古都リスボン 71歳女ひとり旅(1)
旧市街の中心「バイシャ地区」


〈リポート・いろもとのりこ〉

 大西洋に面したポルトガル。その国の首都、リスボン(Lisboa)は中心部の人口が約55万人。しかし、周辺地域を入れると300万人といわれるから、ポルトガル人口全体の約27%を占めていることになる。

 旧市街は歴史的都市のひとつで、西ヨーロッパではロンドン、パリ、ローマなどよりも数百年前に建設されている最も古い都市でもある。街を歩いていてもその趣(おもむき)のある歴史の重みを感じさせてくれる。



 ポルトガルが欧州連合(EU)に加盟したのは1986年で、ユーロが導入されたのは1999年からである。それまでポルトガルは西ヨーロッパでは他の国に比べるとかなり物価が安かったが、ユーロ導入後、それほど変わらなくなった。フランスに比べると、若干安いかな?と感じるくらいだ。

 今回パリ滞在中に、5日間ほど初めてリスボンを訪れた。行く前に想像していたよりずっと古い街並み、荘厳な建築物が多いのに圧倒された。さすが、かつて海洋王国の名を馳せたポルトガルである。見どころも多いリスボンの街を4回にわたって紹介していきます。

■石畳と丘、市電、バス、車がひしめく街

 イベリア半島の西、テージョ川(Rio Tejo)の川口にあるリスボンは7つの丘と古きよき時代を思わせる市電が走る街として親しまれている。川といっても大西洋に近いので、ほとんど海のようだ。

▲リスボン旧市街は丘が多く、建物はオレンジ色の屋根がわらと白い壁が特色 ▲タイルの石畳がきれい(リベリダ通り)



▲狭い道路に目いっぱい、市電、バス、車が通る

 通りはほとんど石畳で、きれいな細工模様が施されている。丘に建つ住宅地はオレンジ色の屋根に白い壁。いかにもポルトガル風情である。旧市街の道路は狭い上に坂が多く、そこを市電、バス、車がひしめきあっている。よく事故が起きないものだと感心してしまう。


▲旧市街の中心地、ロシオ広場。交通の要所、フィゲイラ広場はすぐ東隣り

 旧市街の中心地がバイシャ地区(Baixa)のロシオ広場(Rossio)である。すぐ東隣りに市電やバスの発着地であるフィゲイラ広場(Praca da Figueira)をひかえ、地下鉄の駅もあってまさに観光には便利なところ。この広場のすぐ近くにホテルをとった。

 広場の中央に初代ブラジル国王となったドン・ペドロ4世のブロンズ像がある。リスボンにはこの手の像があちこちの広場にあって、最初は珍しかったが、だんだん「ここにも・・・あそこにも・・・、本当に像が好きな国民だ」と、半分あきれてしまう。

▲シーフードレストランがずらり並ぶ ▲イワシの塩焼き


 ロシオ広場からすぐ北にのびる通りには、シーフードレストランが軒を並べ、1日中、客引きの呼び込みがにぎやかである。店の前にカラー写真入りメニューの看板が立てられているので、じっくり見比べることができる。
 ここで、かねてからの念願だった「イワシの塩焼き」をいただいた。2年前にスペインのマラガで食べたイワシよりずっと大ぶりだが、新鮮でおいしかった。イワシは春から夏にかけてが一番の食べごろだそうだ。

■年中歩行者天国、にぎやかなアウグスタ通り

 ロシオ広場から南にテージョ川に面したコメルシオ広場(Praca do Comercio)まで、一年中歩行者天国になっているアウグスタ通り(Rua Augusta)は、地元の人をはじめ観光客にとっても人気のスポットである。
 通りの中央にはレストランのパティオが出店していて、おいしそうな匂いが漂っている。

▲年中歩行者天国のアウグスタ通りには大道芸人も多い ▲お菓子屋も多く、典型的ポルトガルのスイーツが並んでいる



▲歩行者天国アウグスタ通りの入り口。さすが昔大国だっただけあってどこも建物が荘厳だ

 アウグスタ通りにはブティック、レストラン、スイーツの店、お土産屋などが並び、大道芸人たちも芸を競い合っている。さながら年中お祭り気分だ。


▲コメルシオ広場


▲テージョ川に面した砂浜

 アウグスタ通りの最南端にはコメルシオ広場が広がっている。ここはテージョ川に面していて、対岸に渡るフェリーや夏場の観光クルーズの発着場にもなっている。
 中央にはやはり像が・・・。ドン・ジョゼ1世の騎馬像だ。広場の西側、テージョ川に面して砂浜を設け、砂遊びや日光浴を楽しむ市民の姿がある。トロント・ウオーターフロントのミニ砂浜を思い出した。〈次号につづく〉

〈旅行便利メモ〉
◎リスボン空港から市街地へはバスチケット「AERO BUS 1」を利用すると安くて速い。片道大人3.5ユーロで、約20〜25分で到着する。市内の要所要所に駅がある。

▲お得な交通パス、セット・コリナーシ

◎市内観光の交通には1日から何日間でも希望日数で買える「7Colinas=セット・コリナーシ」(七つの丘の意味)がおすすめ。地下鉄、市電、バス、ケーブルカーなどどれでも自由に乗ることができて、いちいち切符を買う手間が省けるほか、大変お得になっている。料金は日数によって異なるが、3日間パスで18.5ユーロだった。主な地下鉄や鉄道駅、タバコショップなどで購入できる。

【注】1ユーロは、カナダドルで約$1.50です。





(2016年6月16日号)



 



 
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