グレータートロント地域の不動産市場情報と
家を買う人のための有益なアドバイス


〈 解説・服部江理子 〉

 6月に出たトロント不動産協会の統計によると、5月のGTA(グレーター・トロント・エリア)の住宅売買数は、1万2,870件で、昨年同時期より、10.6%の増加。それに対し、5月の新しいリスティングの件数は、昨年同時期より、6.4%減っています。それにより、さらに、需要が供給を上回り、住宅の平均価格を押し上げることになり、5月の平均価格は $751,908 となり、昨年同時期より、15.7%、増加しました。

 デタッチ、セミデタッチ、タウンハウスなど、ローライズの家の価格上昇が著しい中、ハイライズである高層コンドミニアムも、値段が比較的安めであることから、需要は増えており、そのため、コンドミニアムの価格も今年に入って5月までの統計で、5.95%上昇しています。



 このような売り手市場で、特にローライズの家のオファー(提示価格)の検討方法としては、セラー(売り手)がオファーを受け取る日にちを市場に出てから1週間後くらいに決め、数件のオファーを集めることが多くなっています。そして、入札になることにより、提示価格より高く売れ、場合によっては、提示価格の30〜40%増しとなることも珍しくありません。

 この時期に家の購入を目指すバイヤー(買い手)にとっては、値段交渉の余地がないどころか、他のバイヤーと競争になるので、提示価格があっても、それ以上いくら出せばいいのか、見当もつきにくく、購入が非常に難しい状況であるのは、疑いもない事実です。
 こんな状況下で、家を探している方にとって、少しでもほしい家が購入できる可能性をあげるためにバイヤーとしてできることをまとめてみました。

1. 予算設定と家の検索範囲を
 実際の提示価格は、より多くのバイヤーをひきつけるように、戦略的に市場価格より低く設定していることが多いです。したがって、予算設定に合う物件を探すとき、上限ぎりぎりの値段で出ている物件は、結局、予算以上で売れる場合が多く、オファーをいくら出しても買えないということになりかねません。
 売値は提示価格より上がるという状況を見込んで、あまり上限ぎりぎりでなく、予算的に余裕がある売値がついている物件を中心に検索しましょう。

2. 見学はできるだけ早く
 希望に合う家が市場に出たら、オファーの日が翌週に決まっていても、週末まで待たず、可能であればすぐに見学する。というのも、オファーの日が決まっていても、プリーオファー(Pre-Emptive Offer ともいう)といって、決められたオファーの日の前、通常、家が売りに出てすぐにいいオファーだから是非検討してくれと、オファーを提出するバイヤーがあります。
 その場合、セラーがそのオファーを見ると決めたら、オファーの日の前に売れてしまうことになります。しかし、その場合、売り手のエージェントは、それまでに見学をした人には、プリーオファーが入ったことを知らせる義務がありますので、プリーオファーの存在が分かるので、自分もオファーを出すチャンスがあります。



3. オファーを提出する時は準備万端に
 一つの家に数件のオファーが入った場合に、もちろん、一番いい価格のオファーが選ばれる可能性は高いですが、それ以外にも、バイヤーができる準備はありますので、それをすべて揃えることが大切です。

 まず、コンディション(条件)の入っているオファーはまず却下されるとみていいでしょう。通常、ホームインスペクションに関しては、セラーはホームインスペクションリポートを用意していますので、それを取り寄せて、その詳細を確認しておく必要があります。もし、リポートが用意されていない場合は、オファーの日までに自分の経費でホームインスペクションをすることも一つのオプションです。
 また、デポジットは、銀行でバンクドラフトか、サーティファイドチェック(支払い保証小切手)で、オファーと一緒に提出できるように用意しておくことも大切です。

4. 後悔のない値段設定をしましょう
 オファーに入れる金額設定は、難しいところです。また、オファーがどのように考慮されるかで、最初の値段設定が若干変わってきます。エージェントを通して、あらかじめ、どのようにオファーが検討されるか(1回限りで一番良いオファーを選ぶ、トップの数件を選び、さらにそこから新たに選択するなど)を確認することも大切ですが、基本的には、買えても買えなくても、後で後悔のない値段設定をすること。そして、感情に流されず、その金額に固執することが大切です。

5. オファーが受領されなかったら
 家との出会いは縁のもの、オファーを出しても買えなかった場合、落胆する気持ちはあるかと思いますが、あまり一つの家に固執しないことです。縁がなかったのだと考え、次の家との出会いを目指しましょう。
 あくまでポジティブに考えることが家の購入でも肝心です。絶対にいい家が買えるという固い信念を持ち、信頼の置けるエージェントとチームを組んで、楽しみながらハウスハンティングのプロセスを乗り越えましょう。

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服部江理子(はっとり・えりこ)
Sales Representative
Royal LePage Signature Realty
Tel : 416-371-0224
E-mail : eriko@royallepage.ca
Website : www.erikohattori.ca


(2016年7月14日号)



 



 
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