【今から始める資産運用】

必ずしも有効ではない複数口座での資産運用


〈解説・RBCウェルス・マネジメント資産運用グループ〉

 近年、「分散投資」という考え方は、資産運用において重要な役割を担うものとして、個人投資家の間でも少しずつ浸透してきたように思います。実際、分散投資は一人ひとり異なる資産計画に合わせて最適な形で資産運用を行うこと、またリスク調整を行いながら安全に資産を成長させていくことを可能にします。しかしながら、最近では分散投資のために銀行口座や投資口座を数社に分けて持つ方、そして一人当たりが持つ口座数が増えてきたことで、最近では次のようなご相談が増えてきました。



■資産全体が見えて初めて分かること
 後述するように、分散投資は投資内容に偏(かたよ)りがないようにしてリスク管理をすることであり、たくさんの口座を持つことや取引先を複数に分けることとは異なります。また資産運用は本来、口座ごとに考えるものではなく、家計全体の資産状況・家族構成・人生設計など、さまざまな側面を考慮して、その当人またはご家族のために総合的に考えていきたいものです。
 資産を複数の資産運用会社に分けて管理すると、口座ごとに管理してくれるアドバイザーがいたとしても、家計全体を通して最適な運用プランを考えてくれる人がいません。これによりしっかりと分散投資をしているつもりでも、実は非常に偏ったポートフォリオになっていることがありますので注意が必要です。

運用ポートフォリオの偏り
 たとえ複数の資産運用会社で多数の異なるファンドを保有している場合でも、個別にファンドの保有株式を見ると多くが重複してしまっていたり、産業・会社規模・株式価格が影響を受ける要因等々が似通っており、最適な分散投資ができていないケースがあります。異なる動きをする投資先を上手に組み合わせておくことで、リスク分散ができるだけでなく、マーケットの変動を利用して効率的に資産を成長させることも可能になります。



家計単位で考えたい節税対策
 また、効率的に資産を成長させるために欠かせない節税対策についても同様のことが言えます。税金は、口座ごとに節税策を練っても限られた範囲の効果しか出せませんが、運用資産全体を通して節税対策を考えておくと、長期的に見てもより効果的な節税が可能になります。また TFSA や RRSP などの税金優遇のある口座も含めて家計全体の運用管理ができれば、高い利回りが期待できるものを税金優遇のある口座で運用し、(税金優遇がない)一般口座では、税金に有利なファンドで運用するなどの節税対策ができるようになります。

無駄に運用コストを上げてしまわないために
 運用を資産運用会社に一任している場合、運用金額に対する一定のパーセンテージが運用コストとして差し引かれます。この運用コストは、通常、運用金額が大きければ大きいほど下がる仕組みになっていますので、ここでも資産を1カ所にまとめるメリットがあります。更に、一つ一つのファンドの手数料や配当金に関しても、運用金額の大きさによって有利になる可能性があります。

■資産を1カ所にまとめて運用効率を上げる方法
 近年に入り注目を集めている投資口座があります。UMA(Unified Managed Account)と呼ばれ、複数口座の管理に手を焼いている方にとって、解決策にもなるであろう口座です。UMA を利用すると、一つの口座(UMA)でファンド・株式・債券などあらゆるアセットクラスを組み合わせて運用ができ、資産運用会社に運用を一任することができます。
 従来の投資口座とは異なり、UMA内で複数の異なるアセットクラスを保有している場合でも、運用明細書は一つ一つの投資先ごとではなくUMA(口座)ごとに運用資産全体をまとまった内容で発行され、運用資産全体でどのくらいの運用益が出ているかなどを簡単に把握できるようになります。
 複数の会社で持っている口座を一つの UMA にすべてまとめてしまうことで、そのまましっかりと分散投資ができる運用環境を保ちつつ、各投資先の管理から運用資産全体の状況把握、運用調整までを、すべて資産運用会社に任せてしまうことができます。

        【従来の投資口座】3社の複数口座で運用している場合             




         【UMA】1社で資産をまとめて一つの UMA で運用する場合



 また、前半で述べたように、UMA の下で資産をまとめて運用することのメリットには、家計単位でより最適な運用ポートフォリオを組成できること、また節税対策・運用コストにおいてもより有利なプランニングができることなどが含まれます。UMA の全体像については更なる説明が必要ですが、こちらでは口座名義人の運用管理の負担を軽減させて、運用効率を上げるための解決策の一つとしてご紹介させていただきます。


RBCウェルス・マネジメント資産運用グループ

1901年創業、北米、欧州、東京を含むアジアに拠点を持つカナダNo.1、世界No.5の資産運用会社。日本語グループがあり、日本語のでのトータルサポートを行う。個人・法人を対象に、資産運用、相続、信託、保険、為替など顧客のニーズに合わせたソリューションを提供。金融業界以外でも幅広いネットワークを持ち、弁護士・行政書士・公証人・会計士・移民コンサルタント・住宅ローンや不動産業者などの紹介や連携業務も行う。

お問い合わせは サンチェス 祥子 まで
※最低金額:25万カナダドル
※オンタリオ・アルバータよりのお問い合わせも
 歓迎いたします。

TEL :604-257-7291
Email: shoko.sanchez@rbc.com
20階−745 Thurlow Street
Vancouver, BC V6E 0C5


(2016年7月7日号)



 
 


 
 
(c)e-Nikka all rights reserved