なことでした。
 政治関係ではバーナビー市の慰安婦像設置の問題がありましたが、多国民が仲良く共存しているのを壊すようなことがあってはならないということで、住人たちの目線から見て、協力し、訴えたことが功を奏しました。一番大切なのは人と人との関係を大切にすることの良い例であったと思います。
 2014年はバンクーバーの日本国総領事館開設125周年記念の年で、1889年からの日本人を中心とする歴史を検証しました。勉強することは多かったですが、多くの日系人がたどった厳しい歴史があります。現在の友好的な日加関係、そして日本人が一定の地位を築いてこられたのは、日本人先駆者の大変なご苦労、そして苦し みを乗り越えてきた人々の歴史の上に築き上げられてきたということを決して忘れることなく、これからの友好親善のためにも微力を尽くしていこうと思います」


▲借地の「岡田畑」で野菜を栽培。円内は畑を耕す岡田総領事

 岡田総領事は、私生活でも、カヤック、スキーなどのアウトドアスポーツを楽しみ、郊外に畑を借りて、大根、ジャガイモ、かぼちゃなどの収穫を行うなど、畑仕事も半端ではなかった。

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 送別会の食事の間には、サクソフォンを奏する岡田総領事がバンクーバー滞在中に演奏活動で共演した仲間たちとの演奏が行われた。中島有二郎さんのギターと新屋宗一さんのピアノ、そして岡田総領事のサックスのトリオ演奏。成谷百合子さん・小茂田和子さんの琴と山本篁風(やまもと・こうふう)さんの尺八、新屋さんのピアノと総領事のサックスで美しい旋律の「みずうみの詩」を演奏。

▲ギター(中島有二郎さん)、サックス(岡田総領事)、ピアノ(新屋宗一さん)のトリオ 



▲合唱団と器楽演奏のジョイントで「花は咲く」

   そしてVSO(バンクーバー交響楽団)の長井明さんのバイオリン、新屋さんのピアノ、総領事のサックスで「タイースの瞑想曲」が演奏された。最後に地元日系合唱団メンバーも加わり、東日本大震災に多くの人々によって歌われた「花は咲く」の合唱が披露された。会場いっぱいに美しい音色が響き渡り、誰もが感動する素晴らしい音楽会となった。
 ジャンルを問わず、どんな曲でも美しい音色でこなす岡田総領事の演奏は、プロのアーティストたちからも称賛の声が上がっていた。


▲桜楓会(おうふうかい)の久保克己会長(右)から岡田総領事、寧子夫人に桜楓会名誉会員証が贈られた 

 送別会の後半は木曜会、BC州日本酒協会、桜楓会から名誉会員証などが岡田総領事夫妻に贈られ、和やかな会は幕を閉じた。
「最も大切なことは人と人とのつながりである」をモットーとする総領事。
 この日は日系コミュニティーの300名以上の人々が参加し、総領事との名残を惜しんだ。岡田総領事夫妻は3月23日(水)に帰国。

(2016年3月24日号)



 



 
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