ハリー・ポッター映画の撮影場所を見て回る
英国ロンドン、ウオーキングツアー


〈 リポート・カルガリー市 奈良由貴子 〉

 映画「ハリー・ポッター」が撮影された英国のワーナーブラザーズ・スタジオ見学については、9月22日号本欄でリポートしましたが、今回は、その第二弾です。
 ハリー・ポッター映画の撮影は、映画スタジオだけではなく伝統と近代と魔法の世界が入り混じったロンドンの街のそこここでも行われました。そんな映画の撮影場所を歩いて回るツアーに参加しました。


▲ハリー・ポッター

 集合場所は、地下鉄のバンク駅。その名の通り、平日は多くの人で混雑する金融街です。ツアーの行われる日曜日の午後は、一転して、ひっそりと静まり返り、現実から逃避するかのような独特の雰囲気をかもし出しています。


▲ガイドのリチャードさん

 ガイドのリチャードさんは、グリフィンドール(ハリーが属する寮)のシンボルカラー(真紅と黄金)のネクタイをしているので間違えずに見つけることが出来ました。参加者は、若い女の子が多いのかなぁと思っていたのですが、以外にも男の子のグループや年配の夫婦でした。初対面でもハリポタファンには通じるものがあり「集合場所の3番出口は、『3 3/4番出口』としなくちゃ」と一笑いして、すっかり打ち解けてしまいました。

 さぁ、いよいよツアーの始まりです。魔法の銀行の外観は、この金融街のビルをイメージしています。ビルの合間の薄暗い細い通りに一歩足を踏み入れると魔法の匂いがプンプンしてきます。


▲ロンドンで一番古いレストラン「シンプソン」


▲ロンドン最初のコーヒーショップ

 1757年創業のロンドンで一番古いレストラン「シンプソン」を通り、これまた、ロンドン最初のコーヒーショップを抜けると、ロンドン最古のアーケード、レドンホール・マーケット(Leadenhall Market)に出ます。壁の装飾や色彩などが壮麗で、ロンドンの高層ビル群を忘れてしまう、一瞬にして異国に来たような気分になります。


▲レドンホール・マーケット 


▲レドンホール・マーケットのアーチ。ここで撮影が行われた


▲レドンホール・マーケット内のチーズ店


▲レドンホール・マーケットの一角。ここも撮影場所

 第一作目の映画「ハリー・ポッターと賢者の石」の中で、魔法学校入学のために教材などを買いにロンドンに出てきたハリーが「魔法の杖など、そんな魔法グッズ、ロンドンのどこで買えるの?」と聞くと、ハグリッド(禁じられた森の番人)が「ある所にはあるんだよ」と答えるシーンは、このマーケットのアーチの下で撮影されました。

 実際に、ガイドのリチャードさんがハグリッド役、参加者の一人がハリー役になって、再現。みんなしっかりセリフを覚えています。家に帰ってから、映画のこのシーンを何度も繰り返し見たのは私だけではないでしょう。


▲「漏れ鍋」の入り口に使用されたドア


▲「20 Fenchurch Street」の高層ビル

 アーチのすぐ近くには、居酒屋「漏れ鍋」の入り口に使用されたドアがあります。今は青いペンキで塗られていました。
 ここから上を見上げると、「20フェンチャーチ・ストリート」の高層ビルが見えます。完成当初、カーブしているガラス張りの壁面が太陽光を反射して、近くに止めてある車のボンネットで目玉焼きができるほど高温になると話題になりました。


▲ロンドン大火記念塔

 レドンホール・マーケットを後にして、リチャードさんの出すハリポタに関する質問に次々と答えながら話が弾み、着いたのは1666年のロンドン大火記念塔です。
 「ハリポタで1666年に関連するものは?」──この問いには、みんな悩んでしまいました。ロンドンに住んでいたことがある「ハリーポッター・シリーズ」の作者ジョアン・ローリングさん(Joanne Rowling)は、お話の中にいろいろとロンドンに関することを取り入れているのです。「1666年」は、ダンブルドア校長先生の友人で、「賢者の石」の共同研究者ニコラス・フラメルの年齢、665歳に関連づけられています。


▲右側の弧(こ)を描いているビルが撮影に使われた。正面はタワーブリッジ

 テムズ川にかかるロンドン橋から見える弧(こ)をえがいたビルは、最後の映画「ハリー・ポッターと死の秘宝」の冒頭、オフィスビルが傾くシーンに使用されました。ロンドン橋を渡ると、対岸にあるバラ・マーケットに着きます。


▲ロンドンの食の宝庫、バラ・マーケット入り口


▲緑色のお店の上階の部屋にハリーが泊まった

 ここは、ヨーロッパをはじめ、世界中から最高の食材が集まる市場です。このマーケットの横を走る電車の高架線の脇にあるお店が、第3作目の「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」のロケ場所です。ハリーがいとこの家を飛び出し、「夜の騎士バス」でロンドンに出てきて一泊した朝、窓の外に電車が通るシーンが撮影されたところです。


▲ミレニアム橋とセントポール大聖堂

 バラ・マーケットのほのぐらい脇道を通り抜け、広々としたテムズ川沿いの遊歩道に出ると大勢の人でにぎわっています。魔法の世界から現実に戻ってきたような感じです。今度は、ミレニアム・ブリッジを渡って川の北側に戻ります。
 この橋も最後の映画では、橋がぐらぐらと揺れだして崩れてしまいました。橋のたもとの赤レンガ建物は、ハリー・ポッター役のダニエルさんが実際に通っていた学校です。


▲セントポール大聖堂

 ツアー最終地点は、セントポール大聖堂です。正面上部の鳥の彫刻に注目してください。そう、この鳥が不死鳥のモデルだったのです。
 魔法もありえるかも!と思わせてしまうロンドンに魅了され、街の散策に深みが増し、ハリポタファンでなくても十分に楽しめるツアーでした。

 ロンドン・ウオーキングツアーのウェブサイトには、ハリー・ポッター関係だけでなく、いろいろなツアーが掲載されています。どのツアーも予約不要なので、旅行中、時間が空いてしまった時など、飛び込みで参加できるのがうれしいです。

■ロンドン・ウオーキングツアー
 料金 : 10ポンド(カナダドル約$16) 予約不要
 日時 : 毎週日曜日 午後2時出発(所要時間約2時間、ガイドは英語)
 集合場所:地下鉄バンク駅(Underground Bank Station)3番出口
http://www.walks.com/

(2016年10月20日号)



 



 
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