バンクーバー詩吟愛好者交流会
アメリカからも参加、流派を問わず詩吟楽しむ


 バンクーバー新報社主催の第一回「バンクーバー詩吟愛好者交流会」が、8月27日(土)、バンクーバー仏教会ホールで開催された。

 今回は新しい試みとして、日本人・日系人の間で 古くから愛好されてきた詩吟を流派も雅号も問わず、日本文化としての詩吟として楽しんでいただきたいというバンクーバー新報・津田佐江子社長の提唱で話が急ピッチで進み、開催が実現したものである。


▲「バンクーバー詩吟愛好者交流会」参加者の皆さん

 参加者は地元ばかりでなく、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ハワイからも申し込みがあり、一度の広報で参加者予定人数に達してしまったという。交流会には28名が参加。
 流儀や規律の厳しい日本文化の流派を一つにまとめてしまうというのはどんなものかとの思いもあったが、順調に開催にこぎつけたのも見事であった。

 当日のプログラムは三部からなり、一部では詩吟愛好者交流会実行委員長の伊東考次氏の開会の辞、主催者側から津田佐江子社長の挨拶に続き、吟詠開始。休憩をはさんで彩月会の日本舞踊が披露された。

▲実行委員長として活躍した伊東考次氏。演じた詩吟の題は「千島慕情(和歌入り)」 ▲主催者バンクーバー新報、津田佐江子社長


 伊東考次実行委員長は挨拶のスピーチで次のように述べた 「今回の流派を超えた詩吟のアイデアは4月ごろに津田社長にお目にかかった時に出た話だったのですが、津田社長のお力添えを得て本日の開催に漕ぎつけました。詩吟はどういうわけかシニアのイメージがあります。北アメリカでは詩吟人口の90%がシニアですし、日本でも70%がシニアと、若い人が少ない中で、詩吟をどう広めていくかを考え、流派にこだわらず日本文化としての詩吟として広めていきたいと思いました。詩吟の発声法は、ストレスが発散できますし、頭も使うし、ボケ防止など体にも良いものです。今回は流派を超えた詩吟愛好者交流会第一回目ですが、これからも皆さまと一緒に力を合わせて、詩吟を愛し日本の文化を続けていくことを目指していきたいと思います」

 主催者の津田佐江子氏は「5月ごろから準備を始めたのですが、皆さまのご協力・ご支援を得て準備も着々と進み、会場の機器設置や飾りつけなども素晴らしい出来栄えとなりました。今回は日本文化としての詩吟、そして各流派の吟詠を聴けますから、その違いも楽しんでください」と結んだ。

▲吟題「辞世(和歌入り)」。ロサンゼルスから参加の世木錦光(せき・きんこう)氏 ▲「白虎隊」を吟じる摺木正弘氏(右)と池田貢氏(左)。ロサンゼルスから参加


▲「御製(朝みどり)」を吟じる田波国詔氏 ▲「千島慕情」を吟じる秋田谷国裕氏



▲ハワイから参加した皆さんと津田佐江子社長(右から3人目)

 第二部と第三部の間にも音羽流日本舞踊が披露され、続いて琴と尺八の演奏が行われた。第三部はバンクーバー沖縄太鼓の演奏に続いて吟詠。
 「月の砂漠」「富士山」「居合道」「江雪」「合戦川中島」「静夜思」「吟道」「千島慕情」「白虎隊」「御製・あさみどり」など、28の吟題が披露された。尺八の伴奏や抜刀術、自らの楽器演奏を伴う作品も吟じられた。

▲日本舞踊「彩月会」 ▲琴と尺八の演奏


▲「名槍日本号」を吟じる富永サニーさん。ハワイから参加 ▲日本舞踊「音羽流」の演技



▲抜刀術(デービッド・パーカー氏=右)を伴って詩吟「居合道」を吟じる角谷国魁氏(左)

■交流会を終えて「参加者の声」
「違った流派を一堂に集めての交流会とはどんな感じだろうか?と思っていましたが、それぞれの流派の違いを感じられるチャンスでもあったし、実行委員会の方たちの企画や会場設置なども良い雰囲気で、素晴らしい企画だと思いました」

「各流派ごとの温習会では、集まる人たちもほとんどがメンバーばかりでしたが、今回、メンバーより外部のお客が多かったのは、初めてのことですよ。楽しい雰囲気でした」

「はじめはどうなることかとも思ったのですが、素晴らしい企画でしたね。でも、やはり皆あがってしまうのか、実力を出しきっていなかったようです。場慣れ、そして緊張をコントロールできるようになると、もっと素晴らしい詩吟になるでしょう」

「多くの人たちが参加してくれて感謝です。これから2回目、3回目と日本文化としての詩吟を広く伝えていきたいです。流派を超えて皆が心を合わせ、その調和が素晴らしかったです」

 参加者全員の心の調和の素晴らしさを感じさせ、称賛の声もあがり、今回の交流会は大成功のうちに幕を閉じた。

〈 リポート・妹尾 翠 〉

(2016年9月1日号)


 



 
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