【今から始める資産運用】

夫婦で考える女性の長生きリスク


〈解説・RBCウェルス・マネジメント資産運用グループ〉

 最近の統計を見ますと、人々の寿命が確実に伸びていることと同時に、女性が男性よりも長生きする可能性が非常に高いことがよく分かります。日本では、女性の平均寿命が約87歳、男性が約80歳と女性の方が約7年間長生きしていることが分かります(カナダ平均寿命は女性が約84歳、男性が約80歳)。更に、100歳以上の人口を見ると、日本では2015年時点で合計6万1568人おり、なんとそのうち約87%が女性となっています(注1)。

<年齢100歳以上の人口男女比率>




 ここカナダでは、100歳以上の人口が2015年時点で約8,100人と推定されており、日本と比較して人口規模は小さいですが、そのうち約88.4%が女性と、男女比率はほぼ同じとなっています(注2)。

 こうして女性の方が長生きする可能性が高まっている一方、老後のマネープランに関してはご主人様まかせになっており、女性の長生きリスクが反映できていないという家庭も多いです。女性が1人で生活しなければならない可能性が高まる中で、夫婦で同じ資金計画を立ててしまっては老後資金が足りなくなってしまうなどの大変な事態が起きる可能性もあります。夫婦が共に豊かで安心できる老後生活を送るためには、長生きリスクを想定した資産運用と、遺族に問題を残さないための遺産相続のプランニングが必要です。

元気なうちに夫婦で考慮すべきこと

 45歳以上の1,380名のカナダ人を対象に行われた調査(注3)によると、老後生活における3大懸念事項はインフレ率の上昇、医療費の確保、そしてアセットアロケーション(適切な資産配分で運用ができているかどうか)であるとの結果が出ています。
 インフレ率の上昇とは、物価が上昇し貨幣価値が下がるため、堅実に貯金をしているだけでは資産価値が下がってしまうことを示します。これは既に定年退職を迎えた方の47%が懸念事項として挙げており、現実味があります。

 カナダでは、インフレ率が平均約2%で、同時に資産価値も年間2%ずつ減少していることになりますので、いかにして資産価値の減少を防いでいくか、という点が大きな関心事になっているようです。
 万が一奥様が1人残された場合の生活費は、それまで夫婦二人で必要であった金額の半分以上になる可能性があります。ご主人様が亡くなった後の定期収入の確保ももちろん必要ですし、高齢になるに連れて突然の病気やケガに備えた余剰金を確保することも重要です。




奥様が1人になった場合の現実

 実際にご主人様が亡くなった後は、精神的にも辛い日々が続き、お金のことを考える心の余裕はありません。しかし、ご主人様に資産管理を頼ってきた場合は、それまで一度も見たこともないような請求書、資産運用の明細書、税金関連書類などが届き、奥様1人ではどう処理してよいのか分からず、精神的に休まる暇もないという例は実際よくあります。
 特に、資産運用に関してはその内容を理解して、積立・運用を継続するかどうかの判断をするだけでも多くの時間と労力を費やすことになります。その後も奥様が1人で家計の管理を引き継ぐことになりますので、ご主人様の生前にしっかりとした準備を行うことが重要であることが分かります。

残された者にとっての遺言書の重要性


 遺産相続もご主人様の死後に発生する大きな手続きの一つです。資産額が多い方でも意外と遺言書を準備されていない方が多いですが、カナダにおいて遺言書無しに死亡された場合、州の相続法に基づいて遺産が分配されます。
 これにより、奥様の生活費が一時的に確保出来なくなったり、家族・親戚間のもめごとが起きてしまう可能性があり、奥様にとって大きな負担になってしまいます。

「お金のドクター」を1人持っておくと安心

 1人でお金の管理を行うのは不安という女性も多いかと思いますが、上記で挙げたような事柄は各専門家へ相談することができます。しかし資産管理・運用を専門とする、ある程度規模の大きな資産運用会社に任せることができれば、一つの窓口ですべてまとめて管理することができるため、より効率的で、本人の負担も少なくなります。
 特に大きな資産運用・管理に関しては、女性の多くが知識が不十分であることを理由にご主人様に頼りがちです。しかし、これらは、通常、学校で学ぶこともなく、専門的な知識を持っていないことの方が当然です。従って、本来はその道の専門家へ相談されることが望ましいと言えます。

 例えば、何か健康上の問題があり病院へ行くことを想像してみてください。医療に関する専門的な知識がないからといって、病院へ行かなかったり、1人で悩んでしまうことはあまりないかと思います。通常はお医者様のアドバイスや処方箋(解決策)を出してもらうことを目的に病院へ行くはずです。
 同様に、お金に関することも、知識がないため問題を放っておかれたり、1人で悩まれるのではなく、専門家の知識を上手に利用されて、お金の健康を向上させていくべきなのです。お金は人間の健康と同じく、一生涯付き合っていくものです。ぜひご夫婦がお互いに安心して暮らしていけるような老後のマネープランを考えていただければと思います。

(注1)厚生労働省2015年9月11日発行資料参照
(注2)Statistics Canada 2015年7月1日発行データ参照
(注3)Fidelity Investments 2014年発行データ参照



RBCウェルス・マネジメント資産運用グループ

1901年創業、北米、欧州、東京を含むアジアに拠点を持つカナダNo.1、世界No.5の資産運用会社。日本語グループがあり、日本語のでのトータルサポートを行う。個人・法人を対象に、資産運用、相続、信託、保険、為替など顧客のニーズに合わせたソリューションを提供。金融業界以外でも幅広いネットワークを持ち、弁護士・行政書士・公証人・会計士・移民コンサルタント・住宅ローンや不動産業者などの紹介や連携業務も行う。

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(2016年4月7日号)

 



 
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