【健康トピックス】
自らの体験から「ピラティス」を指導
インストラクター、小山史子さん


〈リポート・いろもとのりこ〉

 ピラティス──「え? スイーツの一種?」。 いえいえ、ピラティス(Pilates)はかなり昔からある健康エクササイズのひとつです。ヨガに比べて年齢の高い人でも始めやすいことから根強い人気がある。


▲ピラティス・インストラクターの小山史子さん

 自らの体験を通してピラティスの効果を実感し、指導者としての免許を取得。トロント近郊の J-TOWN 2階で指導にあたっている小山史子(こやま・ふみこ)さんにピラティスについてうかがった。

 小山さんは熊本市出身、42歳。グラフィックデザインの専門学校を卒業後、1996年カナダへ。トロントでグラフィックデザイナーとして活躍。フォーリーアーティスト(Foley Artist =音響効果技師)の小山吾郎さんと結婚し、現在、13歳(男)、10歳(女)、5歳(女)の3人の子供の母親である。

■ピラティスとの出会い

「3人目の子供を出産後、肩と腰痛がひどくなり、運動をしたくてコミュニティーセンターのピラティスクラスをとったのがきっかけです」と、小山さん。

 ピラティスをやっていくうちに、肩や腰の痛みもなくなり、長年悩まされていた花粉アレルギーも緩和されて、体が疲れにくくなっていた、という。

「続けていくうちにやめられなくなり、そこでピラティスの良さを多くの方に知っていただけたらと思い、骨格や筋肉までしっかり教えているストット・ピラティス (Stott Pilates =トロント地区でもっとも権威のあるピラティスクラスを運営、指導者の養成コースもある)で学んで指導者資格を取りました」
 まさに自らの体験を通しての指導だけに説得力がある。

■ピラティスとは? 

 では、ピラティスとは、一体、どんなエクササイズなのだろうか。
「もとは1920年代にドイツ人のジョセフ・ピラティスという従軍看護師が軍の病院で負傷した兵隊のために始めたリハビリ運動です。その当時はかなりきつい運動だったようですが、今はいろいろと補正され、健康エクササイズに変わってきています」

 一番の特色は、人の骨格に合わせて筋肉を動かし、体幹(インナーマッスル)を鍛えていくこと。

「ヨガとのちがいは、呼吸は腹式呼吸ではなく、胴の真ん中から膨らます呼吸により、横隔膜を何からも邪魔されることなく、効率よく酸素を体に供給できる呼吸を中心にやっていきます。ストレッチやリラクゼーションではなく、筋力トレーニングに近いです。要は自分で自分の体を治すのです」

 レベルによってトレーニングの仕方も変わるが、ヨガほど派手な動きがない分、だれでも始めやすい。その反面、物足りないと言う人もいるそうだ。

▲ボールを使ったスタピリティーボール・エクササイズ。左にあるのがフォームローラー ▲スタビリティーボール・エクササイズのひとつ


▲マットレスとボールを使って・・・ ▲腹筋効果のエクササイズ


 エクササイズに用いる道具や器具はいろいろあるが、初心者はマットレスとボールだけあれば基本の運動はこなすことができる(ボールには大小いろいろなサイズがある)。小さいボールを使うエクササイズは、スタビリティーボール・エクササイズと呼ばれる。

 そのほか、円柱のローラー(フォームローラー)やゴムバンド(ストレッチバンド)を用いて、骨格や姿勢を修正するエクササイズを行っている。いずれも手軽なものばかり。

▲オーロラのクラスにあるピラティス・エクササイズ用のチェア。スプリング(バネ)のテンションによって抵抗がかかり、エクササイズができる ▲リフォーマー。機能はチェアと同じ


 J-TOWN のクラスには置いていないが、小山さんが指導しているトロント郊外のオーロラ(Aurora)やアックスブリッジ(Uxbridge)のスタジオにはピラティスのエクササイズに用いるマシンが備わっている。
 マシンはチェア、リフォーマー、キャデラックなどがあり、初心者から高いレベルまで利用することができる。ただし、マシンを使うときは必ずインストラクターが付いていないといけないそうだ。

■効果は・・・体のバランスがよくなり、ボケ防止にも

「ピラティスは骨に近いコアマッスルを鍛えて行くので、徐々に姿勢がよくなり、体のバランスがよくなってきます。それによって代謝を促し、疲れにくく、長い目でみると、やせやすい体になっていきます」

 さらに脳を刺激するので、ボケ防止にも効果があり、ストレッチによって、うつっぽい人には気分を壮快にする。ピラティスの呼吸と軽い運動をすることで安眠にもつながるという。

 ここで実際にクラスの生徒さんたちに感想を聞いてみた。
Aさん「まだ始めて数回ですが、とにかく終わったあとは気分爽快です!」
Bさん「半年ほどやっていますが、筋肉トレーニングのおかげでしょうか、3段腹だったのが1段になりました」
Cさん「以前はよく筋肉痛になっていたのですが、それがなくなりました」

■幅広い年齢層の生徒たちと目的

 小山さんのクラスには若い人からかなり高齢の人まで幅広い年齢層の人たちが参加している。目的はさまざま・・・。


▲J-TOWN 2階のダンススタジオで行っている小山史子さんのピラティスクラス

「オフィスワークで姿勢の悪い方、出産後の骨盤のみを治したい方、体のけがや手術が原因で筋力が落ちた方、運動不足で急に激しい動きは少し不安とおっしゃる方、体が柔軟ではない方、健康管理としてされている方など、さまざまです」

 また、「若いクラスは10代のダンスをする女子たち、ホッケーを練習している男子もいます。普段使わない筋肉をほぐし、鍛えることでよりよい動きができるようになります。
特に若い子たちはスマホをはじめコンピューター機器を使うことが多く、前かがみ姿勢になりがちで、ほぼ猫背になってきているのを治す目的の人もいます」と。

■ピラティスの楽しさを知ってもらいたい

「ピラティスのおかげで、私自身とっても体の調子がいいし、疲れを感じません。今後、ピラティスを広げるというよりも体を動かして自分の体や心のメンテナンスもできるということ、その楽しさを知ってもらいたいし、一緒に感じられたらうれしいです」

 その方法のひとつとして、イベントなどに参加するチャンスがあれば、ぜひ行ってみたいそうだ。
 猛暑だった夏も過ぎ、体を動かすには絶好の季節。健康維持のためにあなたも始めてみませんか。

■小山史子さんのピラティス・クラス
◎J-TOWN 2F Dance Studio
 毎週水曜日 夜7時〜8時
◎Spine Stretch Studio (AURORA)
 spinestretchstudio.com
◎Uxbridge Pilates (UXBRIDGE)
 www.uxbridgepilates.com

*セミプライベート、プライベートレッスンもある(日本語または英語)
詳細の問い合わせは下記へ
Tel : 416-471-9500

E-mail : fumicoyama@gmail.com

(2016年9月29日号)



 
 


 
 
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