古都リスボン、71歳女ひとり旅(3)
アルファマ地区周辺
サン・ジョルジェ城とカテドラル


〈リポート・いろもとのりこ〉

 リスボンの旅シリーズ(1)のバイシャ地区(Baixa)の東に広がる地域がアルファマ地区(Alfama)と呼ばれる。丘の上にそびえているようなサン・ジョルジェ城(Castelo de Sao Jorge)やその下にあるカテドラルが見どころだ。

 また、アルファマ地区は、かつてのイスラムが支配していた時代の跡が色濃く残っていて、狭い入り組んだ迷路のような道が多いのもこの地域の特色である。ここも「リスボンの下町」情緒たっぷりの雰囲気を味わえる。

■歴史の変遷を感じるサン・ジョルジェ城

 サン・ジョルジェ城へ行くには、フィゲイラ広場から737番バスのキャッスル行きが始発駅として出ているので、これを利用するのが一番いい。市電も近くまで行くが、城門の下までしか行かないので、さらに坂道を登らなければならない。バスの運行は、夏期はだいたい15〜20分おきに出ている。


▲市電やバスの発着所として旧市街の交通の要所になっているフィゲイラ広場。中央はドン・ジョアン1世騎馬像

 バスは狭い入り込んだ坂道をくねくね上がって行き、城門の入り口が終点となっている。フィゲイラ広場から約20分ほど。距離的には短いので、スムーズに行けば10分くらいで着くが、なにせ狭い道にバスや一般の車、市電がひしめき合っていて、信号などを待っているほうが長いと感じるくらいだ。


▲ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)の時代にローマ人によって要塞として建てられたサン・ジョルジェ城


▲城壁の上を歩くことができる

 入場料(大人8ユーロ、ミュージアム入場料金込み=1ユーロはカナダドル約$1.50)を払って城壁の中へ。この城はスペインや南仏の多くの城と同様、ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)の時代、ローマ人によって約2000年前に要塞として建てられ、その後、西ゴート、イスラム教徒、キリスト教徒の王など、数百年の間に城主が次々と変わってきた。
 一見、スペインのアルハンブラ城と南仏のカルカッソン城を足して2で割ったような印象を受けた。


▲城内のミュージアムでは当時の土器や装飾品などが展示されている


▲お城の庭から見たテージョ川。クルーズの船もけっこう往来している。遠くに見える橋は「4月25日橋」で、その左に「クリスト・レイ像」が建っている

 現在は、城の中にはミュージアムがあって、リスボンの歴史を学ぶことができる。城の周囲は公園になっていて、リスボンの一大パノラマ風景を満喫できる。テージョ川(Rio Tejo)にはクルーズ船が往来し、西のほうには「4月25日橋」やブラジルのリオのキリスト像を模したクリスト・レイ(Cristo Rei)も見える。

*毎日午前9時〜午後9時までオープン。

■下町のど真ん中に重厚なカテドラル

 ヨーロッパの古い町には必ずといっていほどカテドラル的教会があるが、その周辺はけっこう広々としている。しかし、リスボンのカテドラルは道路からいきなり教会の入り口があるような、にぎやかなところにある。


▲アルファマ地区のリスボンで最も古い教会のひとつ、カテドラル

 このカテドラルも元はイスラム礼拝堂だったのを、1147年にポルトガル国王アフォンソ・エンリケス(在位:1139年−1185年)の命令でリスボンをイスラム教徒から奪還した直後に建て替えられた。もともとは砦(とりで)の役目もあったそうで、大変頑丈な建物にできており、1755年の大地震のときでも壊れなかった。


▲本堂の西側にゴシック様式の回廊が残っている


▲教会内には修復個所もあり、周りを見学できるようになっている

 ロマネスク様式のカテドラルに、後にゴシック様式の回廊、バロック様式の祭壇などが付け加えられ、さまざまな様式が入り混ざっているのもこのカテドラルの特色のひとつだ。

 カテドラルへの入場(毎日午前9時〜午後7時まで)は無料だが、回廊へ行くにはひとり1.25 ユーロ払わなければならない。またミュージアムともいうべき宝物館へ入るのにも1.25ユーロ支払う。


▲カテドラルから坂道を50メートルほど下ったところにあるファドハウス「Clube de Fado」の入り口


▲通路には細くて急勾配の階段があちこちにある

 カテドラルのすぐ近く、正面の右の坂道を50メートルほど下ったところにリスボンでナンバーワンの人気をほこるファドハウス「Clube de Fado」がある。ここのオーナー、マリオ・バシェーコさんはポルトガルギターの名手で、訪日公演もしたことから日本人にも人気があるそうだ。
 この近辺は急な坂が多く、道路と道路を狭い階段で行き来できるようになっている。〈次号につづく〉

www.clube-de-fado.com

(2016年7月7日号)



 



 
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