優秀なピアノ教師、パーカー木村敬子さん
ロイヤルコンサバトリーからアワード授与される
ピアニストの息子ジョン氏がサプライズ対面


 ブリティッシュコロンビア大学(UBC)チャンセンターで、11月6日、トロント・ロイヤル・コンサバトリー・オブ・ミュージック(RCM)の2016年度アワード授与式が行われた。
 ピーター・サイモンRCM院長の開会の辞に続いて、第一部は、Licentiate Diploma と Associate Diploma の授与、第二部は音楽を学ぶ金メダル獲得の生徒たちへの授与、そして第三部では今年から始まった Teacher of Distinction Award の授与式となった。


▲授賞式にて(左から)ピーター・サイモンRCM院長、RMC役員、パーカー木村敬子さん

 この、優秀な教師に与えられる Teacher of Distinction Award を獲得したのは、日本人のパーカー木村敬子さんで、世界的ピアニストのジョン木村パーカー氏を育てた母親でもある。

 授与式は順調に始まり・・・しかし途中で、サイモン院長が観衆に声を掛けたのを合図に、敬子さんの息子ジョン木村パーカー氏が、突如、ステージに現れたのであった。感動の一瞬であった。
 ジョン・パーカー氏は前夜(5日)にはトロント交響楽団との共演があり、公演終了後、トロント空港に直行し、そこで最初にカナダ西部に向かう飛行機に飛び乗った。ところが、この飛行機はウィニペグ終点であったので、ウィニペグ空港で一夜を明かし、6日(日曜日)バンクーバー行きの最初の便に乗って、午後1時の式典に間に合ったという。涙の再開であった。


▲受賞後、スピーチをするパーカー木村敬子さん


▲公演先のトロントから駆けつけた息子ジョン木村パーカー氏とサプライズ対面

 パーカー木村敬子さんは、こう語る。
「彼が来るとはつゆ知らずでしたので、びっくりすると同時に涙があふれ出ました。あのタイトなスケジュールをこなしたのも、旅慣れた人でなくてはできない芸当ですよね。
それから、お招きした方々から花束を頂いたのもサプライズでしたが、式のあとのレセプションで、昔の教え子が何人も名乗って来てくれたのも感動でした。その人たちは、今ではひとかどの先生になっていて、自分の生徒がお免状を受けたり金メダルを獲得したために式に出席された人たちでした。再会を喜び合うと同時に、自分の教え子が立派な先生になっていたことは教師冥利に尽きます。ロイヤルコンサバトリー音楽院は白人が白人社会のために130年前に創設した組織ですが、日本から移民してきた日本人教師が認められたという思いがめぐり、46年の教師生活を振り返り、感無量の一言です」

 ジョン・パーカー氏は4歳からピアノを習い、5歳でバンクーバー・ユース・シンフォニー・オーケストラに参加。1984年のリーズ国際ピアノコンクールにカナダ人として初めて優勝するなど多くの国際的な賞を受けており、1999年にはカナダ勲章「Order of Canada」のオフィサー(Officer)を授与された。(1988年11月トロントで開催の「日加タイムス・クラシックコンサート」でピアノリサイタルに出演していただきました)

【パーカー木村敬子 プロフィール】
 東京都立駒場高校を経て、1957年東京女子大学文学部英米文学科卒業。同年カナダに渡る。1964年にトロント王室音楽院の教師試験に合格し、ARCT(Associate of the Royal Conservatory of Toronto)の称号を得て40 年余り、和音、対位法、音楽史、分析などを主に教授。1993 年にバンクーバー市の University of British Columbia 大学院文学部英文科で修士号(M.A.)を取得。1993年から2004年まで Shakespeare Society of Vancouver の月刊 Newsletter の副編集長を務める。1950年代後期よりジェーン・オースティン研究を始め、1981年に北米ジェーン・オースティン協会に入会、その後、バンクーバー支部長を務める。世界的ピアニストでオーダー・オブ・カナダを受章しているジョン木村パーカーさん、同じくピアニストで弟のジェミー・パーカーさんの母親である。

〈写真はパーカー木村敬子さん提供/リポート・妹尾 翠〉

(2016年11月17日号)


 
 


 
 
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