古都リスボン、71歳女ひとり旅(2)
丘の上に広がるバイロ・アルト地区&リベルダーデ通り


〈リポート・いろもとのりこ〉

 まさにリスボンらしい丘や坂道が入り組む下町風情のバイロ・アルト地区(Bairro Alto=高い所にあるエリアの意味)と、そのすぐ近くにある高級ムードのリベルダーデ通り(Avenida da Liberdade)を紹介します。この日から先週号で紹介した交通パス「7Colinas」(セット・コリナーシ)をフル活用して行動した。

■急坂を上り下り、ケーブルカーはリスボンの象徴

 まずは、先週号で紹介した歩行者天国のアウグスタ通りから見えるサンタ・ジュスタのエレベーター(Elevador de Santa Justa)に乗ってバイロ・アルト地区ヘ向かう。エレベーターの上の展望台の裏からからバイロ・アルトヘ通じる細い橋があるのだ。

▲クラシックな展望台タワー ▲エレベーターは重しと交替に上げ下ろしされる


 巨大な鉄塔の中をクラシックな約20人乗りのエレベーターで上へ。途中、エレベーターと交差する重しが降りていくのが見える。まさに理科の実験のよう。展望台からリスボンの街並みやテージョ川が望める。さらに上に登る細いらせん階段もある。
 エレベーター料金は片道5ユーロ(7Colinas 使用可)。展望台から上にらせん階段を上がるにはさらに1.5ユーロ支払う(注=1ユーロはカナダドル約$1.50)。エレベーターのオープン時間は夏の季節は午前9時〜午後9時(冬季は少し短縮される)。

 エレベーター展望台の裏から細い橋を渡るとカルモ教会(Igreja do Carmo)に出る。そこから石畳の坂道をゆっくり散歩がてら南へ下り、5〜6分行くとカモンイス広場(Praca de Luis de Camoes)に着く。ここら辺いったいは庶民的な雰囲気で、若いツーリストたちが多い。東西に長く通っている市電28番線の停留所もある。


▲カモンイス広場

 カモンイス広場の中央にはポルトガル最大の詩人とされているカモンイス(1525−1580年)の銅像が立っている。大航海時代のポルトガルの偉業をたたえた叙情詩「ウズ・ルジアーダス」が作品として有名で、ポルトガル人の誇りでもあるのだろう。

▲ものすごい急坂を上り下りするケーブルカー(ピッカ線) ▲住宅街の狭い坂道を行き交うケーブルカー・ピッカ線


 カモンイス広場から Rua do Loreto 通りを西へ6〜7分歩いて行くと、左側にリスボンで一番急勾配のケーブルカー、ピッカ線の発着駅がある。上から下を見るだけでもぞっとするくらいの坂道である。

 距離にするとたいしたことはないが、この坂道を徒歩で上るとなると大変なエネルギーが必要になりそうだ。狭いケーブルカーの線路に沿って、歩く道もあって、現地の人の中には歩いて行く人もいる。慣れればどうってことないのかもしれない。観光客のほとんどの人はケーブルカーで往復している。つまり、体験乗車である。ケーブルカーは15分ごとに運行し、1回が3.6ユーロ(7Colinas 使用可)。


▲舗道の敷石が整備された旧市街を行くストリートカー

 私も乗車を体験した後、再びカモンイス広場にもどり、サン・ロケ教会(Igreja de Sao Roque)に向かって北へゆるやかな坂道を6〜7分上がって行く。このあたりの建物は壁のタイルが美しい。市電と重なると典型的リスボン風情の1ショットだ。


▲サン・ペトロ・デ・アルカンタラ展望台。右にアルハンブラ宮殿風のサン・ジョルジュ城が見える

 サン・ロケ教会からさらに徒歩1分ほど進むと、リスボン有数のサン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台(Miradouro de Sao Pedro de Alcantara)に出る。公園になっていて市民の憩いの場でもある。
 ここからリスボンの町が一望のもとに見渡すことができる。リスボンがいかに起伏の多い町であるか、よくわかる。ベンチやテーブルが備わっているので、ここで持参のランチをいただくことに・・・。


▲サン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台のすぐ横から出ているグロリア線ケーブルカー。リベルダーデ通りに通じている

 この展望台のすぐ横にケーブルカー・グロリア線の駅があり、リベルダーデ通りまで運行している。この路線は観光客だけでなく、交通の要所としても便利なので多くの市民が活用しているようだ。

■リスボンのシャンゼリゼ?・・・リベルダーデ通り

 下町風情のバイロ・アルト地区からケーブルカーで下ると、そこは「リスボンのシャンゼリゼ」といわれるリベルダーデ通りに到着。広い並木通りに面して高級ブティックが並び、各国の大使館や航空会社支店などのオフィスが軒を連ねている。

 実際にはシャンゼリゼというより、パリのモンターニュ通り(コンシエルジュが店の入り口に立っている高級ブランド街)に似ている。ほとんどがフランスやイタリアのブランド店の支店だが、やはり需要はあるのだろうか。


▲ロシオ広場のすぐ.北にあるレウスタードレス広場。勝利と独立の精神を表わすオベリスクが立っている。ここに空港バスの駅がある

 目の保養を兼ねてぶらぶら10〜15分ほど歩いて南へ下ると、レスタウラドーレス広場(Praca dos Restauradores)に出る。ここはロシオ広場(Rossio)のすぐ北にある。この広場にもオベリスクが立っていて、だんだん覚えられなくなるが、何でも勝利と独立の精神を表わしているとか。ちなみにレスタウラドーレスとは「復興者たち」という意味だそうだ。


▲レスタウラドーレス広場の西にある通り。ここにツーリスト・インフォメーションセンターがある


▲レスタウラドーレス広場に面したレスタウラドーレス駅の建物。1階では「スターバックス」が営業している

 レスタウラドーレス広場も交通の要所で、多くのバスの停留所、ツーリスト・インフォメーションセンターや鉄道の駅がある。空港行きバス「AER0 BUS 1」の停留所もある。レストラン街やブティック街にも通じている。〈次号につづく〉

〈旅行メモ〉
◎バイロ・アルト地区は昼間は下町風情があっていいのだが、夜はちょっと一人歩きは避けたほうがいい。この地区一帯にファドハウス(リスボン独特の歌声バー)の店も多いが、「観光客は、夜は外出を避けた方がいい」と地元住民のアドバイス。

◎リスボンの通りは石畳と坂道が多いので、靴は履きなれた運動靴か底が平らな靴に限る。さらに、できるだけ市電やバス、ケーブルカーを利用することをおすすめする。これらの乗り物に自由に乗れるパス「7 Colinas」を買って観光するとお得です。

(2016年6月23日号)



 



 
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