アンコール詣で (後編)
巨木の根がはびこる「タ・プローム」
庶民の生活がうかがえるオールドマーケット


〈トロント 成松寿子〉         

■タ・プローム

 暑さを押して、アンコールワットとアンコールトムの次にタ・プロームの遺跡を訪れました。巨木の根が遺跡に絡みつき、建物全体が今にも破壊しそうな寺院です。ここは修復よりも、樹木に覆われた発見当時の様子を残そうとしているそうです。

▲ガジュマルの木に覆われたタ・プロームの寺院  ▲イチジクのような花が枝に付くというガジュマル


 木は「ガジュマル」で、樹高は20m、熱帯地方に分布するクワ科の常緑高木、イチジクのような花序(かじょ)が枝先に付くそうです。1901年にアンコールを訪れたフランス人が書いた本では、木を「無花果(いちじく)」と呼んでいました。幹はつるつるで、白っぽく、ショウガの表面のような大木で、日本では九州から南西諸島に分布するそうです。


▲ファッショナブルに決めた観光客も・・・ 

 ミニの薄物の透けたドレスに、揃いの帽子をかぶった観光客が人目につきます。「遺跡見物はジーパンとTシャツなんてダサイよ」と言っているのかもしれません。

■オールドマーケット

 オールドマーケットへお土産を買いに行きました。トックトックに乗ります。US$2。これはオートバイの後ろに数人乗れる車を付けた、アジアでは格好の乗り物です。

 「ゆっくり運転してね。急いではいないから」と、必ずドライバーに言わなければいけないと、ガイド氏から強く言われていたので、そのとおりにしました。


▲トックトック。運転手はお昼寝中です


▲ランチの準備は完了

 「トックトックは世界一安全な乗り物。安心してください」。過去に、タイのバンコクで聞いた同じセリフをドライバーは誇らしげに言います。


▲オールドマーケット


▲野菜を売る女性

 オールドマーケットでは何もかも揃っています。生鮮食料品、雑貨、お土産、宝石、そして美容院まで・・・。

 サファイアの指輪がとてもきれいだったので値段をきいたら、「US$20」 と言われました。そんな・・・US$200 なら少しは信じるけれど・・・と、ブツブツ言っていたら、店員は「この石は本物だよ」と体温計のような測定器具(?)を石に当てて測り、証明しました。筆者の指輪の石も測り、「これは、うん、うん、良い石だよ」と褒(ほ)めます。

 冷やかしている間も「暑い、暑い」。商談なかばで「また来るね」と、トックトックに乗り、無事ホテルへ戻りました。

■アンコールワットの日の出

 アンコールワットの日の出、日の入りの美しさは世界一・・・というので、3日目の朝、暗いうちにホテルを出ました。多くの観光客が堀の手前の石垣の上で、今か今かと日の出を待っています。その朝の、日の出は写真でご覧ください。秋分の日と春分の日には、太陽はアンコールワットの中心塔(最も高いとがった塔)の真上から昇るそうです。


▲日の出  

 アンコールには、ほかに、美しい女神デヴァター像が彫られている「バンエアイスレイ」、最古のアンコール遺跡の「ロリュオス遺跡」など60基以上の遺跡があるそうです。

 そして、シェムリアップの南にあるトンレサップ湖のクルーズもおすすめです。この湖は、乾期(12月〜4月)には琵琶湖の約3倍の広さですが、雨期(5月〜11月)には約10倍にもなるそうです。

 このほか、宮廷で舞われたという美しい「アブサラの舞」鑑賞、クメール料理を味わうなど、旅の魅力は限りがないと言っていいくらいです。
 効率よくよりたくさんの遺跡などを楽しみたいと望む方は、日本からの観光会社のツアーにお入りになると良いでしょう。

 団体客のいないホテル、アンコールらしい様式でレトロなホテル、客が休暇を静かに過ごすホテル、食べ物が美味しくて、アフタヌーンティーがあるなど、筆者の希望で選択したホテルは望み通りでした。


▲ホテルは美しい花であふれる


▲織り姫が実演中 

 しかし、踊りも料理も、クルーズもパスしました。もしまた訪れるなら、この地方では最も温度が低いという11月から1月に行きたいです。(おわり)

(2016年7月28日号)



 



 
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