2016年のGTA住宅市場
売買件数・平均売値ともに上昇続く
来年以降は売り手市場からバランス取れた市場に変動か


〈 解説・服部江理子 〉

 トロント不動産協会が12月に出した最新の統計によると、GTA(グレーター・トロント・エリア)の住宅市場は、引き続き、売買件数、平均売値ともに上昇を続けています。売買件数は、11月末までに、昨年2015年の過去最高記録となった、101,299件をすでに上回る、107,840件の売買件数となっています。

 また、平均売値のほうは、コンドミニアム、タウンハウス、一軒家すべてを含めた平均価格が、$729,849で、これは、昨年同時期より、なんと、17.2%増しになっています。そして、11月までで、売却された住宅の平均市場日数は、17日で、これは昨年より34.6%も短くなり、いかに、現在、市場に出た家が早く売れるか、確実に数字に反映されています。



 この傾向の背後には、モーゲッジの金利が引き続き低いこともあり、買い手、いわゆる需要が多いという点がありますが、それ以上に、供給が少なくなっていることが値上げ現象を引き起こしているといえます。現在、リスティング、いわゆる市場に売りに出ている物件の数は、昨年を大幅に下回っており、売り手市場現象を助長しています。

 また、不動産タイプ別に見てみると、一軒家は相変わらず人気ですが、タウンハウスや、コンドミニアムも比較的、値段がまだ手ごろなことから、特にバイヤーの約50%を占めるといわれるファーストタイムバイヤーを主に売れ行きが良く、どのタイプの住宅も売買件数、価格共に上昇しています。



 さて、2016年も残すところわずかですが、これから2017年以降、GTAの住宅市場はどうなっていくのかを見てみましょう。

 GTAの住宅価格は、2000年から2016年までの16年間に約3倍となりました。歴史的に見て、過去40年の平均価格の変化で出したトレンドによりますと、GTAは、平均で、年間5〜6%の上昇を続けてきたことになります。そう考えると、ここ何年かの値上がり状況はトレンドを大幅に超えていることになります。

 今後の、住宅市場に大きく影響を与えるモーゲッジの金利ですが、CMHC(Canada Mortgage and Housing Corporation)によると、変動率は、2020年ごろまで比較的低く保たれるようですが、モーゲッジの金利は現在が最低で、今後は少しずつ上昇していくようです。

 また、人口の増加具合ですが、GTAの移民状況は、カナダ政府の移民審査がより厳しくなったこともあり、今後数年にわたる移民数は少なくなっていくようです。



 まだまだ、ベービーブーマーの購買力もあり、バイヤー数は引き続き保たれるでしょうが、この近年の住宅価格上昇により、不動産状況の健全さを計るアフォーダビリティーの数値は、健全枠の上限に達してきています。CMHCの予想によると、2017年の売買件数は、90,000件前後に下がるとのことです。また、市場に出る売り物件の数も、今後、数年、下がる見込みです。

 過去、家の買い替えは比較的容易でしたが、現在の不動産市場では、GTA内での引っ越しであれば、高値で売れても結局、購入価格も高くなるため、売買にかかる経費を考えると、引っ越しをせず、持ち家を必要に応じて改装したりして、家に留まることを選択する家庭が増えているようです。

 このように、2017年からの住宅市場は、今後、調整期間に入り、セールス数、値段上昇率、共に下がる方向に向かい、売り手市場から、バランスの取れた市場へと変動していくと思われます。ただし、住宅価格が下がるということはまずないと見ていいでしょう。

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服部江理子(はっとり・えりこ)
Sales Representative
Royal LePage Signature Realty
Tel : 416-371-0224
E-mail : eriko@royallepage.ca
Website : www.erikohattori.ca


(2016年12月22日号)



 



 
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