新築コンドミニアムのアサイメントセール
通常物件のリセールと異なるので購入の際は慎重に


〈 解説・服部江理子 〉

 不動産会社が使う、不動産の売却情報サイトは、MLS(マルチプル・リスティング・サービス)といい、通常、リセール(中古)の物件が市場に出ると、このデータベースに入ります。
 その中で、時々、コンドミニアムの「Assginment Sale」とされて出ている物件があります。一見、通常の新しいコンドミニアムのようですが、このアサイメントは、通常のリセールの売買と違い、複雑なプロセスとなり、購入する場合は、慎重に行う必要があります。

アサイメントセールとは
 アサイメントセールというのは、コンドミニアムの所有者になる権利を売ることです。実際には、ビルダー(建設業者)から建築前にフロアプランの段階でコンドミニアムを購入した人が、コンドミニアムが建設される前、もしくは、建設されて入居ができるけれど、まだ、正式に政府にコンドミニアム登録がされる前に売りに出し、アサイメントを購入する人は、コンドミニアムの所有者となる権利を買う、売り手がビルダーと交わした契約書を買うということになります。



 コンドミニアムを建築前にビルダーから購入する場合、購入者が実際にそのコンドミニアムの所有者として、名義登録されるまでに数年かかります。購入したコンミニアムドが完成して、入居ができる段階を「Interim Closing」といいますが、その後、コンドミニアムが市のインスペクションにパスし、いろいろなプロセスを済ませ、正式にコンドミニアムとしての登録が済むまでに、さらに3カ月から、長くて2年ほどかかります。この登録が済んで初めて、コンドミニアムの購入者は、残金を支払い、名義が登記され、正式に所有者となります。

 そのような長期にわたるプロジェクトですので、コンドミニアムを購入する契約をビルダーと交わした人が、完成までに事情が変わり、そこに入居できなくなったり、最終のクロージングの経費、残金を払いたくない、もしくは払えないなどの状況になったりすることもあり得るわけで、そのような場合、よく「アサイメントセール」として、その契約が売りに出されます。




アサイメントセールの利点・欠点・注意事項
【売り手側】
・アサイメントは、必ず、ビルダーの同意が要ります。特に、そのコンドミニアムに売り残りがたくさんある場合、ビルダーが同意しない場合もあるので、その点、要注意です。また、通常、ビルダーに払う手数料が生じます。また、ビルダーからの規制で、広告が通常のリセールで使う、MLSのデータベースには出せないことも多く、広告の手段が限られます。
・アサイメントセールで売っても、最終のコンドミニアムのクロージング(決済日)まで、ビルダーと交わした全責任を逃れられるわけではありません。

【買い手側】
・すでに交わされた契約書を買うわけなので、その内容をそのまま受け継ぐしかなく、内容の変更などできません。
・最初に支払うデポジットは、アサイメントの売り手がビルダーに支払ったデポジット相応額となることが多いので、コンドミニアムの15%〜20%ほどが必要。
・Interim Closing の後で、Occupancy Fee と呼ばれる費用、また、リセールより高額となる、新築物件に対するクロージングコストがかかります。

 アサイメントは複雑ですので、必ず、知識のある不動産エージェントや弁護士を通して、慎重に行いましょう。人気があり、完売のプロジェクトのアサイメントを、そのコンドミニアムが登録され、リセールとして出る場合の価格より、低めで購入できれば、入居までの待つ期間も短く、いい物件が手に入るかもしれません。 

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服部江理子(はっとり・えりこ)
Sales Representative
Royal LePage Signature Realty
Tel : 416-371-0224
E-mail : eriko@royallepage.ca
Website : www.erikohattori.ca


(2016年8月11日号)

 
 


 
 
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